オープンバイト(開口)の問題点

  • 2015.04.08 Wednesday
  • 10:49
口を閉じても前歯が離れてしまうかも合わせをオープンバイト(開口)と言います。
このかみ合わせにはどんな問題点があるのでしょうか?
本日はそんなお話です。

オープンバイトの原因は、多くは幼児期の飲み込み運動が残っていることによります。
赤ちゃんは、おっぱいに舌を巻きつけて飲み込みます。
この時、唇をおっぱいにしっかり吸い付けて下を前方に出すことで口の中を陰圧にしてのみこみます。
この嚥下の癖が残っている人は、下を前歯の間に出しながら飲み込んでいます。
このために、前歯がかみ合うのを自分の舌で矯正してしまっているのです。
治療にためには、この飲み込み癖を治すことから始めなければなりません。
このお話は後日にします。

さて本日の本題、オープンバイトの問題点についてです。
前歯がかみ合わないことによる弊害は何でしょうか?
前歯には、後方臼歯を守る役目があります。
通常、何も口の中に無い状態で噛み合わせると、臼歯がかみ合った時点で前歯は噛んでいません。
歯を側方にいっぱいいっぱいに動かすと、犬歯がガイドして運動し臼歯部は離れます。
このことにより、臼歯部は側方力から守られます。
また、前方に動かした場合は、門歯がガイドになり臼歯が離れます。
このことで同様に臼歯は側方力から守られます。
オープンバイトだと、この機能が全く働きません。
その為、臼歯部の過剰なすり減りや負担がかかり長い年月のうちには様々なトラブルが発症する危険が高まります。

ただ強調しておきたいことは、これらのトラブルは必ず起こるとは限らないことです。
我々の口の中の疾患は、多くの場合多数の問題が混合して起きるものです。
その原因を一つ一つ解消するのは意味があります。

しかし、必ずしなければならないものとは言えないのです。

発表原稿作成中

  • 2014.12.05 Friday
  • 08:48
只今、12月に行われる所沢歯科医師会での学会発表の原稿を作成中です。
今回のテーマは、被せる前の矯正についてです。

虫歯や歯の骨折で歯肉のかなり深いところまで歯が無くなると、そのままではきちんと歯を被せられません。
歯を被せるということは、健康な自分の歯を少なくとも1mm、できれば2mm含めて被せなければならないからです。
その為には、深く歯肉に覆われている健康な歯を歯肉の上に露出しなければなりません。
方法は大きく分けて二つあります。
手術で歯肉を下に下げて歯を露出させる方法と歯を動かして露出させる方法です。

今回は後者の矯正についてお話する予定です。
対象者は全員歯科医療従事者、ほとんどは歯科医師です。
なぜ、そんな専門家に今更そんな話をするのかといいますと、歯科医師が全員矯正を応用しているかというとそうでもないからです。
すべての歯科医師は、大学教育の中で矯正を学んでいます。
ただ、大学の臨床実習でも矯正患者さんを実際に治療することはありません。
また、卒後初めて働く医院も矯正を導入しているとは限りません。
そんな場合に技術を身につけるためには私たちは、卒後研修機関で学びます。
そうして、十分な研修期間を経て患者さんに臨床応用していくわけです。
当然のことながら、学ぼうとする姿勢がないとその技術を習得することはできません。
歯科医師側には、それにかける時間と研修費というハードルがあるわけです。
また、患者さんもその恩恵を得ることはできないわけです。
そこで今回は、なるべく応用しやすい矯正法を紹介して、まだ応用していない先生の参考になってもらえばと思いお話することにしたわけです。

現在、スライドを作成中です。
朝の早起き時間を使って作っています。
なるべくわかりやすいものを作るよう努力していますが…、頑張りたいと思います。
 

成長のポジティブ因子

  • 2012.05.29 Tuesday
  • 08:44
歯並びが悪い患者さん。
なぜうまく歯がならんでくれないのか?
これは、あごの大きさに対して、歯の横幅の総和が不釣り合いだから生じます。
歯の横幅の総和の方が長くて,重なってしまう方が圧倒的に多いです。
この人をうまく並べるにはどうしたらいいでしょうか?

