診療に取り組む姿勢

  • 2017.04.09 Sunday
  • 11:17

当院症例数地域ナンバー1。年間インプラント埋入数〇00本
近頃のネット広告やホームページでよく見受けられます。
今日はそんなお話。

先日のインプラントセミナーで聞いた話です。
たとえば心臓外科手術の成功率は50症例以上経験していれば、何百症例経験がある病院比較しても成功率は変わらないそうです。

当院がインプラントを導入して15年たちました。
インプラントの症例数もそれに伴い増えています。
ただ、少なくとも年間何百症例には全く届きませんし、その気もありません。

年間インプラント何百症例の医院は、一日来院数百何十人の医院と似ています。
当院で私が診れる患者数は、おそらく一日20人程度だと思います。
一回の診療に対する基準が、そもそも違うからです。

インプラントの対してもその基準が違うのかもしれません。
インプラントも通常診療も治療は基本的にはやり直しがきかないものです。

削ってしまった歯、とってしまった神経、抜いてしまった歯、基本的には元には戻りません。

やり返しが効かないからこそ、慎重な行動が望まれます。
だからこそ、十分分析検討し、その患者さんとは一生向き合う姿勢が最も大事だと考えているのです。

ファイバーコアとメタルコア

  • 2015.08.27 Thursday
  • 08:19
本ブログでも何回も強調してきたことですが、最近導入したペンタブレットを使って、ファイバーコアとメタルコアの違いを図を描いて説明したいと思います。

コアとはそもそも何なのか?
歯が虫歯などでなくなって、根の治療をした後、歯をたてるために入れる土台のことです。
そもそも歯が無くなってしまったので、上に歯を作るためには根に維持を求めた杭をたてて、上の部分の歯を作っていく必要があります。
コアとは

この杭の部分に使う素材を何にするかというのが本日のお話です。

一般的には、金属を使ったメタルコアや金属のネジピンを樹脂で固めたレジンコアが用いられます。
歯の中に入る杭を金属にした場合どの様な事が起こるのでしょうか?
歯は硬いように見えて力がかかると歪む性質があります。
それに対して中に入った金属の杭は歪まないので応力の差が生じ、根が縦に折れてしまう危険性が高まります。

メタルコアの破折

それに対して、グラスファイバーの杭は、歯と同じように歪む性質があります。
実験データーですが、金属の土台とグラスファイバーの土台が入った歯に側方力をかけ歯が折れるまで加圧すると、金属の土台は100%縦に折れてしまいますがグラスファイバーの土台は100%力がかかったところで折れるとのことです。

ファイバーコアの破折

あくまでも実験データなので実際の臨床とは違いがありますが、100%という数字は無視できないと思います。
グラスファイバーのような折れ方なら、歯の周りの環境を整えればまた歯を作ることができます。
しかし、縦に折れてしまった金属の土台の歯は抜く他なく、救うことはできません。
残念ながら保険でたてることはできませんが、お勧めするのはそんな理由からなのです。

 

くさび状欠損

  • 2015.07.16 Thursday
  • 18:15
主にかみ合わせによって歯の根元が欠け落ちてしまう病態のことを「くさび状欠損」と言います。
本日はそのお話。

なぜ噛み合わせによって、噛む部分とはかなり離れたところが欠けるのでしょう。
この欠損は図の様な位置に発症します。

WSD 図

噛む位置とはかなり違います。
その原因の一つにはエナメル質と象牙質の硬さの違いがあります。
我々はものを垂直方向だけに動かして食べるのではなく横方向にすりつぶしながら食べています。
その為に、歯には水平方向にたわむ力がかかっています。
歯は硬いように見えて側方力がかかると歪みます。
この大きさが硬さの違うエナメル質と象牙質に同時にかかるので、内側の象牙質は大きく、外側のエナメル質は小さくゆがみます。

側方運動
それによってエナメル質には亀裂が発生します。
そこに歯ブラシの外力が強くかかるとエナメル質の亀裂が剥離して欠損になるのです。

歯ブラシWSD

通常、この欠損は症状が無ければ、つめる必要はないといわれています。
しかし、そのままにしておくと、その欠損が進んでいるのか停止しているのか判断できません。
進んでいれば、つめても取れてしまいます。
また取れなくとも、充填物の下側にかけが進行します。
このように、進行しているかそうでないかはつめなければわかりません。
当院では患者さんにお話しして、ある程度かけが進行している患者さんはつめるようにしています。
その場合でも、削るのはほんのわずかです。
また進行しているのが分かった患者さんには、かみ合わせの微調整やマウスピースの使用を薦めるか検討します。

この欠損は症状は全くないのが普通です。
進行しても大きな問題になるのはかなり高齢になった時かもしれません。
ただ原因がわかっていて、その除去ができるのならばトライする意味があると思っています。
 

