マグネットデンチャーというもの

  • 2014.10.20 Monday
  • 08:19
昨日のこと、マグネットを使った入れ歯の支えの歯が割れたので入れ歯を含めて作り直してもらいたいとの電話がありました。
いわゆる「マグネットデンチャー」です。
本日はそのお話。

当院では、基本的には行っていないこの「マグネットデンチャー」
なぜ行わないのか?
そもそも入れ歯というものは、圧力をかけるとかなり沈み込む歯槽粘膜の上にある入れ歯本体が、あまり沈み込まない歯にしがみついている構造になっています。
当然その界面にはものすごくストレスがかかってしまいます。
それを、なるべく打ち消すように、動く方向を規定して設計するのが入れ歯に対する技術力になります。

マグネットを利用する場合、その特性上近接していないと磁力が減少してしまうという問題が生じてしまいます。
入れ歯の中のマグネットは単純に歯牙に組み込んだ磁性金属と触れ合うことになります。
すなわち、沈み込む粘膜と少ししか沈みこまない歯牙が何の緩衝装置もないまま一体化することになります。
これでは、歯牙にかかる側方力が大きくなって破折してしまうのも仕方がないことです。
側方力を開放するために、粘膜とほぼ等高まで歯を削合して滑らせる方法をとっている入れ歯も目にしますが、これではかむたびに粘膜に過剰な負担がかかってしまいます。
総義歯の圧負担を考慮した作り方をしていればまだしも、単純な作り方をしていれば、マグネット部を支点にして入れ歯は壊れてしまいます。

約20年前、このタイプの入れ歯が登場したときに、今までなかった手軽さと作りやすさで多くの歯科医師が応用していました。
ただ、入れ歯の原理からすると非常に危険な考えでした。
当院でも、このタイプの入れ歯を全く作らないわけではありません。
ただ、それは、歯牙破折の心配がほとんどないインプラントに対する応用に限っています。
なんでもそうですが、自分なりによく理解したうえで患者さんに勧めたいと考えています。
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