金にプラチナの合金の利点
- 2022.10.10 Monday
- 16:11
口の中はいろいろな食物や細菌のため酸化しやすい環境にあります。
そのため、金の含有量が70%以下だと酸化してしまうと言われています。
ところで、人間は85%以上の確率でストレスから歯ぎしりをしているとの報告があります。
歯ぎしりをしている時、その噛む力は通常食事で発揮される力の6倍との報告から、この様な力があごに伝わると下あごの骨の変形を引き起こします。これは、我々が修復物をセットする時に赤いカーボン紙を噛んでもらって調整する位置と違った位置があたることを意味しています。
これに対応するために当院では、金にプラチナを添加し歯牙と硬さがほぼ等しい白金加金冠を応用し、噛み合わせ表面をマットフィニッシュ(磨りガラス状)に仕上げ、それで修復することで対処しています。
つまり、歯ぎしりによって変化した噛み合わせの位置をマットフィニッシュした面で受けることでその部分をピカピカに輝かせ、これによって強くあたる位置を判断し調整するようにしています。画像の赤い丸印の部分が歯ぎしりによって輝いた部分です。(これはカーボン紙の赤いマークではありません)歯ぎしりによって変異したあごの噛みあわせを評価する方法は、この方法しか無いと思うからです。
ちなみに、保険の金属は金の含有量が12%と決められていますのでこの方法は使えません。この金属でマットフィニッシュにすると、すぐに酸化が進んで真っ黒になり何も分からなくなるからです。
しかしながら、白金加金冠にも弱点があります。それは金属が溶ける温度が低く表面にセラミックを使うことが出来ないことです。やむを得ず表面の白い部分は樹脂になります。これは着色や変色の面からディメリットと言わざるを得ません。また、審美的側面からも色表現の面からも不利な要素です。
ちなみに、私自身は自分の歯をこのメリットをよしとして、この金属を使って修復しています。
かぶせる治療の時には説明しますので、ご検討いただきたいと考えています。