笑気吸入鎮静法

  • 2015.05.28 Thursday
  • 08:18
私は、大学卒業後歯科麻酔学教室の大学院に残っていました。
今では、インプラントの手術などの時、静脈内鎮静法である程度日の目を見るようになっていますが、私が残っていた20年以上前にはインプラント治療も一般的ではなく、大学病院での全身麻酔と、外来小手術時に鎮静法及び全身管理、神経痛の治療などを行っていました。
開業してからは、当院で応用できることには限界があり、笑気吸入鎮静法のみを行っています。
昨日気付いたのですが、この笑気についてのお話を書いたことがありませんでした。
というわけで、本日は笑気吸入鎮静法のお話です。

笑気吸入鎮静法とは、不安などが強く治療が思うようにできない場合に、鼻にマスクを着けそこから流れる空気中の3倍くらいの酸素と笑気を吸うことによって、お酒にほろ酔いのような状態になって小さい事が気になりずらくなる方法です。
これを応用することによって、不安を緩和したり、嘔吐反射を少なくしたり、時間が短く感じたりします。
これによって、治療が可能になる人も多くいます。
ただ、通常とは違う状態になるためその感じが合わない人もいます。
しかし、その様な状態になっても、濃度を下げれば笑気は速やかに呼気中に排泄されて体内の濃度を下げることが可能です。
その為、非常に濃度調節がしやすく、問題となる副作用もありません。

笑気吸入鎮静法はあくまで診療補助の役割なので、可能であるなら少しずつ麻酔薬量を減らして最終的に無くとも治療ができる状態になることを目標としています。
当然のことながら、鼻で息をしなければきかないため、意思の疎通ができないような小児は適応外になります。

 

フェルールエフェクト

  • 2015.05.26 Tuesday
  • 08:55
例えば、歯が歯肉と同じ高さまでなくなってしまった場合。
根の治療をして歯を被せる準備ができても、土台をたててそのまま型を取るわけにはいきません。
そのまま被せると、問題が残るからです。
本日はそんなお話。

虫歯で歯がすっかりなくなってしまった状態とは図1のような状態です。
図1
ここに、土台を建てて歯を被せると図2に様になります。

図2
この歯に力がかかると図3の様に力はすべて土台のかかってしまい、結果土台のセメントが破壊されて脱離や虫歯の再発、あるいは根が縦に割れる歯根破折などが発生しやすくなっていしまいます。

図3
それではこの状態を改善するためにはどうしたらいいのか?
当ブログでもたびたびお話しているので、ご存じの方も多いと思います。
結論から言うと、その方法は「矯正と手術」です。

矯正を行うと、図4の様に、歯の位置が上に動くため自分の健康な歯が歯肉の上に出て、そこまで被せることが可能になります。

図4
それによって、しっかりしたのりしろが得られ、齲蝕の再発や根の破折の危険性を減らすことができます。

手術を行うと、図5の様に、歯肉の位置が下に動くため自分の健康な歯が歯肉の上に出て、そこまで被せることが可能になります。

図5
これによって、やはりしっかりしたのりしろをもって被せることができます。
それぞれの方法で改善して、被せることによって様々な問題点を防ぐ効果のことを、「フェルールエフェクト」といいます。
フェルールエフェクトを有効にして被せると、図6のようになり、斜線の部分全体で側方力に対抗することになり、セメント破壊等の問題点に抵抗します。

図6
当院では、このような問題が考えられる患者さんすべてに説明し、ほとんどすべての患者さんにどちらかの方法を施して被せています。

 

抜歯後の骨の鋭縁

  • 2015.04.15 Wednesday
  • 08:16
歯を抜くと基本的にはその下の骨は吸収します。
抜くときの状態よっては、うまく均等に吸収せず段差になることがあります。
時にそれは、とがったとげの様になって歯肉から飛び出てくることがあります。
本日はそんな抜歯後の骨の鋭縁の話です。

歯を抜いてしばらくした時の話ですが、抜いた所に根が残っているとの訴えがたまにあります。
多くの場合が、吸収せずに残った骨の鋭縁が歯肉を突き抜けて出てきて舌に触っています。
通常は、抜歯後6ヶ月程度たつと歯があった部分の骨は吸収します。
この部分は、歯を維持するため必要だった骨で、歯がなくなった場合は必要なくなるためです。
普通の状態では、歯がなくなった部分は滑らかな曲線で吸収していきます。
図1から2、3のような変化です。

図1 図2 図3

ところが、抜く前に歯の破折などで骨が一部分すでにひどく吸収している場合は吸収が滑らかに進まないことがあります。
その場合図4のように一部分の骨が残り、歯肉の上まで突き出てくることがあります。

図4

これが舌や頬っぺたにとげの様にあたってきます。
患者さんにとっては歯の根が残っているような感覚になるのです。

このようになった場合は、麻酔をしてとがった本来吸収しているべき部分を削ってやる必要があります。
もちろん削ってしまえば後々何も問題になることがありません。



 

診療予約の考え方

  • 2015.03.13 Friday
  • 08:21
当院では、急初診・急再診を除いては予約診療で治療を行っています。
本日は、その予約の考え方についてのお話。

自分の診療にどのくらいの時間がかかるかは、ほぼ決まっています。
また、診療にはステップがあり、やらなければならない診療の段階もほぼ決まっています。
このような歯科の特性から、多くの歯科医院では予約診療が行われています。
当然当院も取り入れていますが、たまにこのシステムに適合しない患者さんもおられます。

当院では、このシステムのおかげもあり、予約時間に来ている患者さんをお待たせすることがほぼありません。
ただ、急来院した患者さんは当然予約に入っていないためその合間に入るので、時間が多少ずれ込む場合があります。
それでも、15分を上限としての待ち時間になります。
このように診療を行っていると、患者さんも自然と予約時間10分ないし5分前には待合室に来てくれます。
ただ必ず予約時間に遅れる患者さんも少なからずいます。
さらには、無断で治療を休む方もいます。
しっかり予約時間の計画をたてる医院では、このような急な空き時間に対応することはできません。
完全な空き時間になってしまいます。

このような予約時間を守れない患者さんは一部分ですが、多くは繰り返す傾向にあります。
予約は、患者さんの貴重な時間を最も効率的に治療に充てるための有効な手段です。
その時間においでになった患者さんすべてに、予定通りの治療を行う約束の時間です。
時に、全く予約時間の概念を理解いただけない患者さんの場合には、診療をお断りすることもあるのです。

麻酔がさめにくいとは

  • 2015.03.11 Wednesday
  • 08:18
麻酔効果が持続する時間は人それぞれです。
通常の麻酔薬は、だいたい2時間から3時間でさめるとお話しています。
本日は、しびれが取れる時間についてお話します。

麻酔注射は、疼痛閾値を上昇させるために用います。
型っ苦しい言葉を用いましたが、要は痛みを感じにくくさせるものです。
しびれている時間すべてが痛みを感じない時間ではないことをはじめにことわっておきます。

麻酔が効いてしびれているということは、麻酔薬がまだしびれている部位にあるということです。
当たり前に思うかもしれませんが、そういうことです。
麻酔薬は効かせたい部位周囲にとどまることによって効果を発揮します。
時間がたつと、血液によってその部位から吸収されます。
それが肝臓に運ばれて分解排泄されます。
簡単に言うと血行の流れが悪いところはさめにくくなります。
また傾向的に年をとると血行が悪くなるのでさめにくくなります。
このことを利用して麻酔薬に血管収縮薬を入れて血行を悪くし、麻酔効果持続時間を延ばしています。

麻酔注射の後しびれが持続して心配になる方もいますが、持続時間は部位によっても、年齢によってもその日の体調によってもかなりのばらつきがあるものなのです。

ヒューマンブリッジの削除量

  • 2015.02.23 Monday
  • 08:16
昨日ご紹介したヒューマンブリッジ歯を削る量が極端に少ないのが特徴といいました。
実際にどのくらいの量なんでしょうか?
本日はそんなお話.

実際の模型で見ていきましょう。

ヒューマンブリッジ前歯部 ヒューマンブリッジ臼歯部

ヒューマンブリッジは、白金加金(金にプラチナの入った金属)で作っていくので、たわみ性があり、アンダーカットがあっても歪んでまたもとの形に戻るようにしてセットできる利点を持っています。
これがこのブリッジの最大の胆であります。
また、非常に薄いため側方方向の力に耐えられなくなる不安が出てきます。
それに対抗するために、エナメル質内に最小限の溝を掘ります。
この溝で、側方からの力に抵抗することになります。

小臼歯拡大 前歯拡大

更には、審美的に許容される大臼歯部には、3/4面を取り囲むようにプレート状のアームが伸びます。
これは、ちょうど入れ歯のばねのような形になりますがそれよりもかなり薄くなります。

大臼歯プレート

このブリッジを実現するには、非常に繊細な技工技術が必要になりますが、適合が確立した場合には最少の削除量で最大の効果が見込めるものになるのです。



 

ヒューマンブリッジ

  • 2015.02.09 Monday
  • 08:31
昨日8日は「ヒューマンブリッジ」のセミナーに参加してきました。

修了書

このブリッジは、歯を削る量が極端に少ないことが特徴で、さらに外れやすさも改善したものです。
一見、両立の難しいこの二つを兼ね備えるに至った理由は、アンダーカットをそのまま利用し三分割したブリッジを口腔内で組み立てるという発想の転換でした。

HB 前歯
hb 臼歯
hb
それにあたり、キーポイントとなるのは最も力がかかる欠損部を支えるカギ状のの保持部の適合と強度です。
これをクリアできれば、歯をほとんど削らずに可能なブリッジとなります。
模型を確認した限りですが、適合は申し分ありません。
さっそくサンプルモデルを発注、実物でさらに検証を重ねる予定です
近日臨床応用開始予定です。
ご期待願います。
 

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