方法は3つあります。

一つは、歯を間引いて並べる方法。
つまり、重なった部分を歯を抜いてスペースを作って並べることです。

もう一つは、あごを大きくして並べる方法です。
拡大装置がこれに当たりますが、横に広げることはある程度できますが、前後的な不釣り合いの場合は適応できません。

さらにもう一つは、歯を奥に移動させて並べる方法です。
この方法は、わずかならばわかりますが、不釣り合いが大きいと清掃性や機能面で不安が残ります

装置を使わずに、あごの成長を図れればそれに越してことはありません。
よく噛むとか、硬いものを食べることであごは成長するのか?
残念ながら、この話には、明確な根拠はありません。
ただ、噛むことは、様々な効果があることは間違いありません。

唾液分泌の促進、歯周組織の血流の回復、緩衝唾液の分泌、咀嚼筋肉の血流促進などなど。
少なくとも、ネガティブな側面は持ち合わせていません。
健やかな成長に対するポジティブ因子であることに間違いはないと考えています。

噛まないことによるネガティブ因子より、噛むことによるポジティブ因子に期待し、それでも不釣り合いが残った場合には次の手段に移行する。
診断と決断が重要だと考えているのです。
 

予防のクオリティーを上げる方法

  • 2012.02.21 Tuesday
  • 08:25
私たち歯科医が通常行っているのは、虫歯なり歯周病なりで問題になったり、無くなったりしたところに歯を作ることです。
この時、今まであった歯の位置とは違う位置に歯を作ることをたまにします。

ただこれは、無くなったところに歯を作るときに限られます。
根があるところは、その上に作るしかないからです。

つまり、歯並びが悪く、それによって虫歯ができた場合は、そのままでは同じ歯並びにせざる負えないわけです。
かぶせた後は、天然歯よりセメントの段差がある分条件が悪いといえます。
このままでは、再び虫歯になってしまうでしょう。

そこで応用されるのが矯正治療です。
ただ、矯正するためには、スペースが必要なため、上のようなケースは抜歯をすることになると思います。
「結局抜くのか」と思われるかもしれません。
しかし、乱立する歯すべてをリスクの下にさらしておくか、一本犠牲になって抜いた後、磨きやすい環境を手に入れるかでは、治療後のもちが全然違うはずです。

矯正を応用するかどうかは、治療開始後早期に決定しなければなりません。
患者さんも、まさかそんなこと言われるとは思っていないので、説明するのも一苦労です。
ただ、治療後のクオリティーアップ度は非常に高く、説明しないわけにはいかない、治療オプションなのです。 

美しさの他に

  • 2011.12.26 Monday
  • 09:07
矯正をした場合に、歯並びが良くなるのは当然です。
これは主に隣の歯との重なりが取れるということです。
そのほかにできれば獲得したい関係があります。
今日はそんな話。

それは、歯ならびならぬ根ならびと上の歯と下の歯のかみ合わせです。

根ならびは歯ならびが改善することによって、根の込み入った関係が改善された根のならびのことです。
これによって歯周病に抵抗性が高いお口が獲得されます。

さらに、上と下の歯の関係が改善することによって、噛みこんだときは奥歯が前歯を、前や横に歯を動かしたときには、前歯が奥歯を守る機能を与えることができます。
これは我々が全体的に歯を治す場合に目標とするかみ合わせです。

実際は、歯を動かすだけで十分な関係を作れるかどうかは難しいところもあります。しかし、さらに歯の形を修正すればその可能性は高まります。
ただ、上と下の関係は骨の位置がかかわっていることも多く、歯を動かす矯正では十分に対応できない場合もあります。

矯正には美しさはもちろんですが、そのほかにも将来にわたって得られる利点がいくつかあるのです。
 

それは適応できません

  • 2011.11.25 Friday
  • 08:53
歯肉のずいぶん下まで虫歯になってしまった場合。
以前から、手術と矯正の二つの方法があるとお伝えしてきました。
しかし、それぞれの適応が難しい場合があります。
今日は、そのうちの手術が難しい場合のお話です。

手術によって歯肉を下げる場合はそれを支える骨を削る必要があります。
さらに、歯の根の部分をきれいに廓清する必要があります。
これが難しい場合は適応外になってしまいます。

具体的に言うと「歯が重なっていて間に器具が入らない」場合です。
あまりにも歯の根の距離が近ければもちろん矯正も適応しにくいですが、
矯正では動きやすい方向に動かしながら上に引くこともできます。

