6月の日本顎咬合学会、9月の国際歯科大会とリアル参加の学会に久々に参加し本日の記念講演に参加しました。
コロナ禍のため本学会も約3年間リアル開催ができず、久々の開催になります。
会場を東京医科歯科大学のMDホールから、市ヶ谷カンファレンスセンターに移しての開催になりました。
今回は私一人の参加になりましたが、やはりJCPGはスタッフと参加するものだなと感じ、来年はぜひともスタッフと参加しようと考えています。
]]>そのため、金の含有量が70%以下だと酸化してしまうと言われています。
ところで、人間は85%以上の確率でストレスから歯ぎしりをしているとの報告があります。
歯ぎしりをしている時、その噛む力は通常食事で発揮される力の6倍との報告から、この様な力があごに伝わると下あごの骨の変形を引き起こします。これは、我々が修復物をセットする時に赤いカーボン紙を噛んでもらって調整する位置と違った位置があたることを意味しています。
これに対応するために当院では、金にプラチナを添加し歯牙と硬さがほぼ等しい白金加金冠を応用し、噛み合わせ表面をマットフィニッシュ(磨りガラス状)に仕上げ、それで修復することで対処しています。
つまり、歯ぎしりによって変化した噛み合わせの位置をマットフィニッシュした面で受けることでその部分をピカピカに輝かせ、これによって強くあたる位置を判断し調整するようにしています。画像の赤い丸印の部分が歯ぎしりによって輝いた部分です。(これはカーボン紙の赤いマークではありません)歯ぎしりによって変異したあごの噛みあわせを評価する方法は、この方法しか無いと思うからです。
ちなみに、保険の金属は金の含有量が12%と決められていますのでこの方法は使えません。この金属でマットフィニッシュにすると、すぐに酸化が進んで真っ黒になり何も分からなくなるからです。
しかしながら、白金加金冠にも弱点があります。それは金属が溶ける温度が低く表面にセラミックを使うことが出来ないことです。やむを得ず表面の白い部分は樹脂になります。これは着色や変色の面からディメリットと言わざるを得ません。また、審美的側面からも色表現の面からも不利な要素です。
ちなみに、私自身は自分の歯をこのメリットをよしとして、この金属を使って修復しています。
かぶせる治療の時には説明しますので、ご検討いただきたいと考えています。
]]>昨年、春に受講したコースのフォローアップコースです。
当院のように、マイクロスコープを多用していても、直視に頼る部位はあるものです。
見えているようで、実は見えていない。それをあぶりだしてくれるのがこのコースの素晴らしいところです。
今回も新たな発見に満ちていました。
本日からすぐに実践できる技術です。
さらにステップアップしていきたいと思います。
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理事長の小林剛志です。
ブログ更新をしばらくお休みしていて申し訳ありません。
2022年年頭にあたり、再びこのブログの必要性を認識して再開するに至りました。
今後とも、よろしくお願いいたします。
さて、さっそくではありますが、ご報告があります。
当院は、働き方改革に沿ってスタッフの労働時間適正化のため週休2.5日制に移行します。早速、1月下旬から施行いたします。それに伴い1週間に一度午後休診になります。
患者さんにはご不便をおかけしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
当面は、試行という形で考えていますが、当面はこの形で診療していきますのでよろしくお願いいたします。
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コロナ禍のご時世ですが、ありがたいことに多くの患者様にご来院いただいております。
スタッフ一同、気を引き締めて感染対策はもとより、診療レベルの向上に努めております。
今後ともよろしくお願いいたします。
さて、本日のテーマです。「上の前歯のフェルール」(フェルールエフェクトについては、過去のブログを検索ください。)
本来なら、全周囲にフェルールが1.5mmあるのが理想ですが、歯牙によって、ここだけは無視できない部分のフェルールというのがあります。
場合によっては、そこがあれば他は妥協することも選択肢の一つということです。
上の前歯では、それは上あご側のフェルールです。図1
本来側方力に抵抗することが目的のフェルール。
前歯においては、かみ合わせが下からの突き上げと考えると、この部分が最も側方力がかかるところです。
最低でもこの部分のフェルールは欲しいところです。
また他の歯種でも全周必要とはいえ、一部分の欠損すら妥協できないかというと、側方力に残存歯質が耐えられるくらいの欠損なら無視して、連続したフェルールと考えてもいいかもしれません。
いずれにしても、個人差を考慮して、術者と患者様が話し合って決定していくものなのです。
あまりに久しぶりなのでイラスト作成ソフトがうまく動かず、大変時間がかかってしまいました。お待たせして申し訳ございませんでした。
]]>当初の緊急事態宣言の期日である5月7日再開を目標に、院内の感染対策及び体制を準備した参りました。
しかし、緊急事態宣言延長を受け、再開にあたり検討を続けてまいりました。
今まで、基本的には歯周治療、根の治療以外の治療は先送りしていました。
しかし、かぶせるたり詰めたりの治療を行わないことによっての機能障害をいつまでも放置しておくわけにはいきません。
さらに、感染予防、重症化対策において口腔ケアの重要性が言われていることを受け、順次通常診療に戻していくこととしました。
ただし、来院そのものが感染リスクであることは変わらないので、来院は患者様にお任せいたします。
院内の感染対策の徹底は当然でありますが、診療中は、マスク、帽子、フェイスシールドを着用します。
待合室の濃厚接触を避けるため、座席は離れて座ってください。
また、来院時は最少人数でお越しいただき、場合によっては車の中でお待ちいただくことも考えています。
診療予定時間を遵守します。
予約外の急患は場合によってはお受けできないことがあります。ご了承ください。
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この部分の初めの治療は、今後の歯の寿命に大きくかかわると考えています。
今回は、その治療法のまとめです。
歯の間は、磨きにくく虫歯になりやすい部位です。
この部位が虫歯になると、通常は2級インレーになります。
虫歯は小さいのに、なぜこのように大きく歯を削らないといけないのか?
それは、型を取らないと作れないのでなるべく滑らかな形にしなくてはならない。作ったものが壊れにく外れにくい形にしなくてはならない。からです。
一方、ダイレクトボンディングでは、その場で形を作っていくので削る量は最小です。
比べてみるとその差は歴然です。
しかし、隣り合わせの部位はただでさえ見にくいところです。その中で、ぴったり形を合わせるのは非常に困難です。
この部分の適合が悪ければさらに磨きにくくなってしまい、虫歯のリスクはさらに高くなってしまいます。
当院では、マイクロスコープを用いて十分な時間をかけて治療することで適合を確保しています。
さらに、ダイレクトボンディングであれば、歯の色に合わせること全く自然に修復することができます。
また、もう一つの方法としてCRインレーという方法もあります。
この方法は、ある程度歯の色で入れることは可能ですが、歯を削る量は金属のインレーよりさらに増えてしまう欠点があります。
金属よりも物性が劣る樹脂で作るので、割れやすい歯の間の部分の厚みを増やす必要があるからです。
少しわかりにくいですが、これがCRインレーの形成、赤の部分がさらに削った部分です。
また、金属インレーより適合が悪いのも欠点といえましょう。
以上の理由から、当院ではCRインレーはおすすめしていません。
歯は削ってしまったら絶対に戻ってきません。
どんなに高価な修復物も、自分の歯には勝てないのです。
なるべく削らない治療法を選択するのが、予後良好な未来につながっていると考えています。
]]>そのためつめる治療の限界を超えて治療を行っても、セメントが破壊され再び虫歯になってしまいます。
本日は、そんな適応限界のお話。
歯の虫歯がくぼみの部分のみの場合かなりの荷重に耐えられます。?
隣り合わせの部分が虫歯になると、治療のためにどうしても歯の取り囲む部分(辺縁隆線)を切断しなくてはなりません。
ここを切断すると歯はかみ合わせの力によって変形しやすくなります。
変形のしやすさは残った歯の部分の厚みに依存するので、それによって修復物の形が変わります。
歯のかみ合わせの山の部分の頂点を結んだ線の三分の一までであれば十分力に耐えられるといえるのでつめる治療で大丈夫です。
当院では。歯に接着するレジンセメントで装着するか、ダイレクトボンディングであれば、この線の二分の一までも適応と考えています。
しかし、これ以上の大きさで歯がなくなっている場合はもはやつめる治療では不十分で、かぶせる治療で補強しなくてはならないと考えています。
この数字は、個々の歯の柔らかさ、使用しているレジンの接着強さ等の違いで一概には言えない物の当医院では原則と考えています。
しかし、患者様の考え方を価値観はまちまちですので、原則を超えたチャレンジも時として承っています。
治療時には必ず説明をしますのでご意見いただければ幸いです。
しかしながら根の治療で触れるのは、歯の中の神経が入っていた部分だけです。
この部分を清掃して、体の治癒力によって浄化された場合は根の先の病気も治ります。
しかし、80%くらいの人に見られる神経の枝分かれで、清掃できない部分の腐敗物によって治癒しなかったり、根の外まで及んだ感染物が歯石のように固くなっていたり、根の先が破折していたりした場合は治癒しません。
また、根の先が非常に広い場合も治癒しにくいといわれています。
その場合、次に適応になるのが「歯根端切除術」です。
この方法で、問題になっている部分を外から外科的に摘出し、さらに根の先から3mm程度の清掃を外から行いその部分の閉鎖をします。
当院では、この術式をマイクロスコープ下で行っています。
以前は、拡大鏡(7倍ルーペ)下で行っていました。
しかしながら、やはりマイクロスコープの強拡大下での仕事とはレベルが違います。
その恩恵によって、根を先の方から破折線や腐敗物を確認しながら除去しています。
そのために歯根端切除術の成功率は飛躍的に上がりました。
しかし、根の長さが短くなってしまうのは喜ばしいことではありません。
あくまでも根の治療が奏効しなかった場合の次の手段です。
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また、歯周病の手当てが遅れた場合も歯の移動によってさまざまな変化が起きてきます。
本日はそんな話。
歯は、隣に歯があり舌と頬があってかみ合わせがあるのでその位置に定着しています。
逆に言えば、そのどれかがなくなった場合、その方向に簡単に移動してしまいます。
さらに移動した歯の隣の歯は、寄り添う歯がなくなりその方向に倒れていきます。
これは、歯を抜いた時に限らず、歯周病で歯が移動したときにも当てはまります。
図に書くと下図の様になります。
青丸の空間に向けて他の歯が倒れこんでいます。
それによって、向かい合わせの歯のかみ合わせも変化し移動が生じています。
なくなってしまった歯を補うのは、単にかむという行為のためでなく、口に中が変化するのを防ぐ意味合いがあるのです。
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熱いお湯の中に手を入れる場合、人によってその限界温度が違うように疼痛閾値には個人差があります。
また、その人の状態によっても違ってきます。
通常なら痛みを感じないような刺激でも、痛みに感じてしまう状態。
歯に当てはめるなら、痛みで神経が興奮した状態の場合、少しの痛みでも閾値を超えてしまい痛みに感じることはよく有ります。
また、歯牙の状態では、強いかみ合わせ力で歯にひびがはいり閾値が下がる可能性があります。
この場合、閾値が上がれば治療が必要なくなる場合があります。
また、力によって歯を支える歯周組織の閾値が下がり、通常のかみ合わせ力でも痛みに感じてしまう場合もあります。
我々は痛みを電気信号によって脳で認識しています。
そのため、体調によって閾値は変化します。
ヨガの達人が精神修行によって火の上を素足で歩けるのもこのためです。
この様な様々な要因によって変化するのが痛みの閾値です。
それでは閾値が下がっている状態の患者さんをどうすればいいのでしょうか?
閾値が下がる原因が明らかならばそれを治療するのは当然です。
しかし歯科疾患は複合疾患なので、多くの場合複数の要因が関与しています。
そのためこういう状況にある時は、誤診につながりやすい状態といえます。
その場合は、侵襲の小さい予防処置から徐々に始めるのがセオリーであると考えています。
歯科治療の多くは外科処置のため、一度始めると元には戻らないからです。
自信を持って石橋をたたき、時には渡らず回り道をする勇気も必要なのです。
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?旧義歯がある場合
旧義歯があればある程度の参考になり、また、それを利用して正しいあごの関係を導き出すことも出来ます。
この場合は、旧義歯を修理してかみ合わせを整えます。
安定したら、精密な型を取ります。歯がある場合と違うのは柔らかさが違う軟組織の型を取ることです。
この場合、入れ歯が入って力がかかった時の組織の型を取らなければなりません。
一発勝負でとれるモノではないので、数回かかる場合があります。
次に、旧義歯によって整えられた上あごと下あごの位置関係を記録します。
それによって、歯を作る時に使う咬合器にあごの動きを再現します。
更に横に動く限界の位置を決めるため、動いた時のかみ合わせを取ります。
これでやっと人工歯を並べる準備が出来たので、ロウに歯を並べて試適します。
位置に狂いがなかったら、それを硬い樹脂に換えて完成になります。
ただ、樹脂に換える時の誤差、様々な材料の収縮や膨張があるので口の中で微調整が必要です。
それを乗り越えて、あたりがなくなった時、総義歯の完成になります。
?旧義歯が無い場合、あるいは多くの歯を抜歯して一気に総義歯になった場合
参考になるモノがない場合は、精密な型を取った後、あごの位置を様々な検査の上で決めていかなければなりません。
当院では顔貌や唇の厚みでまずかみ合わせの高さを決定します。
更に、左右、前方運動および習慣的なかみ合わせ運動を行うことによって、あごの位置の中心を決定します。
それからは、旧義歯がある場合と同じように作製し、完成になります。
一通りの手順は以上になりなすが、各工程でダブルチェックを行うので、狂いが有ったらその時点に戻ってやり直しになります。
ご承知の通り歯科医院で一通りの治療が終わり、その状態を維持出来ているのか確認するために行うのが定期検診です。
本日はそのとき私たちが何を見ているのかを解説したいと思います。
?つめたりかぶせたりした部分の歯の境目とのチェック
金属や樹脂、セラミックと歯の加重に対する変形率や熱膨張率は違います。その誤差をセメントが支えています。
経年的な劣化も当然あることです。
界面が離れて虫歯が再発していないかチェックします。
?かみ合わせのバランスをチェック
歯と歯が一日何百回もすれていれば当然減ってきます。
ところが、どの歯でもエナメル質の厚みは一定ではありません。これが薄ければ早期に内側の象牙質が出て減りが早まるでしょう。
つめたりかぶせたりした部位も、硬さは違うモノです。
それぞれにかかるかみ合わせ力のバランスをチェックします。
それによって歯周組織に影響を及ぼしたりしている部分も確認します。
たとえば大きく平面状にあたって、側方力が大きくなっているところを適切なあたりに修正したりします。
?歯周病のチェック
歯周病は残念ながら治癒することがありません。歯周病菌も常在菌なので駆除することは出来ません。
病状が落ち着きやすい状態に整えて安定した状態を維持しているかをチェックします。
また、歯周病は年齢が上がるだけでリスクがあがる病気です。
今のケアで釣り合いがとれている場合は再発しませんが、再度炎症が起きている部位には追加のケアが必要になります。
そういう部分もチェックします。
また、??で説明した事項も、歯周病と密接に関わってくる事項です。
治療が終わったら何も起きないのが当たり前と考える患者さんが多いと思いますが、機能している歯が変化しないわけがなく、その変化が生理的な範囲なのかをチェックするのが定期検診なのです。
]]>インプラントに限らず治療全般は、治療行為に移るまでの計画段階でいかに煮詰めるかが大切であると考えます。
手術日当日は、入室後約1時間をかけて口腔内の清掃を行い、お手洗いを済ませて手術室へ移動します。
滅菌された布で患部以外を防御し、各種モニターをつけて手技に移ります。
埋入部を露出したら、手術用のマウスピースを参考に。よく切れるドリルで段階的に穴を広げていきます。
予定の規格に合致した大きさに形成後、インプラントを規定トルク内で埋入。
オステルで安定度を計測、問題が無ければ緊密に縫合します。
術後約1週間から10日後、糸を取ります。
状態によりますが数ヶ月後、今度は上に歯を作る準備のための手術を行います。
これは、歯肉を整形し、インプラントに歯肉が治りやすくする部品をつなぐ手術になります。歯肉の厚みが足りない場合は、このとき歯肉の移植術を行う場合もあります。
1〜2週間後抜糸します。
歯肉の治癒を待って、今度は歯へスムーズ移行する形態に歯肉の形を変えるプロビジョナルレストレーション(仮歯)を入れます。
この段階でかみ合わせに問題が無ければいよいよファイナルを入れて治療終了になります。
CDRI6月例会でした。
本日のテーマは「睡眠時無呼吸症候群」日本大学の外木守雄教授にお願いいたしました。
私の知識では、治療法はマウスピースによる下あごの位置の改善か、CPAの圧力による気道回復のみでした。
しかし、日大では手術であごの大きさを変え舌の位置を変えたり、舌骨上筋群をけん引したりする手術を積極的に取り入れているとのことでした。
しかもその症例数は年間500症例余りというので驚きです。
実際手術はかなりハードルか高いと思われますが、しっかりした知識をもって患者さんの対応に当たりたいと思いました。
]]>9日10日両日とも、日本顎咬合学会総会に出席していました。
例年通りの盛況で、最新のトピックや伝統的な手技の講演など例年通りバラエティーにとんだ学会でした。
10日は午前中で学会会場を後にして、歯科用内視鏡のセミナーに参加してきました。
今回は歯周治療に限定した歯科用内視鏡の応用セミナーでした。
歯周治療にとって、ポケット内の汚れや歯石を取り除くことが最も重要です。
今までは手探りで行うか、手術で歯肉をめくって直視下で行ってきました。
しかし、手探りでは取り残しが手術では侵襲が問題でした。
そこで、今回内視鏡で確認しながら行う器具が登場したわけです。
左が内視鏡本体です。
そのレンズサイズはわずか0.5?。
右側のモニターと洗浄用のコンプレッサーでポケット内を洗浄しながら確認できます。
使用感や画像にはまだ改善の余地がありそうですが、新しい考え方に触れた午後でした。
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歯が虫歯になるのは、細菌が産生する酸によって溶ける歯質と、主に唾液によって歯の成分が戻ってくる再石灰化の量の差によるものです。
(詳しくは予防の項目を確認してください。)
フッ素はこの再石灰化を3倍促進させるものです。
正しい使い方を続けて、有効に使用してください。
フッ化物の応用は、通常歯磨き粉に入っているフッ化物によってなされます。
多くはフッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムとして添加されています。
またはフッ素溶液ジェルやフッ素洗口剤としても応用されています。
私の私見で言わせていただければ、日常生活習慣に入り込みやすい歯磨き製剤での応用がベストではないかと考えています。
使用法ですが、最も好ましい使用法は、低濃度フッ素製剤を頻回に取ることです。
よく歯科医院でフッ素塗布を受けるため(基本的には自費診療になるのですが…)来院される患者様がおられます。
また、歯科医師会でおこなわれるイベントに、長い時間並ぶ家族連れもいらっしゃいます。
しかし、基本的に期待される効果は、歯磨き粉に入っているフッ素と何ら変わるモノではありません。
その使用方法は、歯ブラシの端から端まで歯磨き粉をつけ、しっかり歯垢を取るように隅々まで磨き、大さじ一杯程度の水で一回だけ、5秒くらいかけてうがいをし、以降飲食をしないことです。
フッ素添加濃度は、日本でも1500ppm未満まで添加できるようになったので、6歳以上はそれを、6歳未満では今まで通り1000ppm未満のモノを使うことになっています。
理由は、フッ素の投与によって班状歯の発生が増加する危険性があるのでということです。
フッ化物を水道水に添加している米国などで頻発し、そのため審美歯科が発展したという皮肉な出来事が過去にありました。
いずれにしても、フッ素の抗う蝕効果は十分期待して良いと思いますので、積極的に応用する事をおすすめいたします。
CDRI5月例会でした。
今回は、3回目のご登壇になる、川崎市ご開業の日高豊彦先生に「インプラントにおける骨造成」についてお話しいただきました。
日高先生には、グローバルプログラムでも大変お世話になっております。
ご講演は、先生が歩まれて来た40年間の臨床の中で、骨造成の変遷及び、現在の考え方をお話しいただきました。
当院での臨床とかなり重なることもあり、非常に共感しました。
骨造成は、手術侵襲も大きくなるのでできればせずに済ませたい手技ですが、術後のケアや年月が経った後のことを考えると避けて通れないものの一つです。
現在の考え方に共通するものですが、なるべく侵襲を少なくしながら成果を出したいと考えています。
]]>明日から、ゴールデンウィーク後半戦です。
天候は微妙ですが…。
ゆっくり、じっくりはたまた活動的に休暇を過ごしたいと思います。
7日月曜日にまたお会いしたしましょう。
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確かに出演していたアナウンサーさんは、イカ墨食べた後なのにすっかりきれいになっている画像が流れていました。
しかしこれは、普段のブラッシングが十分上手な人だけです。
実際、歯科医院で普通に歯垢がついている人の口腔内を清掃するのに、どのくらい時間がかかるか。
回転器具で直に確認しながら行って、30分はかかります。
歯垢は、清掃しにくいところに残るもの。
大きな食べかすなら別ですが、歯垢がうがいで取れることはありません。
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しかし、神経に炎症が波及しても、神経すべての部位で細菌が広がり、炎症が起こり神経が死んでしまうわけではありません。
神経にも炎症に対する抵抗力があり、それ以下の炎症ならば生き抜くことも十分考えられます。
つまり、回復が望めない部位のみ神経を取り除き、それ以下の神経は回復を期待して残すという考え方です。
そこで、最近当院ではマイクロスコープを駆使し、神経の切断面と出血の状態を観察することによって神経の状態を観察し、生き残ると思われる部分から先の神経を残すことを行っています。
我々が大学で教育を受けたのは30年以上前です。
この時の教育では、感染した歯質を除去しているときに神経が露出したら、神経自体に細菌が感染しているので神経をとると教わりました。
この考え方は今でも中心的な考えとして残っています。
ただ知識のアップデートを重ねて、様々な臨床報告を勘案してみると残せる場合もかなりあることがわかりました。
これはいうなればチャレンジなのかもしれませんが、取ってしまったらゼロになってしまうのであれば、説明して同意が得られるならばやってみるべきと考えます。
ただ、炎症に対する抵抗力や治癒能力はどんな検査や診査を併用してもクリアにはできない課題です。
慎重に努力をしても、抵抗力が細菌に負けて神経が死んでしまうことも考えられます。
その場合は、従来通り神経の治療を行うことになります。
この方法は従来から生活歯髄切断法という名称で行われてきました。
ただ、適応の多くは神経の生命力が高い小児期に限って行われてきました。
今回の応用は、あくまでも成人であり、神経の周りまでう蝕による歯の軟化が起きているものを指します。
従来法では水酸化カルシウムが用いられてきました。
これを用いた場合、その効果で神経の器に石灰化が進み神経が非常に細くなる問題点が言われてきました。
この場合でも神経は生き続けるのですが、本来の知覚を残るかどうか疑問が残ります。
そこで、当院では以前から特殊なケースの根管充填で用いてきたMTAを応用しています。
MTAを用いた場合、水酸化カルシウムを用いた場合と同じように、切断面に歯の堅い壁を作りさらに神経の器は細くならない特徴があります。
残念ながらこの方法は保険適応ではありませんが、後戻りのできない「取り除く」という治療を回避できる可能性があります。
治療前にぜひとも考えていただきたいオプションなのです。
]]>それはペインコントロール。
神経痛や神経麻痺を治すことです。
本日は歯科領域に比較的合併しやすい抜歯後の知覚異常についてのお話です。
現代人はあごの大きさが小さくなってきている関係から、親知らず(特に下あごの)がきちんとした方向に出れず埋伏する方が多くいます。
この様に横になって埋伏いている状態の方も非常に多くいらっしゃいます。
この歯を抜く場合、あごの骨の隙間から歯を出さないといけないため、歯を割ったり、根を分割したり、骨を削ったりしないと取り出すことはできません。
歯は抜けないようにしっかり生えているので、抜くということは歯の周りに微小な骨折を起こして抜けるわけです。
そのため、歯の周りには炎症が起き、そのため微小循環に充血が起き血行不良になります。
これによって、足がしびれたような状態になり、神経の知覚麻痺が発症することがあります。
下の親知らずの近くの下歯槽神経の知覚は非常に鋭敏なので、この麻痺はかなり気になるものです。
また足のしびれと同じように、全く感じない状態から、触るとビリビリした状態になる知覚異常の段階のどの段階にもなります。
このビリビリ感の時期は、全く感じない状態より知覚が回復いている状態ですが、この時期の方が不快感は多いです。
治療には、ビタミン療法、神経賦活剤の投与や星状神経節ブロック注射等が行われます。
治療に対しての反応は比較的緩慢で、治療には長期間かかる傾向にあります。
場合によっては、年単位でかかることもありまます。
たとえ大学病院で抜歯したとしてもマヒになるときはなりますが、患者さんにとっては負担になってしまう合併症です。
当院では、知覚異常が起こった場合は医科の麻酔科専門医に紹介しています。
]]>心配していた交通機関の混乱も少なく、診療後大阪へ出発しました。
グローバルプログラムに出席するためです。
今回、会場はリニューアルされた主催者の佐藤デンタルオフィスで行われました。
吹き抜けの圧巻な開放的な歯科医院でした。
今回のテーマは、支台歯形成とダイレクトボンディングでSJCDの瀬戸延泰先生、高橋登先生の登壇でした。
臨床に直結する今回のセミナー、すぐに応用したいと考えています。
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日本橋の会場が素晴らしく、スライドが物凄く見やすい画面でした。
本会はJCPGの衛生士教育プログラムで年数回企画されています。
歯周治療の主役である衛生士さんのステップアップを図るためのものです。
今回のテーマは「咬合」だったので、内容は難しかったようですが、今後の診療に行かされるものでした。
歯周治療の複雑さは、単純にプラークコントロールだけにあらず、生活習慣や咬合力まで関係する複合性疾患であることです。
何よりも大切なのは患者さんの協力がないと改善しないところです。
スタッフの知識の深さもそれに一役買うものなのです。
本年から、マイクロスコープでの診療のもう一つの特徴である「診療の見える化」にも取り組もうと思っています。
本来なら動画で提示すれば一目瞭然ですが、容量が大きくなりすぎる可能性があるためブログでは静止画で提示したいと思います。
根の治療は神経の入っている管の中を完全に掃除し、細菌の増殖因子をなくする治療です。
今までのルーペの治療では、視覚的に見てそれを判断することができませんでした。
しかし、マイクロスコープを用いればしっかり確認しながら治療を終わることができます。
下の画像は、治療途中の画像です。白い肉のような腐敗物が残っています。
それに対して、様々な特殊な器具や洗浄器具によって清掃が終わった状態が下の画像です。
その違いは一目瞭然ではないでしょうか?
この歯は、東洋人に非常に多いトヨ状根の比較的根管治療が難しい根管形態でした。
しかし、マイクロスコープ下で確認しながら行えば高いレベルで治療を終了することが可能です。
今年は、徐々に診療の見える化に取り組んでいこうと思っています。
本年も当院をよろしくお願いいたします。
]]>CDRI11月例会でした。
今回は東京都開業の相田能輝先生に「病巣疾患」についてご講演いただきました。
病巣疾患とは、「どこかに炎症があってその部位では大した症状は出さずに遠隔の臓器に大きな影響を及ぼす疾患」のことです。
原発の疾患には、扁桃病巣性疾患、歯性感染性疾患、慢性上咽頭疾患があるそうです。
この原病巣によって、皮膚疾患、リュウマチ、糖尿病、IgA腎症などが引き起こされるそうです。
実をいうと私自身も、長年手のひらが荒れる掌蹠膿疱症に悩まされていました。
実際皮膚科に行っても、ステロイド剤の軟膏を処方されるだけで、症状は繰り返しでした。
相田先生によると、様々な元凶は上咽頭の炎症に起因することが多く、その部分のケアを試して緩解した多くの症例があるそうです。
全く知らなかった分野、私の症状がどう変わるか試しながら必要があれば患者さんに話してみる必要性を感じました。
]]>前回同様、大阪の牛窪先生の診療室で2日間みっちり根の治療を習ってきました。
特に、外科的に解決する方法は新たな気付きもあり、本日からの診療に直結する内容。
大変参考になりました。
]]>4時起きで参加してきました。
インプラントに関する考え方はここ数年でまた様変わりしています。
どんな治療法でもそうですが、日々アップデートしていかないと最良の成果は望めないと感じています。
また、そのアップデートを怠ると共通の会話さえできないと考えています。
トピックスに飛びつくのではなく、冷静に考えるためにも知識のアップデートが最重要と思います。
今回もいくつものトピックスの収穫がありました。
熟考して知識を深めるかどうするか考えてみたいと思っています。
]]>今回のテーマは「MTAについて」でした。
当院でも導入しているMTA。
最初に発売されたPro root MTAを当院では使用していますが、最近日本でも7種類のMTA(バイオセラミック)が手に入るようになりました。
それぞれの特徴を理解するために本学会に参加することにしたのです。
それそれの違いを理解することができたのにとどまらず、新たな思いに駆られました。
それは本来の歯科医師の指名「歯牙を残す、神経を残す、歯質を残す」です。
その為に、やはりMTAは素晴らしい力になってくれるようです。
材料の価格がけた違いに高いものですが、患者さんに積極的にお話する価値は十分あると確信した一日でした。
]]>今回の休暇は外出する予定がないため、前からやってみたかった自家製ベーコンを作ってみました。
まず、塩漬け9日間冷蔵庫で行った後、塩抜きに2日間その後乾燥2日間行いました。
画像は乾燥過程に超便利なピチットシートで乾燥が済んだ様子です。
くるむだけで乾燥が済む夢のようなシート。
半信半疑でやってみましたが、これがビックリ!!
