マイクロの力を借りても…

  • 2013.09.18 Wednesday
  • 09:10
根の治療のやり直し。
ただでさえ難しい根の治療。
しかし、他院で行った治療に問題があってやり直すときは、さらにものすごく難易度が上がります。

初めて手を付ける根なら、本来神経が入っている管が必ずあります。
上から、慎重に探していけば絶対にそれを見失うことはありません。
(ただ、枝分かれしていて掃除が不可能な神経の管はあります)

しかしながら、一度手を付けられている根は、解剖学的な形を保っているとは限りません。
道がそれてしまったり、形が大きく変形していたり、途中で穴が開いてしまっていたり…。

どうしても道がわからない場合、マイクロスコープの出番です。
根の治療用に改良した当院のマイクロは、後付けのキセノンノンランプを装着し、根の先までしっかり照らす実力があります。
しかし今回の症例はどうしても掃除することができませんでした。
いくら視力を高性能にしてもどうにもなりませんでした。

私の力不足…。
マイクロの力を借りても、満足な治療を行えませんでした。 

感染根管治療とは?

  • 2013.07.29 Monday
  • 09:14
我々が日々行っている根の治療。
大きく分けると、炎症のある神経をとってきれいにする「抜髄」と、
神経が入っていた管の中の細菌を含めた異物を取る「感染根管治療」に分かれます。

今日は感染根管治療の話です。

この状態になると、根の先に膿の袋ができることが多くあります。
レントゲンでは、根の先の骨の吸収で診断することができます。
たとえの根の先の病気でも、われわれは根の中の掃除で治していきます。
ではなぜ治るのでしょうか?

根の先の病気は、根の中の細菌によってできたものです。
そのため、根の中を徹底的に掃除します。
ある基準まで掃除すると、根の中はほぼ無菌状態になります。
ここで、不潔になりやすい、抵抗力の及ばない神経の管に無菌のゴムを緊密に詰めます。
これで細菌の繁殖場所を絶って、残った根の先の病気は体の抵抗力で治していくのが感染根管治療です。

ただ、以下の場合は治癒が困難になります。

緊密に無菌ゴムを詰められない状態の根。
この場合、細菌の住処をなくすことが不可能なため治癒しません。

根の先の病気の歴史が古く、根の先に体の抵抗力では浄化できないほどの病気ができてしまったもの。
この場合も、治癒は望めないので、手術で根の先を切る処置をする場合があります。

いずれにしても、われわれが根の治療としてできることは「歯内治療」というだけあって、根の管の掃除のみなのです。




 

歯科治療で出来ること(根の治療編)

  • 2012.05.02 Wednesday
  • 07:53
私たちが日々の治療でできることとできないこと。
細かいことを書けば、かなり長い文になってしまいます。
今日はそれをなるべく短くまとめてみたいと思います。

根の治療が必要な患者さんは、たいていの場合かなり痛みを伴って来院します。
我々ができることは、神経の入ったトンネルの細菌をコントロールすることだけです。
痛みがなくなるのは、細菌が減ることによって炎症が少なくなる時だけです。

感染によって腐敗した組織を取り除き、再感染を防ぐこと。これが、根の治療時にわれわれがしていることの全てです。
逆に言えば、根が複雑に枝分かれして器具が到達しなかったり、根の外側に細菌の巣ができていたり、根がひび割れ等の損傷を起こしている場合は治すことができません。

あくまで根の治療のみの話ですので、他の治療と組み合わせることによって、まだ歯を救うことは可能ですが、体に悪いものを減らし、治癒を促進するスタンスなのです。

根の治療の時

  • 2012.03.14 Wednesday
  • 08:01
神経を取ったり、その治療をやり直す根の治療。
神経まで行っているわけなので当然大きな虫歯があります。
その上、中心にある神経のトンネルを掃除して拡張していきます。
この最中に問題が…
今日はそんな話。

