コロナルリーケージ

  • 2017.03.30 Thursday
  • 10:11

根の治療は、神経が入っていたトンネルの中の腐敗物をかき出し、染み込んだ毒物をトンネルを拡張することで掃除して、炎症を引き起こす空間を無菌なゴムを圧力をかけて充填する治療です。

ただいくら圧力をかけてゴムを詰め込んでもそのわずかな隙間から細菌は侵入してきます。

本日のテーマはそんな話「コロナルリーケージ」です。

虫歯で神経が死んでしまう痛みを味わった患者さんは、根の治療によってその痛みが劇的に回復することを体験して、さらにその治療が終わったことで一安心していることでしょう。

ところが、根の治療が終わっても口腔内からの細菌の侵入は防げません。

コロナルリーケージ1

権威ある研究では、根の治療が完璧に終わってもその上の土台がしっかりしていなければ感染し再治療に至る確率が上がります。

さらにショッキングなデータでは、いい加減な根の治療といい加減な土台を比べると、いい加減な土台をたてた方が根の治療の再治療の確率が高いということでした。

コロナルリーケージ2

日本歯内療法学会(根の治療の学会)の見解でも、「根の治療が終わったらなるべく早めに樹脂で封鎖して口腔内からの感染に対処すべし」と言っています。

根の治療に限らず、歯科治療は何か一つでも問題があるとそのほころびから問題が波及し再治療になってしまいます。

一歩一歩が基本なのです。

 

根の治療の質を上げる

  • 2016.12.13 Tuesday
  • 09:10

9日金曜日は5時30分で診療を終了して申し訳ありませんでした。

CDRI12月例会でした。

今回は、武蔵野市開業の阿部修先生に「歯内療法の質を高めるためにできることは」をテーマにご講演いただきました。

根の治療のすべての項目において総点検し、それぞれのポイントを分析、総じて総合の成績を上げる。

実に明解な講演で、まさに明日から実践可能な内容でした。

ただ、それぞれの質を極限まで高めるのは容易なことではありません。

心を引き締めて診療にあたりたいと思います。

隔壁

  • 2015.01.22 Thursday
  • 08:36
先日のラバーダムに続き、本日はその前処置である「隔壁」についてのお話です。

隔壁とは?
歯が大きく虫歯になってしまい、歯肉の下くらいまでなくなってしまった時に行うものです。

隔壁前

こんな場合、何もしなければ当然ラバーダムは出来ません。
そうなると、根の治療中は唾液だらけで無菌的な処置など出来ず、治療は失敗に終わってしまいます。
そこで歯のなくなった部分を一時的に治して、唾液が入らないように壁を作る処置が「隔壁」です。

隔壁後

この処置を行っておくと、根の治療後も土台の一部に利用できたりメリットはかなりあります。
ただ、この処置もラバーダム同様あまり目にすることはありません。
その理由は、やはり無料だからです。
しかし現在は当院では可能な限り行っています。
それはやはりラバーダムと同様治療がしやすいからです。
またこの違いは、必ずや術後の治癒の差に現れてくると信じているからです。


 

ラバーダム

  • 2015.01.21 Wednesday
  • 18:29
本日の話題、ラバーダム

ラバーダム

この古くからあるが、あまり日に目を見ない便利技術
本日はそんなお話。

主に、根の治療に使用されるこの技術。
過去にもブログアップしていますが、古くからある技術です。
ところが、あまり活用されているとは言えないようで、患者さんに驚かれることもしばしばあります。
その理由の一つに、基本的に無料ということがあるのかもしれません。
昔は、一回100円の点数がついていましたが、ずいぶん前になくなってしまいました。
とはいえ、昔は多く用いられていたかといえばそうでもなく、それが一因とは言えないようです。

当院でそれでも用いる理由はその利便性にあります。
特に根の治療は、唾液が入らないようにすることが重要です。
それを、安価で確実にするのはラバーダムをおいてほかにはありません。
以前は、歯がほとんどなくなってしまっている患者さんの場合、ラバーダムは諦めて他の方法を用いていました。
最近では、そんな場合も一時的に歯を作って(隔壁と言います)ラバーダムをするようにしています。
この隔壁も当然無料ですが…。
ただ、そんな苦労をしてもラバーダムの利便性には代えがたいものがあります。
今後は、根の治療のみでなく、ほかの治療にも応用していきたいと思っています。
できるなら、せめて無料でやらなければならないところを改善してほしい便利技術なのです。





