TCH(トゥースコンタクティングハビット)

  • 2016.09.07 Wednesday
  • 18:13

TCH(トゥースコンタクティングハビット)とは?

私たちは、通常の自然頭位、つまり姿勢をただして普通にしていると下あごは、下顎安静位に導かれ歯と歯はあたらずに安静空隙量分だけ離れます。

わかりやすく言うと、ボーとしているときは唇は閉じていても口の中の歯どうしはあたらないということです。

これに反して、長時間歯があったっている人がいます。

この癖のことがTCH(トゥースコンタクティングハビット)と呼ばれています。

私は、今まで歯を当てるという行為がかみしめや食いしばりの持続だと思って説明してきましたが、今回学び直して間違いであったことを知りました。

正しくは、歯が触れている状態の持続です。

考えてみれば、最大のかみしめ力の力をいくら持続させようとしても大概は続きません。

問題となるのは、力の大きさではなく、触れている状態の持続だったのです。

歯が触れている状態を持続するのはそれほど難しくなくほとんどの人が、数時間持続可能であるそうです。

これが様々な問題へと発展する可能性がある癖なのです。

それではなぜTCHはおこるのでしょうか?

デスクワークをする人は、下向きの姿勢をします。

この時、下あごは重力の関係で前方に出て、上の前歯の内側に接触します。

これによって、筋肉の閉口反射が出て、歯が接触する位置まで動いてしまうわけです。

ところが当事者はあまりの少ない変化と、疲れることのないような弱弱しい活動のためこれに気づきません。

というわけで、この体制は長時間維持されることになります。

この持続が問題なのです。

また精神的ストレスが引き金になることも報告されています。

では対策は、実際は頻回に気を付けて、その行動に気付き持続時間を短くする位しか方法がありません。

その為に、目立つところに「歯を離す」と書いたシールを張るなどをする必要があります。

実際に自分を顧みても、頻回に行っていると思われます。

私自身この習癖を払しょくするのはかなり難しいと思っているのです。

あごの関節の動き

  • 2015.11.03 Tuesday
  • 20:35
私たちの口は言うまでもなく関節によって動くことができます。
本日はその関節の動きについてお話します。

口は上あごと下あごによって構成されています。
当然のことですが、動くのは下あごだけです。
顎関節全容
下あごは上あごに釣り下がるようにぶら下がり、靭帯や筋肉でその動きを規制されています。
動きすぎを防ぐ機構です。
私たちが口を開けるとき、初めは蝶番のように回転運動を行います。
ある程度あくと今度は関節が前に移動します。滑走運動を行うのです。
            開口運動
この滑走運動は上あごの関節が入っているくぼみから少し外れたところまで続きます。
いわゆるあごが外れた状態は、その位置から元に戻らないことになりますが、通常それを防ぐように軟骨や人体筋肉が協調して支えてくれます。

また左右に動くときは、動く側の関節はわずかに後方に回転し反対側の関節が回転滑走運動をすることになります。
          右側方運動

このように人のあごの関節は一方が動くと他方も強調して動く副関節になっています。
多くの関節を持つ私たちですがこのような動きをする関節は顎関節のみなのです。

噛み合わせ…この移ろいやすいもの

  • 2014.11.19 Wednesday
  • 08:49
本日は、天然歯のかみ合わせについてのお話です。
天然歯とは…。字のごとく全く手つかずの治していない歯のことです。
これは、自分のものなので全く調子の良いものなのでしょうか?
ここでは、歯周病などの炎症もない全くの健康な歯列という設定にします。

永久歯は、だいたい後ろの6歳臼歯から前歯、小臼歯の順番で生え変わっていきます。
この間、乳歯の隣り合わせの面に虫歯ができると、後ろから臼歯が倒れてきて永久歯の生えるスペースが減少することになります。
また、齲蝕が全くなくとも近年あごが小さくなっているため、やはり、歯並びに影響することがあります。
さらに、このような不正がなくとも、いわゆる個々に正常なかみ合わせを獲得したとしても、ずーっと安心というわけではありません。
生え始めの時は小さい点と点であたっていた歯牙同士は、やがてすり減って面と面になっていきます。
この時も、あたる面のエナメル質の硬さの違いがあれば、する減り方に不釣り合いが出るかもしれません。
さらに面と面になったかみ合わせは、歯牙に側方力を加える要因になっていきます。
日々のストレスによって、歯ぎしりなどが現れれば、歯がすり減る前に砕けていってしまうことも起きてしまいます。
それが大きくなれば、歯を移動させる要因になることもあるかもしれません。

かみ合わせは歯牙だけが関係しているものではありません、当然その動きに連動しているあごの関節も関係しています。
この部分に、変形が生じたり、本来あるはずの部分に関節円板と言われる軟骨がなくなってしまったりすれば、当然急激にかみ合わせが変わることもあります。

