ブラックトライアングル

  • 2017.07.05 Wednesday
  • 07:12

歯周治療が治癒に向かうと多くの場合問題になってくるもの。
それ歯が本日の話題、「ブラックトライアングル」です。
本日はそのお話。

以前説明した、「歯周病の治癒…」や「フェルールエフェクト」の項目も参考にしてほしいのですが、ブラックトライアングルとは、歯の間の歯肉(歯間乳頭)が下に下がってしまうことによって、外から口の中が見え歯の間が暗くなり黒いトライアングル状態になることです。

健康な歯肉ブラックトライアングル
要は、笑ったときに歯の間が健康的なピンク色の歯肉でなく、黒い隙間になる現象です。
歯周病がある程度コントロールされると、腫れていた歯肉が引き締まり磨きやすくなる代わりにこのような見え方をしてしまいます。
また、フェルールエフェクトのため手術をした場合には、人為的に歯肉を下げるためやはりこの様になることがあります。
審美障害が出てしまった場合の対策ですが、大きく分けて2つあります。
一つは、手術で歯間乳頭歯肉を移植して増やす方法。ただこれは難易度が高く、予知性も高くありません。
もう一つは、両隣の歯の形を修正して黒い隙間をなくす方法。
これは当院でもよく行っているものです。
やり方は、その歯牙の状況によって様々ですので院長に気軽にご相談くださるようにお願いいたします。

エナメルプロジェクション(エナメル突起)とは

  • 2017.04.16 Sunday
  • 14:49

エナメルプロジェクションとは、エナメル質が通常の位置より根の方向に延び、根と根の間の部分に突起状に伸びたものをいいます。

エナメルプロジェクション

歯がこの様になっていると、歯肉との付着力が弱くなって歯周ポケットができやすくなり、歯周病が悪化しやすいウイークポイントになります

また、根の間は歯周炎が悪化するとコントロールしにくい病変の部位なので(根分岐部病変と言います)、その予防のためにエナメルプロジェクションを削って滑沢にすることもあります。

根分岐部病変

先天的な形態以上ですが決して珍しいものではなく、4人に一人程度の割合で出現すると言われています。

歯周病の治癒…

  • 2017.04.14 Friday
  • 07:04

歯周病から治癒とは…

炎症がなくなり(歯肉からの出血がなくなり)、最近との共生関係が確立(細菌がいなくなるのではなく影響がなくなる)その環境が永続しやすいような状態(浅いポケット)になることです。

残念ながらそれは、以前のように歯の間が歯肉に満たされ、骨が上まである状態ではありません。

吸収してしまった骨は基本的には元には戻らず、歯肉は下がった状態で安定します。

図に書くと以下のようになります。

正常像

これは正常な歯周組織。

根の間に上まで歯槽骨があり、歯の間は歯肉で覆われています。

一方歯周病になると骨は歯肉の中で吸収し、歯肉の中と外には歯石と歯垢がこびりつき、それに伴い歯肉は腫れあがっています。

歯周病

この状態に対し、患者さんのブラッシングが解消、歯科医院側では歯石取りとみがき残した部分のクリーニング、場合によっては手術を行って磨きやすい環境に変えてそれを持続すると…。

以下のように変わります。

歯周病から治癒

つまり、歯肉は腫れがなくなり、溶け続けていた骨は安定して固まり、骨の2〜3ミリ上に歯肉が炎症が無い状態である。

残念ながら、骨も歯肉も増殖せず、元の位置に回復とはいきません。

これが歯周病からの治癒像。

事故で手や足がなくなった人が再生しないのと同じように、これが現在の限界なのです。

歯石取りの目的

  • 2017.03.02 Thursday
  • 19:33
歯周病の治療は、歯の周りについているバイオフィルム(細菌の塊)を歯ブラシで破壊し、出血を止めて口の中の細菌を健全化して共生していくことです。
その順番は、細菌の塊が出来ないようにブラッシングの改良(プラークコントロールの改善)、その妨げになるような不適合なかぶせものや詰め物の修正、歯肉の上の部分の歯石取り等を平行して行います。
歯石