簡単に言うと、根の治療の最中に残った薄い歯が折れてしまうことがあります。
折れ方によっては、歯が残らないこともあります。
神経を失った歯は、ただでさえみずみずしさが無くなって折れやすくなります。
それに加え、根の治療の最中は、中心部もがらんどうの空洞
余分な力が加われば、折れてしまうのは必至です。

これが起こると術者側も患者さんも本当に脱力です。
今までの苦労が水の泡。
ぜひ注意していただきたい事柄です。 

MTAの力

  • 2011.04.28 Thursday
  • 09:01
歯科治療の中でも難易度の高い治療「根の治療」。
マイクロスコープの恩恵を借りてもなお不確実な部分が多く存在します。

特に一度治療を受けたあと、根の先が化膿している場合は成功率が落ちてしまいます。

根の先が、ひび割れていたり、神経の入ったトンネルから逸脱したところに穴が開いていたり、
根の外にまで細菌層が形成されていたり、歯が折れていたり…。

従来の根の治療ではうまくいかなければ、根の先を切ったり、抜歯したり外科的適応になっていました。
その前に、最後の手段として提案しているものがあります。

MTAを用いて根管治療を終了することです。
MTAは、「水分によって膨張して硬化する」「骨芽細胞を誘導する」など今までの材料とは異なる多くの利点を有しています。
ただ、非常に高価なため日本では、根の治療での適応はありません。
簡単に言うと保険が利かないということです。

しかし残るか、切るかの瀬戸際。
この歯にとっては、ラストチャンスなのです。

マイクロスコープ導入で、最近登場機会が増えたMTA。
よりダメージが少なく、歯に優しい方法であると考えています。 

スーパーデバイス

  • 2011.04.11 Monday
  • 08:44
先週受講したマイクロスコープエンドコース(根の治療)。
まさにマイクロ治療の本丸、根の治療で、最も驚き、また感動したのはこのインスツルメントでした。

マイクロエキスカ1

左に写っているのは、通常の根の治療のときに使うファイルです。
見ての通りネジのようになっていて、その側面を使って神経の入っていた管を削りながら清掃します。

マイクロエキスカ2

これがその拡大画像です。

右にあるのが今回導入したマイクロエキスカ

従来の器具では、意図的に汚れたところを処理することが不可能であるのに対し、このマイクロエキスカは、先の刃の部分を清掃したいところに自由にもって行き清掃することが可能です。
根の管の中はマイクロスコープを使って細部まで確認し、問題箇所を選択的に清掃、必要のない部位は削らずに済ませることができます

この器具も、講師の岡口先生の考案で、この考えには目からうろこでした。
ただ裸眼では絶対にできません
マイクロスコープ下で数十倍に拡大された視野だからこそ出来る技術。
マイクロあってこそのスーパーデバイスなのです。
 

進化改良中

  • 2011.04.01 Friday
  • 09:30
根の治療には、大きく分けると二つの仕事があります。

ひとつは、虫歯などで神経が炎症を起こして神経をとるための根の治療。
もうひとつは、一度根の治療をしてあるが、問題があって治療をやり直すための根の治療。

根の治療をやり直すとき、障害になるのは、土台の撤去です。
根の治療が終わると、なくなった歯をかぶせて回復するために土台を立てます。

この土台が、曲者で、多くの場合根の深くまで芯が伸びています。
根の治療をやり直すには、この芯を取り除かなければなりません。
このとき根が折れたり穴が開いたりすると話にならないので、細心の注意の上で取り除きます。

超音波振動を欠けたり、特殊な装置で引き上げたり、様々な手段を講じても取れない場合は削り取ることになります。
この削り取る作業が最も緊張します。

何しろ硬い金属から少しでも器具が滑ったら、柔らかい歯質を削ってしまうことになるわけです。
奥の奥までしっかりミラーで確認しながら、削って行くことが何よりも重要です。