このようにかみ合わせとは、非常に移ろいやすいもの、実際にはかなり不安定なものです。
ただ多くの人は、それを少しの体の変化を通して順応しているものと思われます。
我々歯科医師側も、すべて治療介入するのがいいとは思えません。
実際には、その変化と歯周病が合併した場合などは、かみ合わせに対して介入しなければならないと感じています。
この場合は、患者さんの順応外の状態と思われるからです。
移ろいやすいかみ合わせ、我々にとっても手ごわい強敵なのです。

力の問題

  • 2012.07.05 Thursday
  • 08:22
親知らずを除いてすべての歯が残っている場合、
上下の歯がかみ合う箇所は8箇所。
(この場合、かみ合うところが斜面になってしまう前歯部は含めません。)

これが、何十キロというかみ合わせ力を支える面積になります。

単純に考えると、歯が一本無くなると、かみ合わせ箇所は8分の1になります。
ただこれに、歯自体を支える骨の量、歯と骨をつなぐ歯周組織の健全さ、
力の方向に関係する歯の傾き等が複雑にかかわってきます。

若いときには、全く感じなかった問題点が、徐々にほころんで問題を感じた時には、
かなり大きくなっている。

虫歯や歯周炎もそうであるが、力の問題も歯科疾患で克服するのはかなり難しいものなのです。
 

歯に食べ物が挟まる方へ

  • 2012.02.23 Thursday
  • 09:10
歯の間に食べ物が挟まるという患者さん。
結構いらっしゃいます。
このような患者さんは、大きく二つに分けられます。

歯肉が下がり、歯の間に側方から挟まるタイプと繊維質等が、歯の上から挟まるタイプです。

横から挟まるタイプは、歯周炎がある程度改善して、歯肉が引き締まると起こってしまう可能性はあります。
ただ、このようにセルフケアが身についている患者さんの場合、食後にはブラッシングをするためあまり問題にはなりません。

縦から挟まるタイプは、歯並びがかかわってきます。
われわれの歯ならびは、二つの歯の間に一つの歯が噛みこむ「1歯対2歯咬合」を正常としています。
歯が生えてきたばかりは、歯が減っておらず、歯同士は点で接していますが、月日が経つと、歯が減って面で当たってきます。
こうなると、歯が噛みこむと歯の間の食べ物を上から挟まる方向に導いてしまうようになります。
これは「プランジャーカスプ」と言われます。

解消するには、かみ合わせ治療が必要になります。

かみ合わせのゆっくりした変化の一端に起こる、不具合の一つなのです。
 

天然歯が持つ機能

  • 2011.12.27 Tuesday
  • 09:03
昨日矯正の項目でも少しお話した前歯と奥歯の関係
今日は、そこに注目します。

前歯と奥歯。
どう見ても形が違います。
これには理由があるのです。

噛む面がある奥歯は、大きなくぼみ面で何十キロもの力を受け止めています。
仮に臼歯がなくなってしまったら、この力は前歯にかかってしまします。
噛む面がなく、斜めにかぶさっている前歯はこの力に耐えられなく、前方に押し出されてしまうでしょう。
このような現象で出っ歯になってしまっている方はかなりいます。
このように、奥歯にはかみ合わせの力を受け止め、この位置をキープする機能があります。

それでは前歯にはどのような機能があるのでしょうか。
斜めにかぶさっている前歯には、動いた時の道になる役目があります。
この道で動くことによって、奥歯が離れて行って有害な側方力から歯を守るようになっています。

かみ合わせの治療を行う場合は、この機能を獲得できるように行っています。
多くの場合、食べているときの力より、寝ているときにおこる食いしばりや歯ぎしりの力から歯を守るために、導入しています。

画期的 長谷川メソッド!

  • 2011.11.22 Tuesday
  • 08:58
歯を抜かなくてはならなくなってしまった場合。
ブリッジや義歯が必要になってきます。
ところが、これらの治療は他の歯に負担をかけてしまう欠点があります。
それに対してインプラントは、他の歯に全く負担をかけずに歯を作ることができます。
さらにもう一つ、インプラントのように負担をかけず、歯を作ることができる方法。
それは、歯牙移植です。

この移植は、インプラントと違い、噛んだ感覚もあるため成功すればインプラントよりはるかに有益な点も多い治療法です。

ただ問題があります。
インプラントは、規格化したドリルで穴をあけ埋入するため比較的簡単にできますが、
歯牙移植は、その根の形に合わせてフリーハンドで穴を掘らないといけないため、
非常に手技が煩雑で難易度が高いといえます。

ここで画期的な方法を、今月のCDRIで長谷川嘉昭先生に教わりました。
抜いて歯の根の型を即座にとり、流し込みの樹脂でダミーを作成、そのダミーで穴の形を調整するというもの。
聴いてみると、なるほどと感じる「コロンブスの卵」的なものでしたが…。
やってみてびっくり、これが超画期的!!

昨日の患者さんは、移植する歯牙が二股に分かれさらに湾曲している条件の悪いものでしたが、
驚くほどスムーズに終了しました。

この長谷川メソッド。
誰かに教えたくなるほどのスゴ技でした。 

繰り返したことによる問題

  • 2010.10.15 Friday
  • 08:58
歯科治療を繰り返した口の中を見ると、さまざまな問題が浮き彫りになっていますが、本日はその中のひとつ。かみ合わせの高さのお話。

かみ合わせ治療の項目でたびたび出てくるお話ですが、咬みこむ高さは、度重なる治療によってかなり低くなっていることが多いのです。
高さをキープする奥歯と左右前方に滑らせるガイドである前歯。
役割は違いますが、口の中に共存していることが問題になってきます。

前歯は、軽く口を閉じたときには下と上の歯はぶつからず、強くかみ締めると当たるようになっています。
ところがかみ合わせが低くなっていくと常にあたるように、あるいは奥歯より強く当たっている場合も少なくはありません。
こうなると、キープする力がない前歯は、前に飛び出して出っ歯になってしまいます。また持続的に働く力によって、歯が矯正されることもあります。

患者さんにとっては、「最近は並びがずれてきた」とか「なんか出っ歯になってきて唇が閉じにくい」という症状で訴えがあります。
問題はずれてきた歯ではなく、ほかにあるため説明して理解を得るのも大変ですし、治療も当然全体的な治療になってしまいます。
大変ですが、しっかりやらないと治療の寿命にかかわる重要なことなのです。

「キープする力」にも関連ブログあり!

 

キープする力

  • 2010.06.23 Wednesday
  • 10:01
歯をかみしめると、歯があれば、当然のことながら、これ以上噛みこめない位置があります。
この位置のことを、垂直的咬合位(バーティカル・ディメンジョン)といいます。
本日は、そのお話。

この話で大切なのは、歯が少なくなってしまった方の無くなり方です。患者さんの歯の無くなり方には、ある程度のパターンがあります。
多くの方は奥歯(臼歯)から無くなって、上の前歯、下の前歯で無歯顎というパターンです。

今回の話で問題になってくるのは無くなりはじめる臼歯部の無くなり方です。

歯は、親知らずを除けばかみ合わせる部分は14対あります。そのうち、垂直的咬合位をキープできる部分は8対です。ここで重要なのが、前歯は噛みこむと傾斜して、力が逃げてしまうのでキープできないというところです。

また、上下どちらかでも歯が無くなってしまった場合はその位置ではキープできなくなってしまったということになります。こう考えると、まばらにとびとびで歯が無くなってしまった方は、キープできる位置がかなり少なくなっていることに気づかれると思います。

それでは、しっかりキープするにはどのようにしたらいいのか?歯を失った場合は、ブリッジ、義歯、インプラントの3種類の補い方があります。キープする能力順に並べ替えると、インプラント>ブリッジ>義歯になります。

インプラントは、骨についているわけなので、天然歯よりも沈み込みが少なく、キープする力は絶大です。
ブリッジは、両端の歯に負担がかかってしまいますが、キープ力は十分です。
義歯は、歯ぐきの上に乗っているため、沈み込みが多く、またあごも義歯の歯も減ってしまうためキープ力は非常に低いものです。

特に臼歯部がすべて入れ歯になっても、やはり自分の歯でかみたい欲求があるため前歯で食べてしまって前歯が前方に傾斜してしまい、そのことでさらに義歯に負担がかかってさらにかみ合わせが低くなってしまっている患者さんは実に多いです。

この問題の一番重要なポイントは、じつにゆっくり時間をかけての変化なので自覚症状はまったくないところ。また、治療するには以前も書きましたが非常に労力がかかるというところです。
かみ合わせる力はご存じのとおり非常に強大です。その力を日々受け止め続ける歯とあご
この縁の下の力持ちのために、「なんとか負担を軽減できるように」とご理解のほどよろしくお願いいたします。  

忍耐勝負

  • 2010.01.13 Wednesday
  • 08:36
  以前にも書きましたが、かみ合わせの平面と高さが問題になっている患者さんは、かなりの数います。度重なる治療や逆に治療せずに放置したことが主な原因です。

 この問題を治療するためには何カ月もかけて、元の高さを試行錯誤法で探る以外方法はありません。医学的に問題があるとはいえ、今まで痛みもなければ不自由もおそらく感じていない患者さんにとって、この治療は非常に苦痛な時間でしょう。

 ただ、一般の人にわからないからこそ、我々がしっかり指摘し治療しなければならないと考えます。妥協的な処置をしなければならない場合もあります。患者さんに対しても時間がかかりますが、それはこちら側でも同じです。基本的に保険治療ではこれらの費用は無料だからです。まさに奉仕活動のようなものです。この治療は術者と患者さんの忍耐から生まれるものなのです。

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