本当にぎゅうぎゅうな場合は抜歯も適応になってしまいますが、
いずれにしても、しっかりた診査が最も大切です。 

足りないので拡大中

  • 2011.03.28 Monday
  • 08:45
市の検診のお手伝いをするとき、実感することがあります。
最近のお子さんの乳歯の歯並びの悪さ。

私が歯科医師になったころはあまり感じなかったことです。
昔は、乳歯で歯が重なって並ばない(叢生)ことはほとんど無かったと思います。

しかし、現代のお子さんはかなりの頻度で見られます。
要するに、遺伝的に受け継がれた乳歯の大きさより、あごの大きさが小さくなっているということです。

当院にご相談される小児には、矯正担当の北山先生から、拡大装置の提案が多くあります。
取り外しの装置ですが、少しずつ広げて行って、あごの成長の背中を少し押してあげるといったものです。

我が家の長男も実施中。

装着中は、少ししゃべりにくくなってしまいますが、がんばっていけばワイヤーをつける矯正期間をごく短時間に、または無しにすることもあります。

大人では違和感があるこの装置。
小児の順応性には感心してしまいます。
 

歯を抜く前にひと工夫

  • 2010.10.01 Friday
  • 08:55
歯を抜かなくてはならない時、その後インプラントにする場合にも、ブリッジにする場合にも出来れば骨が吸収せずに、へこまずに済ませたいと思います。
ところが、歯を抜くと、歯の周りの歯根膜というクッションで維持されていた骨は、それが無くなることによって必ず吸収します。

抜かなくてはならない理由によりますが、歯の周りの歯根膜には骨を作る力があるため、うまく利用すると逆に骨を増やすことも出来ます。

その方法とは、矯正をうまく使うことです。
矯正とは、言うまでもなくはを動かす技術です。
なぜ硬い骨の中にある歯が移動するのか?これも歯根膜の働きです。
歯根膜に一定の圧力が加わると、貧血になったままになってしまうので、それから回避するために骨を溶かす細胞が出来、骨が吸収します。
反対に、圧力が加わる逆側は歯根膜が引っ張られ貧血になります。この部分には骨を作る細胞が出来、骨が添加されます。

これを利用すると、歯を引っ張る力や歯を横に動かすことによって、不足したところに骨を作ることが出来ます

矯正には時間がかかるし、自費になるので治療費の面で問題はありますが、当院ではかなりの患者さんに利用されている方法です。

どうせ抜いてしまう歯を最後まで利用する。抜いてしまうのにお金をかけるのぉ?と考えるか最後の最後まで利用できるものは利用して天寿を全うするか、患者さんの考え方が出る治療方法です

「かぶせる環境を整えるための矯正」にも関連情報あり!  

矯正日でした

  • 2009.10.26 Monday
  • 08:37
矯正の北山先生


当院では、月一回、基本的には第四週目の日曜日に、矯正専門北山先生に来ていただいています。

北山先生には、大学時代の同級生で、部活動も同じ、また、同じ埼玉県出身ということで、今でもいろいろお世話になっています。
現在は、久喜市で開業なさっています。

御覧の通りすごく優しい先生で、なるべく経済的にも、治療期間でも負担の少ない治療を選択してくださるすばらしい先生です。

平日の矯正は私が行いますが、月一回の矯正日は北山先生が担当いたしますので、これからもよろしくお願いいたします。

かぶせる環境を整えるための矯正

  • 2009.10.14 Wednesday
  • 23:10
術前術後

昨日もお話ししたように、歯をかぶせるためには周りに1ミリ以上の健康な自分の歯が必要です。
今日のお話は、環境を整えるもうひとつの手段である、矯正についてです。

虫歯が歯肉の下まで進行した場合、昨日お話ししたように手術で歯肉を下に下げるか、今日のテーマである矯正で歯を上にあげるか、どちらかを行う必要があります。

当院では、そのために多くの患者さんに矯正治療を施しています。本日も3名の患者さんが矯正のために来院されました。私のこだわりに付き合ってくれてありがとうございます。ただ、その治療は決して無駄にならないことを保証いたします。

さて、画像は矯正の術前、術後です。この症例ですが、某歯科クリニックで根の先の病気があるので、抜歯後インプラントを勧められた患者さんです。現在何ら問題がなく根の治療が終わり、矯正治療も終わり、最後のかぶせものの治療を待つのみになっています。

近年、インプラント治療の簡便さから、難しい治療を避け抜歯してインプラントにする風潮を目にします(アメリカやヨーロッパ、韓国等で特に見受けられます)。ただ、生きた自分の歯にはやはり人工物は勝てないものです。ぎりぎりまで手を尽くして、それで無理なら、インプラントはその次にある治療だと考えます。

小林 

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