義歯はどこまで大きくしなければならないのか(下あご編)

  • 2015.04.30 Thursday
  • 08:00
入れ歯には入れ歯の形というものがあります。
それは、義歯の安定とその下にある骨の吸収予防に関係しています。
本日は、紙面の関係上、下の義歯についてお話します。
特に後方に支えになる歯が無い、遊離端欠損の義歯について話を絞っていきたいと思います。

この歯の欠損形態は、図に書くと以下のようになります。

抜歯前   抜歯後
実際に触ってみるとわかると思いますが、義歯の下にあるあごの硬さは様々です。
比較的硬いところもありますが、ぶよぶよの柔らかいところもあります。
そんなあごの上と、支えるばねのかかる歯では、力がかかった時の沈み込み量も違います。
どんな義歯でも、必ずあごの上にのっている部分のほうが動きは大きくなります。
この沈み込みの差が様々な問題になってきます。
となると、後ろ側に支えるための歯が残っていない場合は、その動きがより大きくなります。

結論を先に言うと、昔歯があった更に後方の「レトロモラーパッド」と呼ばれる繊維質の部分まで義歯の後方はのばさないといけません。
レトロモラーパッド
この部分は、小唾液腺があり歯と無関係に機能しているので、抜歯による変化が少なく、比較的沈み込みが少ないというのがその理由です。
しかし巷にあふれる義歯を拝見すると、ここまで伸びていないものがかなり多いです。
その為、下の図のように義歯の沈下によってあごがえぐれるように吸収している症例を散見します。
問題ある義歯 問題ある吸収
レトロモラーパットは、位置の性格上、以前あった歯の位置よりも後方にあるわけなので、本当の大きさの義歯は巨大に感じてしまうと思います。
それが最低限必要な入れ歯の形です。
本来の義歯は、下図のようになります。

理想的な義歯 理想的な吸収
しかし、このような義歯でも次第にあごの骨は吸収していきます。
ただ、その吸収量はかなり少ないといえます
そのうえで、定期検診によって必要な時期を見定めて、裏打ちし修理をすることが大切なのです。

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