 

神経がなくなることによる影響

  • 2015.01.09 Friday
  • 08:24
神経まで炎症が及んで、何もしなくても痛みが出てしまったりした場合、神経をとる治療を行います。
本日はそれによる弊害のお話。

神経をとる理由は、当然のことながら、歯をもたせるためです。
しかし、神経はなくてもいいものではありません、それがなくなった場合いろいろな弊害が考えられます。
今回はわかりやすくするために、無くなった後の弊害に限定してお話をします。
神経をとった後は、歯の中の新陳代謝がなくなり、基本的に組織液に満たされている象牙質が乾燥していきます。
そのことによって、歯は枯れ木のような状態になって折れやすくなります。
これは、歯の土台の入れ方にも大きく左右されますが、根本的には歯のしなりがなくなることに起因します。
そこで大切になってくるのが、帯環効果です。
これは、歯を被せるときに、全周囲を少なくとも1mm、できれば2mmの深さで自分の歯を覆うということです。
これを与えてやると、歯の破折をある程度抑えることができます。
しかしその為に、多くの場合手術が必要になったり、矯正したりする必要が出てきますが、当院では最も重視している事柄の一つです。

歯は削らない方がいいし、神経も取らないに越したことはありません。
しかしとらなくてなならない状況になった場合、歯をもたせるためには大事な事項だと考えているのです。


 

神経をとらないといけない炎症とは?

  • 2014.12.25 Thursday
  • 08:20
歯が痛いといっても、冷たいものがしみる状態から、何もしなくとも痛む状態まで様々です。
さらに痛むといっても、ものが入ると痛む状態やかむと痛む状態など様々です。
それでは、神経をとらないといけないような痛みとは、どのような痛みなのでしょうか?
本日はそんな話です。

そもそも、神経をとらないといけないのはなぜでしょう。
炎症が強いと、神経が充血して血行不良を起こし、貧血になって腐ってしまうからです。
ということは、腐らない程度の充血なら、神経をとらなくてもいいということになります。
そのすみ分けが本日の話題です。

一般的には、「急性炎症のあるなし」で行われます。
つまり、この症状があれば神経をとるという、基本的な症状の基準があります。
それは、自発痛あり何もしなくても痛む、ズキズキしてそこに心臓があるように痛む。
または、誘発痛が長引くしみたりするものがなくなっても30秒以上尾を引く。
さらに、初めは冷たい物に痛みを感じていたのに、最近暖かいものに感じる場合や、横になると痛みが増すなどは、症状が進んだ場合の指標になります。

このような症状は、レントゲン写真と比較して検討されますが、必ずしも大きな虫歯が見つからないこともあります。
また、以前治療終わっている歯の場合もあります。

歯のひびが原因だったり、徐々に神経の炎症が進んだ場合がそれにあたります。
さらに、痛みの誘発試験や電気歯髄診断等を併用して治療計画をたてます。

神経は当然ながらとってしまうと元には戻りません。
また歯の新陳代謝もなくなってしまうので、歯の寿命も必ず短くなってしまいます。
様々な審査と症状の聴取を十分して慎重に検討している瞬間なのです。

パーフォレーション

  • 2014.05.04 Sunday
  • 20:49
本日は根の治療の話です。
「パーフォレーション」とは、本来歯の中にある神経の入っているトンネル(根管といいます)から外れたところに穴が開いていて、かつ根の外まで突き抜けている状態のことを言います。
このようになってしまった場合、当然その穴を密封してふさぐ必要が出てきます。

穴をふさぐ材料にはかみ合わせの力に耐える強度が要求されます。
さらに、体にやさしい「生体親和性」も要求されます。
そのうえで私たちは、本来の神経の入っていたトンネルの掃除もしなければなりません。パーフォレーションする箇所は、根管の曲りが強いところが多いので、さらに追従しにくい方向に器具をまげて掃除しなければなりません。これは非常に困難なものです。
穴が開いている箇所も重要です。歯周病変と交通しやすい部位では予後はさらに悪くなります。比較的上の部分の穴は歯周ポケットと交通しやすく、また根の分かれめ近くの穴も分岐部病変と交通しやすくもともと予後の悪い病変をさらに複雑にします。