ミラーで確認しながら削ることは常時行ってきましたが、上の歯は得意でも、直視しやすい下の歯は苦手でした。
ところが今回、マイクロスコープ下でミラーを使っていくと視野がまったく異なり、下の歯もミラーを使って削合することが可能でした。

マイクロを覗くことによって新たに開けた技術革新。
自分なりに進化改良中です。
 

確認したい欲求

  • 2011.01.25 Tuesday
  • 09:05

21日金曜日は今年初めてのCDRIでしたが、今年のメインテーマはマイクロです。

「マイクロ」とは、拡大システムを用いて視野拡大をして、治療を行うことで、当医院で使用している拡大鏡もそのひとつです。
ただ、常時使用中の3.5倍、強拡大したいとき用いる7倍でも、根の治療で神経の入っていたトンネルの先までは確認できませんでした。
そこで今回、歯科用顕微鏡マイクロスコープの導入を考えています

マイクロスコープの利点は25倍までにもなる強拡大が可能なことももちろんなのですが、拡大した画像を録画して、患者さんに見せることが可能なところです。
この画像は圧巻です。
問題部分の画像が、モニターいっぱいに、その場で確認できるため、大丈夫なのかだめなのか、今まで経験則で話していたものが、しっかり診断できるのです。

しっかり診断するように確認するには時間もかかりますが、歯科医師として確認したい欲求に限りはないのです。

いつまで続くのか

  • 2010.11.24 Wednesday
  • 08:35
よく治療を行っていると、患者さんに「あとどれくらいで終わりますか」と聞かれます。
患者さんにしてみれば当然の質問なのですが、歯周治療や根の治療の時には答えに困ります。
今日は、治療期間の話です。

なぜ、上の二つは答えに困るのかというと、二つとも体が回復するまでの時間が必要なので、個人差があるからです。
また体は、ある人、ある部位ではこのくらいの清潔さで治癒するところもあれば、あるところではその何倍も清潔に保たないと良い方向に向かないこともあるのです。

かぶせたりする治療は、こちらでほとんどすべてを設定できるので、終了の回数も明確ですが、治癒を待つ治療は、はっきりとした答えを出すことが難しいのです。

どんな治療もそうなのですが、きちっとした治療をするにはそれなりの時間がかかることをお許しください。 

宇井研の特ダネ

  • 2010.10.06 Wednesday
  • 09:00
3日日曜日は、宇井臨床研修会の例会がありました。
今回は、根の治療には欠かせない、ラバーダムに必要な隔壁の方法についてでした。

根の治療は神経をとったり、感染した神経の管を清掃したりする治療なので、外科治療ということが出来ます。
すなわち無菌的処置が必要になるわけで、当然唾液からは隔離されなければならないものです。
ところが、根の治療になるほどの虫歯になってしまうと、残った歯も少なくなるので、隔離に必要なラバーダムが不可能なことも多々あります。

そこで、今回のテーマである隔壁の技術が必要になるわけです。

インスタントモデラー

宇井先生は多方面にコネクションがあり、われわれが気づかないような視点で、常に自分の臨床に応用出来る技術がないか考えている人です。
今回の講義も技工士さんが使っている器具の応用でした。

隔壁デモ1隔壁デモ2

実技の様子です。
方法は、安価かつ簡単ですぐに応用可能なものでした。
ただ、当日すぐにチェアーサイドで可能なものではなく、技工操作が必要でした。

この技術は根管治療を行う場合は必要不可欠ですが、一般の歯科医師には広がらないと思います。
その理由は、根管治療自体の診療報酬の低さに関係しています。
このように手間をかけて行った隔壁も、保険治療治療では無料になります。
これでは、志とこだわりを持った歯科医師しか行わないでしょう。

根の治療は、いい加減にやっても、すぐに問題が出るものではありません。
しかし、最も土台になるもので、当然重要なものです。
しっかり行うためのこの裏技、地味ですが、すばらしい診療を実践している宇井先生の人柄そのもののような技術でした。

「本当は難しい根の治療」にも関連ブログあり!


 

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< July 2018 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM