歯周炎の治療

  • 2017.07.21 Friday
  • 13:34
歯周病の治療手順には大きく分けて2つのステージがあります。
一つは、炎症を止めるステージ。
もう一つは、それを維持する環境を整えるステージです。
歯周病は細菌によって引き起こされる炎症性疾患です。
通常の感染症ならば、抗生剤を内服して細菌を押さえると炎症は消退しますが歯周病はそうはいきません。
歯周病についての特集を参照していただけるとわかりやすいと思いますが、歯周病菌は常在菌なので駆除しきれないのと、バイオフィルムと言われる膜の中で生活しているので物理的に膜を破壊しない限り抗生剤は効かず、炎症もコントロールできません。
そのため、歯周病の治療は何よりも歯ブラシの方法を改善する「ブラッシング指導」から始まるのです。
更に、こびりついてしまっている歯石取りも、ブラッシングの効果を上げるのに重要な項目です。
ブラッシングがある程度改善すると、歯肉は地味な変化が起きます。
炎症で黒ずんだ赤だった歯肉の色が、歯肉のピンク色に変わってきます。
歯科医院で、器具で検査しても出血しなくなってきます。
ただブラッシングだけでは改善しない部分もあります。
歯肉の奥深くまで歯石がこびりついてしまっている箇所や一部分だけ骨が溶けて歯周ポケットが深くなってしまっているところです。
これには、歯並びや噛む力の不釣り合いも関係しています。
そこで、ある程度まで炎症のコントロールが出来たら、さらなるコントロールとその状態を維持しやすくする環境改善のステージに入ります。
この場合は、患者さんによって様々ですが、手術を行って歯肉の形や骨の形の不釣り合いを改善したり、歯並びを改善する矯正治療をしたりします。
そうすることで、維持しやすい環境を整えるのです。
私たちは必ず年をとります。
年齢が上がるだけで歯周病のリスクは上がるといわれています。
年齢に負けないためにも、早い時期からの的確な介入が求められることもあるのです。

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