これらの障害をすべてクリアできた場合にかぎり、その歯を保存できますが、当然穴が開いていない歯よりはリスクがあります。

パーフォレーションがあるからすぐに抜歯というわけではありませんが、予後に対する覚悟は必要なのです。

根の治療の成功率

  • 2014.04.20 Sunday
  • 15:50
18日は5時30分で診療を終了して申し訳ありませんでした。
CDRI4月例会でした。

今月は、ペンシルバニア大学大学院卒業で、根の治療の専門医の、石井宏先生「複数の問題のある歯の根管治療」について講演いただきました。
考え方は実に明確で、合理的でした。

石井宏先生と 懇親会で

その中で、根の治療の成功率という話がありました。
根の治療の成功率を上げるためには、マイクロスコープを用いて根の先を切る手術をセットで考えることが大切である。
すなわち根の治療で治せなかった歯は、その後の手術で9割救えるからということでした。

ただ、確かにとうなづくところが、その成功とは、根の先の病気が治ることあるいは、根の先に病気を作らないことを指すということです。
つまり、それによって歯が長く持つということではないということです。
歯を保存させるためには、第一に残存歯質の量、次に歯周病の重症度、その次に根の先の病気になります。
言い換えれば、歯を残す要素のうち90%は、根の治療以外の要素、根の治療の要素は10%にしか満たないということでした。
日本人はとりわけ自分の歯にこだわります。
もちろん私も日本人、やはりインプラントよりは自分の歯のほうを選びます。
ただ、その選択の危うさを理解してから選択してもらわないといけないと実感した講演でした。
 

マイクロの力を借りても…

  • 2013.09.18 Wednesday
  • 09:10
根の治療のやり直し。
ただでさえ難しい根の治療。
しかし、他院で行った治療に問題があってやり直すときは、さらにものすごく難易度が上がります。

初めて手を付ける根なら、本来神経が入っている管が必ずあります。
上から、慎重に探していけば絶対にそれを見失うことはありません。
(ただ、枝分かれしていて掃除が不可能な神経の管はあります)

しかしながら、一度手を付けられている根は、解剖学的な形を保っているとは限りません。
道がそれてしまったり、形が大きく変形していたり、途中で穴が開いてしまっていたり…。

どうしても道がわからない場合、マイクロスコープの出番です。
根の治療用に改良した当院のマイクロは、後付けのキセノンノンランプを装着し、根の先までしっかり照らす実力があります。
しかし今回の症例はどうしても掃除することができませんでした。
いくら視力を高性能にしてもどうにもなりませんでした。

私の力不足…。
マイクロの力を借りても、満足な治療を行えませんでした。 

感染根管治療とは?

  • 2013.07.29 Monday
  • 09:14
我々が日々行っている根の治療。
大きく分けると、炎症のある神経をとってきれいにする「抜髄」と、
神経が入っていた管の中の細菌を含めた異物を取る「感染根管治療」に分かれます。

今日は感染根管治療の話です。

この状態になると、根の先に膿の袋ができることが多くあります。
レントゲンでは、根の先の骨の吸収で診断することができます。
たとえの根の先の病気でも、われわれは根の中の掃除で治していきます。
ではなぜ治るのでしょうか?

根の先の病気は、根の中の細菌によってできたものです。
そのため、根の中を徹底的に掃除します。
ある基準まで掃除すると、根の中はほぼ無菌状態になります。
ここで、不潔になりやすい、抵抗力の及ばない神経の管に無菌のゴムを緊密に詰めます。
これで細菌の繁殖場所を絶って、残った根の先の病気は体の抵抗力で治していくのが感染根管治療です。

ただ、以下の場合は治癒が困難になります。

緊密に無菌ゴムを詰められない状態の根。
この場合、細菌の住処をなくすことが不可能なため治癒しません。

根の先の病気の歴史が古く、根の先に体の抵抗力では浄化できないほどの病気ができてしまったもの。
この場合も、治癒は望めないので、手術で根の先を切る処置をする場合があります。

いずれにしても、われわれが根の治療としてできることは「歯内治療」というだけあって、根の管の掃除のみなのです。




 

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM