歯の間が虫歯になった時の治療方法

  • 2019.08.14 Wednesday
  • 12:37

歯の間は虫歯の好発部位です。

この部分の初めの治療は、今後の歯の寿命に大きくかかわると考えています。

今回は、その治療法のまとめです。

 

歯の間は、磨きにくく虫歯になりやすい部位です。

隣接面う蝕

この部位が虫歯になると、通常は2級インレーになります。

2級インレー

虫歯は小さいのに、なぜこのように大きく歯を削らないといけないのか?

それは、型を取らないと作れないのでなるべく滑らかな形にしなくてはならない。作ったものが壊れにく外れにくい形にしなくてはならない。からです。

 

一方、ダイレクトボンディングでは、その場で形を作っていくので削る量は最小です。

P4形成

比べてみるとその差は歴然です。

しかし、隣り合わせの部位はただでさえ見にくいところです。その中で、ぴったり形を合わせるのは非常に困難です。

この部分の適合が悪ければさらに磨きにくくなってしまい、虫歯のリスクはさらに高くなってしまいます。

当院では、マイクロスコープを用いて十分な時間をかけて治療することで適合を確保しています。

さらに、ダイレクトボンディングであれば、歯の色に合わせること全く自然に修復することができます。

 

また、もう一つの方法としてCRインレーという方法もあります。

この方法は、ある程度歯の色で入れることは可能ですが、歯を削る量は金属のインレーよりさらに増えてしまう欠点があります。

金属よりも物性が劣る樹脂で作るので、割れやすい歯の間の部分の厚みを増やす必要があるからです。

2級CRインレーCRインレー違い

少しわかりにくいですが、これがCRインレーの形成、赤の部分がさらに削った部分です。

また、金属インレーより適合が悪いのも欠点といえましょう。

以上の理由から、当院ではCRインレーはおすすめしていません。

 

歯は削ってしまったら絶対に戻ってきません。

どんなに高価な修復物も、自分の歯には勝てないのです。

なるべく削らない治療法を選択するのが、予後良好な未来につながっていると考えています。

つめる治療(インレー)の適応限界

  • 2019.08.12 Monday
  • 18:16

歯は噛む力で容易に変形します。

そのためつめる治療の限界を超えて治療を行っても、セメントが破壊され再び虫歯になってしまいます。
本日は、そんな適応限界のお話。

 

歯の虫歯がくぼみの部分のみの場合かなりの荷重に耐えられます。

6番う蝕
そのため、どのような治療方法でも予後は良好です。

一級インレー

隣り合わせの部分が虫歯になると、治療のためにどうしても歯の取り囲む部分(辺縁隆線)を切断しなくてはなりません。

ここを切断すると歯はかみ合わせの力によって変形しやすくなります。

辺縁隆線辺縁隆線2隣接面う蝕
変形のしやすさは残った歯の部分の厚みに依存するので、それによって修復物の形が変わります。
歯のかみ合わせの山の部分の頂点を結んだ線の三分の一までであれば十分力に耐えられるといえるのでつめる治療で大丈夫です。

1/3
当院では。歯に接着するレジンセメントで装着するか、ダイレクトボンディングであれば、この線の二分の一までも適応と考えています。

1/2
しかし、これ以上の大きさで歯がなくなっている場合はもはやつめる治療では不十分で、かぶせる治療で補強しなくてはならないと考えています。


大きなう蝕

この数字は、個々の歯の柔らかさ、使用しているレジンの接着強さ等の違いで一概には言えない物の当医院では原則と考えています。

しかし、患者様の考え方を価値観はまちまちですので、原則を超えたチャレンジも時として承っています。
治療時には必ず説明をしますのでご意見いただければ幸いです。

疼痛閾値とは

  • 2018.07.23 Monday
  • 07:52

人が刺激を受け、それ以上になると痛みと感じる境目を閾値と言います。
本日は痛みの閾値の話。

 

熱いお湯の中に手を入れる場合、人によってその限界温度が違うように疼痛閾値には個人差があります。
また、その人の状態によっても違ってきます。
通常なら痛みを感じないような刺激でも、痛みに感じてしまう状態。
歯に当てはめるなら、痛みで神経が興奮した状態の場合、少しの痛みでも閾値を超えてしまい痛みに感じることはよく有ります。
また、歯牙の状態では、強いかみ合わせ力で歯にひびがはいり閾値が下がる可能性があります。
この場合、閾値が上がれば治療が必要なくなる場合があります。
また、力によって歯を支える歯周組織の閾値が下がり、通常のかみ合わせ力でも痛みに感じてしまう場合もあります。
我々は痛みを電気信号によって脳で認識しています。
そのため、体調によって閾値は変化します。
ヨガの達人が精神修行によって火の上を素足で歩けるのもこのためです。

この様な様々な要因によって変化するのが痛みの閾値です。


それでは閾値が下がっている状態の患者さんをどうすればいいのでしょうか?
閾値が下がる原因が明らかならばそれを治療するのは当然です。
しかし歯科疾患は複合疾患なので、多くの場合複数の要因が関与しています。
そのためこういう状況にある時は、誤診につながりやすい状態といえます。
その場合は、侵襲の小さい予防処置から徐々に始めるのがセオリーであると考えています。
歯科治療の多くは外科処置のため、一度始めると元には戻らないからです。
自信を持って石橋をたたき、時には渡らず回り道をする勇気も必要なのです。

 

定期検診では何を見ているのか?

  • 2018.07.17 Tuesday
  • 07:44

本日は、定期検診では何を見ているのかを解説したいと思います。

 

ご承知の通り歯科医院で一通りの治療が終わり、その状態を維持出来ているのか確認するために行うのが定期検診です。
本日はそのとき私たちが何を見ているのかを解説したいと思います。

 

,弔瓩燭蠅ぶせたりした部分の歯の境目とのチェック
金属や樹脂、セラミックと歯の加重に対する変形率や熱膨張率は違います。その誤差をセメントが支えています。
経年的な劣化も当然あることです。
界面が離れて虫歯が再発していないかチェックします。


△み合わせのバランスをチェック
歯と歯が一日何百回もすれていれば当然減ってきます。
ところが、どの歯でもエナメル質の厚みは一定ではありません。これが薄ければ早期に内側の象牙質が出て減りが早まるでしょう。
つめたりかぶせたりした部位も、硬さは違うモノです。

それぞれにかかるかみ合わせ力のバランスをチェックします。
それによって歯周組織に影響を及ぼしたりしている部分も確認します。
たとえば大きく平面状にあたって、側方力が大きくなっているところを適切なあたりに修正したりします。


歯周病のチェック
歯周病は残念ながら治癒することがありません。歯周病菌も常在菌なので駆除することは出来ません。
病状が落ち着きやすい状態に整えて安定した状態を維持しているかをチェックします。
また、歯周病は年齢が上がるだけでリスクがあがる病気です。
今のケアで釣り合いがとれている場合は再発しませんが、再度炎症が起きている部位には追加のケアが必要になります。
そういう部分もチェックします。
また、´△農睫世靴浸項も、歯周病と密接に関わってくる事項です。

 

治療が終わったら何も起きないのが当たり前と考える患者さんが多いと思いますが、機能している歯が変化しないわけがなく、その変化が生理的な範囲なのかをチェックするのが定期検診なのです。

抜歯後(特に親知らず)のマヒについて

  • 2018.04.09 Monday
  • 00:11

私の所属していた麻酔科では、手術中の全身管理に加えてもう一つの仕事があります。

それはペインコントロール

神経痛や神経麻痺を治すことです。

本日は歯科領域に比較的合併しやすい抜歯後の知覚異常についてのお話です。

 

現代人はあごの大きさが小さくなってきている関係から、親知らず(特に下あごの)がきちんとした方向に出れず埋伏する方が多くいます。

埋伏智歯

この様に横になって埋伏いている状態の方も非常に多くいらっしゃいます。

この歯を抜く場合、あごの骨の隙間から歯を出さないといけないため、歯を割ったり、根を分割したり、骨を削ったりしないと取り出すことはできません。

分割 歯根分割

歯は抜けないようにしっかり生えているので、抜くということは歯の周りに微小な骨折を起こして抜けるわけです。

そのため、歯の周りには炎症が起き、そのため微小循環に充血が起き血行不良になります。

神経麻痺

これによって、足がしびれたような状態になり、神経の知覚麻痺が発症することがあります。

下の親知らずの近くの下歯槽神経の知覚は非常に鋭敏なので、この麻痺はかなり気になるものです。

また足のしびれと同じように、全く感じない状態から、触るとビリビリした状態になる知覚異常の段階のどの段階にもなります。

このビリビリ感の時期は、全く感じない状態より知覚が回復いている状態ですが、この時期の方が不快感は多いです。

治療には、ビタミン療法、神経賦活剤の投与や星状神経節ブロック注射等が行われます。

治療に対しての反応は比較的緩慢で、治療には長期間かかる傾向にあります。

場合によっては、年単位でかかることもありまます。

たとえ大学病院で抜歯したとしてもマヒになるときはなりますが、患者さんにとっては負担になってしまう合併症です。

当院では、知覚異常が起こった場合は医科の麻酔科専門医に紹介しています。

診療に取り組む姿勢

  • 2017.04.09 Sunday
  • 11:17

当院症例数地域ナンバー1。年間インプラント埋入数〇00本
近頃のネット広告やホームページでよく見受けられます。
今日はそんなお話。

先日のインプラントセミナーで聞いた話です。
たとえば心臓外科手術の成功率は50症例以上経験していれば、何百症例経験がある病院比較しても成功率は変わらないそうです。

当院がインプラントを導入して15年たちました。
インプラントの症例数もそれに伴い増えています。
ただ、少なくとも年間何百症例には全く届きませんし、その気もありません。

年間インプラント何百症例の医院は、一日来院数百何十人の医院と似ています。
当院で私が診れる患者数は、おそらく一日20人程度だと思います。
一回の診療に対する基準が、そもそも違うからです。

インプラントの対してもその基準が違うのかもしれません。
インプラントも通常診療も治療は基本的にはやり直しがきかないものです。

削ってしまった歯、とってしまった神経、抜いてしまった歯、基本的には元には戻りません。

やり返しが効かないからこそ、慎重な行動が望まれます。
だからこそ、十分分析検討し、その患者さんとは一生向き合う姿勢が最も大事だと考えているのです。

ファイバーコアとメタルコア

  • 2015.08.27 Thursday
  • 08:19
本ブログでも何回も強調してきたことですが、最近導入したペンタブレットを使って、ファイバーコアとメタルコアの違いを図を描いて説明したいと思います。

コアとはそもそも何なのか?
歯が虫歯などでなくなって、根の治療をした後、歯をたてるために入れる土台のことです。
そもそも歯が無くなってしまったので、上に歯を作るためには根に維持を求めた杭をたてて、上の部分の歯を作っていく必要があります。
コアとは

この杭の部分に使う素材を何にするかというのが本日のお話です。

一般的には、金属を使ったメタルコアや金属のネジピンを樹脂で固めたレジンコアが用いられます。
歯の中に入る杭を金属にした場合どの様な事が起こるのでしょうか?
歯は硬いように見えて力がかかると歪む性質があります。
それに対して中に入った金属の杭は歪まないので応力の差が生じ、根が縦に折れてしまう危険性が高まります。

メタルコアの破折

それに対して、グラスファイバーの杭は、歯と同じように歪む性質があります。
実験データーですが、金属の土台とグラスファイバーの土台が入った歯に側方力をかけ歯が折れるまで加圧すると、金属の土台は100%縦に折れてしまいますがグラスファイバーの土台は100%力がかかったところで折れるとのことです。

ファイバーコアの破折

あくまでも実験データなので実際の臨床とは違いがありますが、100%という数字は無視できないと思います。
グラスファイバーのような折れ方なら、歯の周りの環境を整えればまた歯を作ることができます。
しかし、縦に折れてしまった金属の土台の歯は抜く他なく、救うことはできません。
残念ながら保険でたてることはできませんが、お勧めするのはそんな理由からなのです。

 

くさび状欠損

  • 2015.07.16 Thursday
  • 18:15
主にかみ合わせによって歯の根元が欠け落ちてしまう病態のことを「くさび状欠損」と言います。
本日はそのお話。

なぜ噛み合わせによって、噛む部分とはかなり離れたところが欠けるのでしょう。
この欠損は図の様な位置に発症します。

WSD 図

噛む位置とはかなり違います。
その原因の一つにはエナメル質と象牙質の硬さの違いがあります。
我々はものを垂直方向だけに動かして食べるのではなく横方向にすりつぶしながら食べています。
その為に、歯には水平方向にたわむ力がかかっています。
歯は硬いように見えて側方力がかかると歪みます。
この大きさが硬さの違うエナメル質と象牙質に同時にかかるので、内側の象牙質は大きく、外側のエナメル質は小さくゆがみます。

側方運動
それによってエナメル質には亀裂が発生します。
そこに歯ブラシの外力が強くかかるとエナメル質の亀裂が剥離して欠損になるのです。

歯ブラシWSD

通常、この欠損は症状が無ければ、つめる必要はないといわれています。
しかし、そのままにしておくと、その欠損が進んでいるのか停止しているのか判断できません。
進んでいれば、つめても取れてしまいます。
また取れなくとも、充填物の下側にかけが進行します。
このように、進行しているかそうでないかはつめなければわかりません。
当院では患者さんにお話しして、ある程度かけが進行している患者さんはつめるようにしています。
その場合でも、削るのはほんのわずかです。
また進行しているのが分かった患者さんには、かみ合わせの微調整やマウスピースの使用を薦めるか検討します。

この欠損は症状は全くないのが普通です。
進行しても大きな問題になるのはかなり高齢になった時かもしれません。
ただ原因がわかっていて、その除去ができるのならばトライする意味があると思っています。
 

笑気吸入鎮静法

  • 2015.05.28 Thursday
  • 08:18
私は、大学卒業後歯科麻酔学教室の大学院に残っていました。
今では、インプラントの手術などの時、静脈内鎮静法である程度日の目を見るようになっていますが、私が残っていた20年以上前にはインプラント治療も一般的ではなく、大学病院での全身麻酔と、外来小手術時に鎮静法及び全身管理、神経痛の治療などを行っていました。
開業してからは、当院で応用できることには限界があり、笑気吸入鎮静法のみを行っています。
昨日気付いたのですが、この笑気についてのお話を書いたことがありませんでした。
というわけで、本日は笑気吸入鎮静法のお話です。

笑気吸入鎮静法とは、不安などが強く治療が思うようにできない場合に、鼻にマスクを着けそこから流れる空気中の3倍くらいの酸素と笑気を吸うことによって、お酒にほろ酔いのような状態になって小さい事が気になりずらくなる方法です。
これを応用することによって、不安を緩和したり、嘔吐反射を少なくしたり、時間が短く感じたりします。
これによって、治療が可能になる人も多くいます。
ただ、通常とは違う状態になるためその感じが合わない人もいます。
しかし、その様な状態になっても、濃度を下げれば笑気は速やかに呼気中に排泄されて体内の濃度を下げることが可能です。
その為、非常に濃度調節がしやすく、問題となる副作用もありません。

笑気吸入鎮静法はあくまで診療補助の役割なので、可能であるなら少しずつ麻酔薬量を減らして最終的に無くとも治療ができる状態になることを目標としています。
当然のことながら、鼻で息をしなければきかないため、意思の疎通ができないような小児は適応外になります。

 

フェルールエフェクト

  • 2015.05.26 Tuesday
  • 08:55
例えば、歯が歯肉と同じ高さまでなくなってしまった場合。
根の治療をして歯を被せる準備ができても、土台をたててそのまま型を取るわけにはいきません。
そのまま被せると、問題が残るからです。
本日はそんなお話。

虫歯で歯がすっかりなくなってしまった状態とは図1のような状態です。
図1
ここに、土台を建てて歯を被せると図2に様になります。

図2
この歯に力がかかると図3の様に力はすべて土台のかかってしまい、結果土台のセメントが破壊されて脱離や虫歯の再発、あるいは根が縦に割れる歯根破折などが発生しやすくなっていしまいます。

図3
それではこの状態を改善するためにはどうしたらいいのか?
当ブログでもたびたびお話しているので、ご存じの方も多いと思います。
結論から言うと、その方法は「矯正と手術」です。

矯正を行うと、図4の様に、歯の位置が上に動くため自分の健康な歯が歯肉の上に出て、そこまで被せることが可能になります。

図4
それによって、しっかりしたのりしろが得られ、齲蝕の再発や根の破折の危険性を減らすことができます。

手術を行うと、図5の様に、歯肉の位置が下に動くため自分の健康な歯が歯肉の上に出て、そこまで被せることが可能になります。

図5
これによって、やはりしっかりしたのりしろをもって被せることができます。
それぞれの方法で改善して、被せることによって様々な問題点を防ぐ効果のことを、「フェルールエフェクト」といいます。
フェルールエフェクトを有効にして被せると、図6のようになり、斜線の部分全体で側方力に対抗することになり、セメント破壊等の問題点に抵抗します。

図6
当院では、このような問題が考えられる患者さんすべてに説明し、ほとんどすべての患者さんにどちらかの方法を施して被せています。

 

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