キッチンペーパーに水分がつかないくらいしっとり乾燥しました。
準備できたところで、燻製器にセットし今から1時間ほど温熱乾燥です。
いよいよ燻します。
レシピでは4時間、もう少しの辛抱です。
燻し終わり、これから一日冷蔵庫で寝かし味を落ち着かせます。
翌日完成しました。
さすがに手間がかかっているので、市販品とは比較にならないような味わい。
最高にスモーキーな一品に仕上がりました。
フレッシュ野菜とともにサンドイッチにして食べました。
そんな休日を過ごしています。
17日から通常診療いたしますのでよろしくお願いいたします。<(_ _)>
]]>
昨年にCDRI例会でもご講演いただいた、明海大学の横瀬敏志教授に再登壇いただき少人数の実りあるコースでした。
使用されたレーザーは、昨年末発売された最新型のもので、世界初の2種類のレーザーを搭載したものです。
本来市販されているレーザーは、その特性によってさまざまな波長に分かれています。
今回のレーザーは、表層に働きかける炭酸ガスレーザーと深部到達型の半導体レーザーを両方搭載したものです。
その実習付きのコースを、国内で初めて我々のスタディーグループで開催することができました。
今回は、横瀬教授の専門である根の治療根の応用を中心に、レーザーを使った殺菌方法や根の先を切る手術への応用など細かく実習できました。
さらに、高出力の炭素ガスレーザーを用いた使用法も実習することができました。
まだまだ導入に踏み切れませんが、ぜひ試用してその恩恵を肌で感じたいと思いました。
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以前説明した、「歯周病の治癒…」や「フェルールエフェクト」の項目も参考にしてほしいのですが、ブラックトライアングルとは、歯の間の歯肉(歯間乳頭)が下に下がってしまうことによって、外から口の中が見え歯の間が暗くなり黒いトライアングル状態になることです。
要は、笑ったときに歯の間が健康的なピンク色の歯肉でなく、黒い隙間になる現象です。
歯周病がある程度コントロールされると、腫れていた歯肉が引き締まり磨きやすくなる代わりにこのような見え方をしてしまいます。
また、フェルールエフェクトのため手術をした場合には、人為的に歯肉を下げるためやはりこの様になることがあります。
審美障害が出てしまった場合の対策ですが、大きく分けて2つあります。
一つは、手術で歯間乳頭歯肉を移植して増やす方法。ただこれは難易度が高く、予知性も高くありません。
もう一つは、両隣の歯の形を修正して黒い隙間をなくす方法。
これは当院でもよく行っているものです。
やり方は、その歯牙の状況によって様々ですので院長に気軽にご相談くださるようにお願いいたします。
特に根の治療で活躍しているカールツァイス・ピコモラーの特注カバーを本日装填しました。
以前からなぜにレンズのカールツァイスのレンズカバーがプラスティックなの?と疑問を持っていました。
ところが、メーカー純正品はこれしかなく、金属加工工場にお願いするしかないという現状。
もちろんそう考えていたのは私だけではないので、ほかの先生が特注した設計図通りに作っていただきました。
これがおなじみの旧カバーです。
レンズにはめ込んでいるだけなので、今まで患者さんの上に落ちたり、カバー自体の傷のため見にくかったり散々でした。
そしてこれが、山城製作所製専用レンズカバーです。
カメラ用のレンズカバーユニットをワンタッチで取り付けられるので鮮明に見え、また、アルマイト仕上げになっているのでなっているので、オートクレーブ滅菌可能なのでとっけも衛生的です。
おまけに、形もすっきりスリムになって、各種操作つまみも操作しやすくなりました。
これからはカバーの落下を気にせずに存分にマイクロ画像に没頭したいと考えています。
乞うご期待です!(^^)!
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CDRI6月の例会でした。
今月は鶴見大学歯学部薬局長の斎藤義夫先生に、医薬品の医療過誤についてご講演いただきました。
私は大学時代、歯科麻酔学教室に属していた関係から、普通の歯科医師よりは薬のことには詳しいつもりになっていましたが、何にしても再確認とアップデートは欠かせないと感じました。
また、この頃の医科での新薬の開発はめまぐるしく、新たに学ばなくてはならない事項が非常に多いと思いました。
先生著書の書籍も手に入りましたので、早速アップデートとしたいと考えています。
]]>日本顎咬合学会学術大会に出席してきました。
この学会は多くの様々な分野の開業歯科医が出席するので、懐かしい顔に会えるのが楽しみの一つです。
今回も懐かしい顔に会えました。
学会内容も、今回はテーマを絞って集中的に聞いたので得るものが多くありました。
また、臨床と直結しているのも当学会の特徴なので、本日の臨床から生かしたいと思います。
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また、入れ歯の出し入れ方向が決まっていないと、出し入れのたびに側方力がかかってしまうので、残存歯の歯の形を変えて装着方向を規定します。(ガイドプレーン形成)
入れ歯の沈み込みを少なくするため、歯のかみ合わせ側にバネの入る部分を彫り込みます。(レストシート形成)
こうして準備が整ったら、入れ歯の型取りをします。
その後、かみ合わせの記録をとります。
このとき、かみ合わせがずれている場合は更に装置を作り、機能検査を行い本当のかみ合わせを探ります。
ろうで出来た仮の歯に人工歯を並べたもので見栄えを確認します。
良ければ堅い樹脂に置き換えます。
いよいよセットですが、一般的な型取りでは入れ歯の土手のある一瞬の形しかとれていないので噛むとあたってきます。
診療室でなるべく調整しますが、実際に食べる動きとは違うため必ずあたってきます。
がばっと削ると入れ歯が合わなくなってしまうので少しずつ何回も調整が必要になります。
これが部分入れ歯の制作手順です。
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すると、根の中の詰め物が見えてきます。
この古い根中の詰め物(多くはゴムや練り薬、まれに根の治療器具など)を取り、腐敗した残存物を取り除きます。
トンネルの開通や修正を行い、根の先まで長さを慎重に測り、清掃する長さを決定し、その位置まで清掃、拡大を行います。
清掃は、器具によって機械的にトンネルを拡大するのと薬物によって化学的に拡大します。薬を使って安静と再感染を防ぎ炎症が消退したら根の中に滅菌されたゴムを圧力をかけてつめ根の治療を終わります。
以上が、根の治療のやり直しの手順です。
]]>?の場合、神経が回復不可能、つまり死ぬ方向に進んでしまった場合に行います。
まず、健全な歯の部分はなるべく削らず、更に根の治療が効率的に出来るように形成します。すると神経の上の部分がまず露出します。この部分は髄室といいます。
この部分の神経をしっかりとれるように角の部分(髄角)までしっかり形を作ります。
その後、その下にある根の部分の神経の入り口(根管口)を探します。
歯の種類に種類によって大まかな数は決まっていますが実際にはそれより多いことが多いので顕微鏡を使って慎重に探索し、取り残しのない様にします。
根管口が見つかったら神経を根の先まで探索し神経を除去します。
神経はまっすぐなことはないので、途中で曲がった道に追従できずに進まなくなったり、また、誤って別の道を作ったりしないように慎重に行います。
こうして根の先まで器具が到達したら、根の長さを測りそこまで神経の管を削って拡張するようにして腐敗物をきれいにし、さらに根の中に入れる最終的な詰め物が充填できるように形を整えます。
神経をとる治療は結局神経を根の中で一番細く治りやすいところで切っている治療なので必ず炎症が起きます。
そこで、だいたいの拡大が出来たらケースバイケースで薬を貼薬します。
次回来院時、炎症が消退していたら神経の入っていたトンネルの空間を埋める治療に入ります。
空間が残っていると体液の貯留が起こって炎症が生じるからです。
このつめる行為を根管充填といいます。
根管充填には、滅菌されたゴムをつめる方法と練り薬をつめる方法があります。
いずれにしても、薬は空間を残さずにしっかり埋め安定していることが求められます。
神経をとる治療では、根の先まで神経が完全に死んでいることはまれなので、貼薬をせずに直ちに根の治療を終わることもあります。
また、根管充填時には生きている根の先の組織を刺激するので、炎症が起きて違和感や痛みが生じることがあります。
通常はしばらくすると回復します。
以上が、神経をとる治療の手順です。
]]>?の方法
当然細菌がいなくなるまで歯質を削除する必要があります。
取り切ると神経まで穴が開いてしまう疑いがある場合は、あえてう蝕を残して特殊な抗生剤と歯質保護薬剤を使用して1年弱待ちます。
その後、神経表面に歯質が厚くなるのを待って取り残したう蝕を取り切ります。
こうして、う蝕をとったら樹脂で歯質をコーティングし、失った歯質を補填します。
この状態で次回までに痛まないか確認します。
削り取る刺激で神経に炎症が起きるからです。
少ししみることはありますが、尾を引かないようならば神経は残せると判断します。
?の方法
ここからは欠損部分を修復して機能障害を改善する手順になり、かぶせる方法とつめる方法があります。
歯を削る量は少ない方が良いのでつめる方法を選択したいところですが、健全歯質が少ないとかみ合わせる力に耐えられないのでかぶせなければならないこともあります。
また手順に限っていえば、型を取って修復するのかその場でつめるのか2種類の方法があります。
型を取る場合
この場合は上広がりの形に整えて印象剤で型を取ります。
次回、誤差を口の中で修正して接着剤でセットします。
その場でつめる場合
口の中の唾液が修復する部分につくとうまくつかなくなってしまうので、唾液を排除します。歯の表面に接着剤のぬれが良くなる処理をして液状の接着剤を流して固めます。
樹脂を歯の形に整えながら充填します。
最終的な歯の形に削合して研磨します。
これがう蝕で神経の治療にならなかった場合の治療手順です。
治療は歯を削るにしても最小限削るのが理想的です。
それぞれの方法の利点欠点は今までのブログで確認していただきたくお願いいたします。
図解は以前説明したダイレクトボンディングとインレーの歯質削除量の違いです。
上記は左がの図が斜線のう蝕の部位に対するダイレクトボンディングの歯質削除量です。
右図はそのう蝕量に対するインレーの歯質削除量です。
歯を失う量は一目瞭然です。
さらにこれがCRインレーになると下図の青線になります。
インレーの灰色線と比べると理解しやすいと思います。
どうしてこうなるかというと。金属より強度がない樹脂は最低1mmの厚みがないと破折し、さらに鋭角にとがった部分があるとそこから応力の集中で割れたしまうので角を丸めないといけないのです。
その為。インレーの形成量よりもさらに多く歯を失います。
悲しいことに、この原則を守らずに金属のインレーの形成でCRインレーをセットしている歯科医院も見受けられます。
歯は削ってしまえば決して戻りません。
その前によく考えて検討することを強くおすすいたします。
]]>当院の技工担当のアイクラフトさんは、CDRIの事務局もお願いしている勤勉な技工士さんです。
安心して任せていますが、任せっきりでなく材料学の知識を増やしていこうと思いました。
]]>第一興商様には長年迅速なメインテナンス等大変お世話になりました。
USENさんこれからよろしくお願いいたします<(_ _)>
さてこれが今回導入しました、USENさんの光回線専用次世代チューナーMPX-1です。
数々のコンテンツから10チャンネルをメモリー使用できるもので、バックアップ音源もメモリーされています。
コンテンツ数は圧巻で、しばらくチャンネル探検が続きそうです。
直接診療とは関係しないもののサブの環境づくりに欠かせない主役です。
今後ともよろしくお願いいたします。
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歯がこの様になっていると、歯肉との付着力が弱くなって歯周ポケットができやすくなり、歯周病が悪化しやすいウイークポイントになります。
また、根の間は歯周炎が悪化するとコントロールしにくい病変の部位なので(根分岐部病変と言います)、その予防のためにエナメルプロジェクションを削って滑沢にすることもあります。
先天的な形態以上ですが決して珍しいものではなく、4人に一人程度の割合で出現すると言われています。
]]>炎症がなくなり(歯肉からの出血がなくなり)、最近との共生関係が確立(細菌がいなくなるのではなく影響がなくなる)その環境が永続しやすいような状態(浅いポケット)になることです。
残念ながらそれは、以前のように歯の間が歯肉に満たされ、骨が上まである状態ではありません。
吸収してしまった骨は基本的には元には戻らず、歯肉は下がった状態で安定します。
図に書くと以下のようになります。
これは正常な歯周組織。
根の間に上まで歯槽骨があり、歯の間は歯肉で覆われています。
一方歯周病になると、骨は歯肉の中で吸収し、歯肉の中と外には歯石と歯垢がこびりつき、それに伴い歯肉は腫れあがっています。
この状態に対し、患者さんのブラッシングが解消、歯科医院側では歯石取りとみがき残した部分のクリーニング、場合によっては手術を行って磨きやすい環境に変えてそれを持続すると…。
以下のように変わります。
つまり、歯肉は腫れがなくなり、溶け続けていた骨は安定して固まり、骨の2〜3ミリ上に歯肉が炎症が無い状態である。
残念ながら、骨も歯肉も増殖せず、元の位置に回復とはいきません。
これが歯周病からの治癒像。
事故で手や足がなくなった人が再生しないのと同じように、これが現在の限界なのです。
]]>以前、「義歯はどこまで大きくしなければならないのか(下あご編)」にも書きましたが、問題がある義歯を使い続けているとあごが不釣り合いに減ってしまいます。
これを図解すると以下のようになります。
ちなみに、適合に問題がない義歯を使っていても以下の様にはなってしまいます。
あごの骨は、歯があるときは歯が生えている部分の骨の栄養分を、歯の周りの歯根膜からもらっています。
この歯が無くなると当然歯根膜もなくなってしまうため、基本的には歯根膜によって維持されていた骨も吸収してなくなってしまいます。
下の図を輪切りにすると以下のようになります。
?の部分は筋肉とともに動くところ、?は動かないところです。
義歯の範囲は当然動かないところと、義歯に圧力がかかるときには動かない程度に伸びたところになります。
この場合は義歯の表面積が大きく、あごの形が凸面に対して義歯が凹面になって安定しやすい形になります。
一方、あごの吸収が進んだ患者さんは以下のようになります。
?の部分が非常に大きく?はほんのわずかです。
またその判別にも高度が技術が必要になります。
この場合は、あごが凹面になり滑って動きやすい状態になります。
義歯も普通の練って固める型を取る材料ではこの形になってしまいます。
その形では食べるときスリップしてずれてしまうので使えません。
そこで、適度の圧力を変えられる特殊な材料で型を取ると以下のようになります。
?の部分が特殊な材料によって取れた部分、この型の取り方を機能印象と言います。
型を取るのは義歯製作のほんの一歩ですが、とてつもなく大切な一歩なのです。
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削ってしまった歯、とってしまった神経、抜いてしまった歯、基本的には元には戻りません。
やり返しが効かないからこそ、慎重な行動が望まれます。
だからこそ、十分分析検討し、その患者さんとは一生向き合う姿勢が最も大事だと考えているのです。
遥か昔、勤務医時代でもその存在はありました。
ただ、その時期の口腔外バキュームは、私にとって全く魅力のない代物でした。
私の診療スタイルは完全フォーハンド診療。
つまり、見えないところをカンで削るのではなく、すべてミラーを駆使しながら明視下で削るスタイルです。
この診療スタイルにとって、ミラーの方向に水しぶきが飛んでくる口腔外バキュームは診療の邪魔でしかありませんでした。
近年、口腔内バキューム保険導入を機に最新モデルを試用してみて、以前に比べ大きく改良されているこのを知りました。
そこで、当院でも最新型口腔外バキュームフリーアームアルテオを導入しました。
最新モデルは、サイレンサー装備で騒音も抑えられ、ファッショナブルで高性能でした。
空気清浄機能搭載でクリーンな排気をお約束します。
各ユニットにも順次導入予定です。
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このセミナーには数年前にも参加しましたが新たな発見がありました。
また、つい診療に集中してしまい忘れがちな、ちょっとした気遣いを思い出させていただきました。
毎回感じることは「変わるのはまず院長!」ということ。
一秒でも診療に費やしたいという思いが、つい接遇をおろそかにさせてしまいますが、基本は人と人が接する歯科医院です。
それを忘れては本末転倒と言われても仕方がありません。
まずは院長から…。
本日から変わりたいと思います。
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ただいくら圧力をかけてゴムを詰め込んでもそのわずかな隙間から細菌は侵入してきます。
本日のテーマはそんな話「コロナルリーケージ」です。
虫歯で神経が死んでしまう痛みを味わった患者さんは、根の治療によってその痛みが劇的に回復することを体験して、さらにその治療が終わったことで一安心していることでしょう。
ところが、根の治療が終わっても口腔内からの細菌の侵入は防げません。
権威ある研究では、根の治療が完璧に終わってもその上の土台がしっかりしていなければ感染し再治療に至る確率が上がります。
さらにショッキングなデータでは、いい加減な根の治療といい加減な土台を比べると、いい加減な土台をたてた方が根の治療の再治療の確率が高いということでした。
日本歯内療法学会(根の治療の学会)の見解でも、「根の治療が終わったらなるべく早めに樹脂で封鎖して口腔内からの感染に対処すべし」と言っています。
根の治療に限らず、歯科治療は何か一つでも問題があるとそのほころびから問題が波及し再治療になってしまいます。
一歩一歩が基本なのです。
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CDRI3月例会でした。
今回は一昨年から講師を続けてお願いしていた北原信也先生に、ジルコニア修復と接着についてまとめていただきました。
現代の歯科臨床で接着を用いない日はないと断言できるほどなくてはならない知識。
しかし、日進月歩で進化する項目である接着。
日々のアップデートの重要性を再認識した講演でした。
早速当院でも導入予定です!!
]]>大学病院時代は麻酔学を専攻していたのでこの項目は専門でしたが、さすがに20年前とは違うことも多々あり、新鮮な感動がありました。
本題のリスクマネジメントとクライシスマネジメント。
それぞれの違いは、リスクマネジメントはおこるべき問題について事前に準備すること。
それに対しクライシスマネジメントは実際に起こってしまった時の対処法を準備すること。
それぞれの要点を整理でき、またアップデートできました。
内容の濃い日曜日でした。
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当院衛生士中村さんも参加して、日常的に口腔内の写真を撮れるように研修しました。
当院では、必要な時に患者さんのお口の中を撮影できるように口腔内撮影専用のカメラを常備しています。
患者さんが、自分の口の中を客観的に観察し、自覚できるように、最も大切なファーストステップとして不可欠なのが写真撮影だと思います。
それが、規格的にスピーディーに撮影できれば、ストレスなく応用することができるはずです。
この日は、当院の機種ではないカメラでの撮影を体験しましたが、厳選した我が器具の素晴らしさを再確認しました。
かなり前に、当院にセミナーに来ていただいたサンフォートの鈴木昇社長の撮影法の確かさも再認識できました。
期待の若手中村さんにも刺激になったようです。
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当日は、慶應義塾大学病院耳鼻咽喉科准教授國弘吉行幸伸先生による、「副鼻腔の三次元的解剖」の講演がありました。
私たちも扱う上顎洞や篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞の解剖のみならず炎症が起きた時の対処法まで広範囲にわたり理解できました。
臨床応用にあたり、相談の仕方まで学ぶことができました。
非常に有意義な時間でした。
特に上あごにインプラントを応用する場合に重要な知識。
日々アップデートです。
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