疼痛閾値とは

  • 2018.07.23 Monday
  • 07:52

人が刺激を受け、それ以上になると痛みと感じる境目を閾値と言います。
本日は痛みの閾値の話。

 

熱いお湯の中に手を入れる場合、人によってその限界温度が違うように疼痛閾値には個人差があります。
また、その人の状態によっても違ってきます。
通常なら痛みを感じないような刺激でも、痛みに感じてしまう状態。
歯に当てはめるなら、痛みで神経が興奮した状態の場合、少しの痛みでも閾値を超えてしまい痛みに感じることはよく有ります。
また、歯牙の状態では、強いかみ合わせ力で歯にひびがはいり閾値が下がる可能性があります。
この場合、閾値が上がれば治療が必要なくなる場合があります。
また、力によって歯を支える歯周組織の閾値が下がり、通常のかみ合わせ力でも痛みに感じてしまう場合もあります。
我々は痛みを電気信号によって脳で認識しています。
そのため、体調によって閾値は変化します。
ヨガの達人が精神修行によって火の上を素足で歩けるのもこのためです。

この様な様々な要因によって変化するのが痛みの閾値です。


それでは閾値が下がっている状態の患者さんをどうすればいいのでしょうか?
閾値が下がる原因が明らかならばそれを治療するのは当然です。
しかし歯科疾患は複合疾患なので、多くの場合複数の要因が関与しています。
そのためこういう状況にある時は、誤診につながりやすい状態といえます。
その場合は、侵襲の小さい予防処置から徐々に始めるのがセオリーであると考えています。
歯科治療の多くは外科処置のため、一度始めると元には戻らないからです。
自信を持って石橋をたたき、時には渡らず回り道をする勇気も必要なのです。

 

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