しかし、歯周病を専門に扱っている歯科医院では、歯肉の上の歯石取りもブラッシングが正しく出来るようになってからしか行わないところもあります。これは、歯肉の上の歯石取りを早くからしてしまうとそれだけで炎症が中途半端に改善してしまいプラークコントロールが身につかず結局歯周炎をコントロールできなくなってしまうからです。
歯肉の下の歯石取りも早期でしないのは、出血してしまったらPG菌が勢力を増し一気に増殖してしまい、おまけに出血し潰瘍化した歯肉は自然に止血することがないからです。すでにお話ししたように、歯周炎発症の瞬間は細菌によって出血が起きたときなので、これを歯科医師によって人工的に作ることになります。以上の理由から深いところの歯石取りは早い時期からは出来ないのです。
おそらく歯周病菌は思春期時期に感染していると思われます。ただ発症までにはかなりの時間がかかっていると思われます。その悪化した関係を友好関係に持っていくにはそれなりの時間と手間が必要なのです。

メインテナンス

  • 2017.02.24 Friday
  • 09:09

患者さんと歯科スタッフの長年の努力で歯周炎が沈静化。

つまり、出血が止まり、歯周ポケットも浅くなり、嫌気状態中心だった環境も改善。

マイクロビオームとの共生状態に回復した。

 

歯周炎の治療

 

この状態は治癒なのでしょうか?

実際に歯周病に治癒はないと考えています。

この状態は、歯周病菌との仲が戻って、炎症がコントロールされた状態です。

歯周ポケットが浅くなったとはいえ、炎症発症前より再発しやすい状態に回復したということ。

共生状態になったとはいえ、細菌がいなくなったわけではなく、歯周病菌はひっそりと再起の時を狙っています。

この共生状態をキープするために必要なのが、定期的なチェックと手直し=メインテナンスです。

当院では、定期検診という形でお話していますが、重要なことです。

年齢とともに歯周病のリスクは確実に上がります。

今までは抑えられていた炎症も、年々難しくなっていくことが考えられます。

その状態を早期に見つけ出し、微修正することが目的です。

わずらわしく感じることもあると思いますが、大切なことなのです。

歯周病菌を調べる

  • 2017.02.21 Tuesday
  • 08:20

ご自身の歯周病菌を調べることはできるのでしょうか?

当院では、3種類の検査方法を実践しています。

まず1つ目は、おそらくすべての来院患者さんが実施したことがあると思います。

位相差顕微鏡検査です。

 

位相差顕微鏡

 

この検査では生きている細菌が見える利点がありますが、どの細菌が歯周病菌かはわかりません。

もう一つは、バナペリオ歯周病菌検査です。

 

バナペリオ 

 

これは、15分で判定が出る歯周病菌に特化した検査で、Red complexの有無がわかります。

ただ比色検査のため、大まかな数しかわかりません。

最後は、PCR法細菌検査。

 

PCR法1 PCR法2

これは外部の検査機関に委託する検査で、Red complex各細菌の数がわかり、さらにP.g菌の5種類の同定も可能です。

コストはかかりますが、この検査をすれば、危険性の予測に対しては必要にして十分な状態把握が可能です。

大阪大学の天野教授によれば、基本的に細菌叢は一生変わらないので、生涯に一度の検査で十分だとのことです。

ご興味のある方は、ぜひご相談ください。

歯周炎の治療

  • 2017.02.20 Monday
  • 08:47

さて、本日はいよいよ歯周炎の治療についてのお話です。

昨日のお話のとおり、P.g菌がいても克服はできます。

その方法は、ブラッシングによって歯周ポケット内の細菌をかき混ぜ、酸素濃度の偏りを解消。

炎症によって、上皮が剥離し出血している歯肉を修復し、出血を止める。

さらに、歯石や歯の根の表面についた細菌や汚染物質を取り去り表面をつるつるにして環境を改善することです。

文章にすると簡単ですが、なかなか容易なことではありません。

 

共生破綻

 

細菌との共生状態が破綻すると、それの逆戻しをするのは破綻しないように予防するよりもはるかに大変な仕事です。

また、一度落ち着いた状態になっても、歯周病菌はいなくなったわけではありません。

そこから、その状態が再発しないように気を付け続けなければいけません。

さらに、再発のリスクは年齢とともに確実に増加し続けます。

私たち歯科スタッフと患者さんの共同作業で再発予防が必須と考えているのです。

 

最強の歯周病菌P.g菌とは

  • 2017.02.19 Sunday
  • 14:36

Red complexの中でも最強の歯周病菌、porphyromonas gingivalis(P.g菌)

この細菌がいるからと言って、やはり歯周炎に罹患するとは限りませんが、それでは発症の瞬間とはどのような時なのでしょうか?

本日は、歯周炎罹患の瞬間のお話。

代表的な歯周病菌であるP.g菌ですが、空気中の酸素濃度が高いところでは生育できません。

また栄養分として鉄分とたんぱく質が必須条件です。

要は、P.g菌が元気になり、歯周炎発症するには上記の状態が克服されたところということになります。

歯周ポケットは、歯と歯肉の間の溝なので、深くなれば酸素濃度が低くなり嫌気状態になります。

歯周病菌は酸素が嫌いな嫌気性菌なので、この状態が進めば、細菌は元気になります。P.g菌も例外ではありません。

毎回の歯磨きが大切なのは、歯周ポケットの中の細菌をかき混ぜて、酸素濃度の偏りをなくすことも目的の一つなのはそういう意味です。

また、P.g菌は、栄養分として鉄とたんぱく質が必要です。

これを、炎症を起こし歯肉を出血させることによって得ています。

この出血の瞬間こそ歯周炎発症の瞬間です。

炎症を起こすと、歯肉の上皮は剥離することによって出血を起こします。

P.g菌はこの剥離した上皮の治癒を阻害する力ももっています。

また、細胞の中に入る力もあり、そこから養分を得ることもできます。

P.g菌の中でも況燭虜拔櫃いると、44.44倍歯周炎になりやすいというデータもあります。

共生するには、発症を抑える努力が欠かせないのです。

 

 

 

Red complex

  • 2017.02.16 Thursday
  • 08:45

歯周病には様々な細菌が関与しています。

私が大学生だったときは、その細菌を個々に取り上げ学んでいました。

しかし、最近では最近は個々の能力だけを取り上げて考えても意味がないことがわかってきました。

すなわち、バイオフィルムの中で成熟する細菌は、それぞれの細菌同士各々助け合いながら生存しており、相互に影響しあいながら生きているからです。

現在、歯周病菌は大きく5グループに分けて考えられています。

 

歯周病のマイクロビオーム

 

その中の頂点のグループがRed complexと呼ばれる最強最悪の3種類です。

P.g菌、T.f菌、T.d菌の3種類がこれに属します。

歯周病のバイオフィルムは小学生頃から徐々に構築され、18歳以降にRed complexが定着して出来上がると言われています。

基本的には、外部からの直接感染で、歯周病に関してはパートナーからの感染であると言われています。

ただ、強調しておきたいのは、たとえRed complexに感染していても必ずしも歯周病が発症するとは限らないこと。

Red complexたちは、ひっそりと生存しながらひそかに発症の機会を狙っているのです。

発症には体の抵抗力や様々な修飾因子が深く関係します。

要はマイクロビオームのバランスを崩さないようにすることが大切なのです。

 

 

 

バイオフィルムを悪性化する要因(歯肉炎の巻)

  • 2017.02.14 Tuesday
  • 08:58

バイオフィルムは3日で成熟すると言われています。

私は1日3回ブラッシングをしているから大丈夫!と思られていませんか?

私たちのブラッシングには、得意な場所と不得意な場所があります。

要はみがき残しです。

この場所には、バイオフィルムが何週間、何か月間ついているかもしれません。

本日のお話は、そんな部分のバイオフィルムの変化についてです。

 

このようなところでは、まず初めに歯肉表面の変化が起きてきます。

縁のところが少し赤く変化するということです。

これは、初期の歯肉炎の状態。歯肉に限局した炎症です。

年齢が若いとこの状態でキープされることもあります。おそらくは抵抗力のためと言われています。

ただ年齢が進むとその次の状態、歯肉炎の確立期に移行します。

この状態になると、炎症により血管透過性はさらに亢進、歯肉は浮腫を起こし腫脹して赤く腫れあがるようになります。

この状態になると、歯肉の溝は歯肉が腫脹するため深くなり、溝の底は酸素濃度が低くなります。

この酸素濃度の低下が、実はバイオフィルムの悪性化に密接にかかわってきます。

嫌気性菌の育ちやすい環境が、歯周病の増殖にかかわっているからなのです。

ただし、ここまでの状態であれば、ブラッシングの改善でバイオフィルムを取り除けば歯肉炎は完全に元の健康な状態に回復できます。

この状態を早期に発見するためにも、定期的な受診が重要と言えるのです。

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