6月の日本顎咬合学会、9月の国際歯科大会とリアル参加の学会に久々に参加し本日の記念講演に参加しました。
コロナ禍のため本学会も約3年間リアル開催ができず、久々の開催になります。
会場を東京医科歯科大学のMDホールから、市ヶ谷カンファレンスセンターに移しての開催になりました。
今回は私一人の参加になりましたが、やはりJCPGはスタッフと参加するものだなと感じ、来年はぜひともスタッフと参加しようと考えています。
]]>そのため、金の含有量が70%以下だと酸化してしまうと言われています。
ところで、人間は85%以上の確率でストレスから歯ぎしりをしているとの報告があります。
歯ぎしりをしている時、その噛む力は通常食事で発揮される力の6倍との報告から、この様な力があごに伝わると下あごの骨の変形を引き起こします。これは、我々が修復物をセットする時に赤いカーボン紙を噛んでもらって調整する位置と違った位置があたることを意味しています。
これに対応するために当院では、金にプラチナを添加し歯牙と硬さがほぼ等しい白金加金冠を応用し、噛み合わせ表面をマットフィニッシュ(磨りガラス状)に仕上げ、それで修復することで対処しています。
つまり、歯ぎしりによって変化した噛み合わせの位置をマットフィニッシュした面で受けることでその部分をピカピカに輝かせ、これによって強くあたる位置を判断し調整するようにしています。画像の赤い丸印の部分が歯ぎしりによって輝いた部分です。(これはカーボン紙の赤いマークではありません)歯ぎしりによって変異したあごの噛みあわせを評価する方法は、この方法しか無いと思うからです。
ちなみに、保険の金属は金の含有量が12%と決められていますのでこの方法は使えません。この金属でマットフィニッシュにすると、すぐに酸化が進んで真っ黒になり何も分からなくなるからです。
しかしながら、白金加金冠にも弱点があります。それは金属が溶ける温度が低く表面にセラミックを使うことが出来ないことです。やむを得ず表面の白い部分は樹脂になります。これは着色や変色の面からディメリットと言わざるを得ません。また、審美的側面からも色表現の面からも不利な要素です。
ちなみに、私自身は自分の歯をこのメリットをよしとして、この金属を使って修復しています。
かぶせる治療の時には説明しますので、ご検討いただきたいと考えています。
]]>昨年、春に受講したコースのフォローアップコースです。
当院のように、マイクロスコープを多用していても、直視に頼る部位はあるものです。
見えているようで、実は見えていない。それをあぶりだしてくれるのがこのコースの素晴らしいところです。
今回も新たな発見に満ちていました。
本日からすぐに実践できる技術です。
さらにステップアップしていきたいと思います。
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理事長の小林剛志です。
ブログ更新をしばらくお休みしていて申し訳ありません。
2022年年頭にあたり、再びこのブログの必要性を認識して再開するに至りました。
今後とも、よろしくお願いいたします。
さて、さっそくではありますが、ご報告があります。
当院は、働き方改革に沿ってスタッフの労働時間適正化のため週休2.5日制に移行します。早速、1月下旬から施行いたします。それに伴い1週間に一度午後休診になります。
患者さんにはご不便をおかけしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
当面は、試行という形で考えていますが、当面はこの形で診療していきますのでよろしくお願いいたします。
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コロナ禍のご時世ですが、ありがたいことに多くの患者様にご来院いただいております。
スタッフ一同、気を引き締めて感染対策はもとより、診療レベルの向上に努めております。
今後ともよろしくお願いいたします。
さて、本日のテーマです。「上の前歯のフェルール」(フェルールエフェクトについては、過去のブログを検索ください。)
本来なら、全周囲にフェルールが1.5mmあるのが理想ですが、歯牙によって、ここだけは無視できない部分のフェルールというのがあります。
場合によっては、そこがあれば他は妥協することも選択肢の一つということです。
上の前歯では、それは上あご側のフェルールです。図1
本来側方力に抵抗することが目的のフェルール。
前歯においては、かみ合わせが下からの突き上げと考えると、この部分が最も側方力がかかるところです。
最低でもこの部分のフェルールは欲しいところです。
また他の歯種でも全周必要とはいえ、一部分の欠損すら妥協できないかというと、側方力に残存歯質が耐えられるくらいの欠損なら無視して、連続したフェルールと考えてもいいかもしれません。
いずれにしても、個人差を考慮して、術者と患者様が話し合って決定していくものなのです。
あまりに久しぶりなのでイラスト作成ソフトがうまく動かず、大変時間がかかってしまいました。お待たせして申し訳ございませんでした。
]]>当初の緊急事態宣言の期日である5月7日再開を目標に、院内の感染対策及び体制を準備した参りました。
しかし、緊急事態宣言延長を受け、再開にあたり検討を続けてまいりました。
今まで、基本的には歯周治療、根の治療以外の治療は先送りしていました。
しかし、かぶせるたり詰めたりの治療を行わないことによっての機能障害をいつまでも放置しておくわけにはいきません。
さらに、感染予防、重症化対策において口腔ケアの重要性が言われていることを受け、順次通常診療に戻していくこととしました。
ただし、来院そのものが感染リスクであることは変わらないので、来院は患者様にお任せいたします。
院内の感染対策の徹底は当然でありますが、診療中は、マスク、帽子、フェイスシールドを着用します。
待合室の濃厚接触を避けるため、座席は離れて座ってください。
また、来院時は最少人数でお越しいただき、場合によっては車の中でお待ちいただくことも考えています。
診療予定時間を遵守します。
予約外の急患は場合によってはお受けできないことがあります。ご了承ください。
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この部分の初めの治療は、今後の歯の寿命に大きくかかわると考えています。
今回は、その治療法のまとめです。
歯の間は、磨きにくく虫歯になりやすい部位です。
この部位が虫歯になると、通常は2級インレーになります。
虫歯は小さいのに、なぜこのように大きく歯を削らないといけないのか?
それは、型を取らないと作れないのでなるべく滑らかな形にしなくてはならない。作ったものが壊れにく外れにくい形にしなくてはならない。からです。
一方、ダイレクトボンディングでは、その場で形を作っていくので削る量は最小です。
比べてみるとその差は歴然です。
しかし、隣り合わせの部位はただでさえ見にくいところです。その中で、ぴったり形を合わせるのは非常に困難です。
この部分の適合が悪ければさらに磨きにくくなってしまい、虫歯のリスクはさらに高くなってしまいます。
当院では、マイクロスコープを用いて十分な時間をかけて治療することで適合を確保しています。
さらに、ダイレクトボンディングであれば、歯の色に合わせること全く自然に修復することができます。
また、もう一つの方法としてCRインレーという方法もあります。
この方法は、ある程度歯の色で入れることは可能ですが、歯を削る量は金属のインレーよりさらに増えてしまう欠点があります。
金属よりも物性が劣る樹脂で作るので、割れやすい歯の間の部分の厚みを増やす必要があるからです。
少しわかりにくいですが、これがCRインレーの形成、赤の部分がさらに削った部分です。
また、金属インレーより適合が悪いのも欠点といえましょう。
以上の理由から、当院ではCRインレーはおすすめしていません。
歯は削ってしまったら絶対に戻ってきません。
どんなに高価な修復物も、自分の歯には勝てないのです。
なるべく削らない治療法を選択するのが、予後良好な未来につながっていると考えています。
]]>そのためつめる治療の限界を超えて治療を行っても、セメントが破壊され再び虫歯になってしまいます。
本日は、そんな適応限界のお話。
歯の虫歯がくぼみの部分のみの場合かなりの荷重に耐えられます。?
隣り合わせの部分が虫歯になると、治療のためにどうしても歯の取り囲む部分(辺縁隆線)を切断しなくてはなりません。
ここを切断すると歯はかみ合わせの力によって変形しやすくなります。
変形のしやすさは残った歯の部分の厚みに依存するので、それによって修復物の形が変わります。
歯のかみ合わせの山の部分の頂点を結んだ線の三分の一までであれば十分力に耐えられるといえるのでつめる治療で大丈夫です。
当院では。歯に接着するレジンセメントで装着するか、ダイレクトボンディングであれば、この線の二分の一までも適応と考えています。
しかし、これ以上の大きさで歯がなくなっている場合はもはやつめる治療では不十分で、かぶせる治療で補強しなくてはならないと考えています。
この数字は、個々の歯の柔らかさ、使用しているレジンの接着強さ等の違いで一概には言えない物の当医院では原則と考えています。
しかし、患者様の考え方を価値観はまちまちですので、原則を超えたチャレンジも時として承っています。
治療時には必ず説明をしますのでご意見いただければ幸いです。
しかしながら根の治療で触れるのは、歯の中の神経が入っていた部分だけです。
この部分を清掃して、体の治癒力によって浄化された場合は根の先の病気も治ります。
しかし、80%くらいの人に見られる神経の枝分かれで、清掃できない部分の腐敗物によって治癒しなかったり、根の外まで及んだ感染物が歯石のように固くなっていたり、根の先が破折していたりした場合は治癒しません。
また、根の先が非常に広い場合も治癒しにくいといわれています。
その場合、次に適応になるのが「歯根端切除術」です。
この方法で、問題になっている部分を外から外科的に摘出し、さらに根の先から3mm程度の清掃を外から行いその部分の閉鎖をします。
当院では、この術式をマイクロスコープ下で行っています。
以前は、拡大鏡(7倍ルーペ)下で行っていました。
しかしながら、やはりマイクロスコープの強拡大下での仕事とはレベルが違います。
その恩恵によって、根を先の方から破折線や腐敗物を確認しながら除去しています。
そのために歯根端切除術の成功率は飛躍的に上がりました。
しかし、根の長さが短くなってしまうのは喜ばしいことではありません。
あくまでも根の治療が奏効しなかった場合の次の手段です。
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また、歯周病の手当てが遅れた場合も歯の移動によってさまざまな変化が起きてきます。
本日はそんな話。
歯は、隣に歯があり舌と頬があってかみ合わせがあるのでその位置に定着しています。
逆に言えば、そのどれかがなくなった場合、その方向に簡単に移動してしまいます。
さらに移動した歯の隣の歯は、寄り添う歯がなくなりその方向に倒れていきます。
これは、歯を抜いた時に限らず、歯周病で歯が移動したときにも当てはまります。
図に書くと下図の様になります。
青丸の空間に向けて他の歯が倒れこんでいます。
それによって、向かい合わせの歯のかみ合わせも変化し移動が生じています。
なくなってしまった歯を補うのは、単にかむという行為のためでなく、口に中が変化するのを防ぐ意味合いがあるのです。
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熱いお湯の中に手を入れる場合、人によってその限界温度が違うように疼痛閾値には個人差があります。
また、その人の状態によっても違ってきます。
通常なら痛みを感じないような刺激でも、痛みに感じてしまう状態。
歯に当てはめるなら、痛みで神経が興奮した状態の場合、少しの痛みでも閾値を超えてしまい痛みに感じることはよく有ります。
また、歯牙の状態では、強いかみ合わせ力で歯にひびがはいり閾値が下がる可能性があります。
この場合、閾値が上がれば治療が必要なくなる場合があります。
また、力によって歯を支える歯周組織の閾値が下がり、通常のかみ合わせ力でも痛みに感じてしまう場合もあります。
我々は痛みを電気信号によって脳で認識しています。
そのため、体調によって閾値は変化します。
ヨガの達人が精神修行によって火の上を素足で歩けるのもこのためです。
この様な様々な要因によって変化するのが痛みの閾値です。
それでは閾値が下がっている状態の患者さんをどうすればいいのでしょうか?
閾値が下がる原因が明らかならばそれを治療するのは当然です。
しかし歯科疾患は複合疾患なので、多くの場合複数の要因が関与しています。
そのためこういう状況にある時は、誤診につながりやすい状態といえます。
その場合は、侵襲の小さい予防処置から徐々に始めるのがセオリーであると考えています。
歯科治療の多くは外科処置のため、一度始めると元には戻らないからです。
自信を持って石橋をたたき、時には渡らず回り道をする勇気も必要なのです。
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