抜歯後の骨の鋭縁

  • 2015.04.15 Wednesday
  • 08:16
歯を抜くと基本的にはその下の骨は吸収します。
抜くときの状態よっては、うまく均等に吸収せず段差になることがあります。
時にそれは、とがったとげの様になって歯肉から飛び出てくることがあります。
本日はそんな抜歯後の骨の鋭縁の話です。

歯を抜いてしばらくした時の話ですが、抜いた所に根が残っているとの訴えがたまにあります。
多くの場合が、吸収せずに残った骨の鋭縁が歯肉を突き抜けて出てきて舌に触っています。
通常は、抜歯後6ヶ月程度たつと歯があった部分の骨は吸収します。
この部分は、歯を維持するため必要だった骨で、歯がなくなった場合は必要なくなるためです。
普通の状態では、歯がなくなった部分は滑らかな曲線で吸収していきます。
図1から2、3のような変化です。

図1 図2 図3

ところが、抜く前に歯の破折などで骨が一部分すでにひどく吸収している場合は吸収が滑らかに進まないことがあります。
その場合図4のように一部分の骨が残り、歯肉の上まで突き出てくることがあります。

図4

これが舌や頬っぺたにとげの様にあたってきます。
患者さんにとっては歯の根が残っているような感覚になるのです。

このようになった場合は、麻酔をしてとがった本来吸収しているべき部分を削ってやる必要があります。
もちろん削ってしまえば後々何も問題になることがありません。



 

診療予約の考え方

  • 2015.03.13 Friday
  • 08:21
当院では、急初診・急再診を除いては予約診療で治療を行っています。
本日は、その予約の考え方についてのお話。

自分の診療にどのくらいの時間がかかるかは、ほぼ決まっています。
また、診療にはステップがあり、やらなければならない診療の段階もほぼ決まっています。
このような歯科の特性から、多くの歯科医院では予約診療が行われています。
当然当院も取り入れていますが、たまにこのシステムに適合しない患者さんもおられます。

当院では、このシステムのおかげもあり、予約時間に来ている患者さんをお待たせすることがほぼありません。
ただ、急来院した患者さんは当然予約に入っていないためその合間に入るので、時間が多少ずれ込む場合があります。
それでも、15分を上限としての待ち時間になります。
このように診療を行っていると、患者さんも自然と予約時間10分ないし5分前には待合室に来てくれます。
ただ必ず予約時間に遅れる患者さんも少なからずいます。
さらには、無断で治療を休む方もいます。
しっかり予約時間の計画をたてる医院では、このような急な空き時間に対応することはできません。
完全な空き時間になってしまいます。

このような予約時間を守れない患者さんは一部分ですが、多くは繰り返す傾向にあります。
予約は、患者さんの貴重な時間を最も効率的に治療に充てるための有効な手段です。
その時間においでになった患者さんすべてに、予定通りの治療を行う約束の時間です。
時に、全く予約時間の概念を理解いただけない患者さんの場合には、診療をお断りすることもあるのです。

麻酔がさめにくいとは

  • 2015.03.11 Wednesday
  • 08:18
麻酔効果が持続する時間は人それぞれです。
通常の麻酔薬は、だいたい2時間から3時間でさめるとお話しています。
本日は、しびれが取れる時間についてお話します。

麻酔注射は、疼痛閾値を上昇させるために用います。
型っ苦しい言葉を用いましたが、要は痛みを感じにくくさせるものです。
しびれている時間すべてが痛みを感じない時間ではないことをはじめにことわっておきます。

麻酔が効いてしびれているということは、麻酔薬がまだしびれている部位にあるということです。
当たり前に思うかもしれませんが、そういうことです。
麻酔薬は効かせたい部位周囲にとどまることによって効果を発揮します。
時間がたつと、血液によってその部位から吸収されます。
それが肝臓に運ばれて分解排泄されます。
簡単に言うと血行の流れが悪いところはさめにくくなります。
また傾向的に年をとると血行が悪くなるのでさめにくくなります。
このことを利用して麻酔薬に血管収縮薬を入れて血行を悪くし、麻酔効果持続時間を延ばしています。

麻酔注射の後しびれが持続して心配になる方もいますが、持続時間は部位によっても、年齢によってもその日の体調によってもかなりのばらつきがあるものなのです。

ヒューマンブリッジの削除量

  • 2015.02.23 Monday
  • 08:16
昨日ご紹介したヒューマンブリッジ歯を削る量が極端に少ないのが特徴といいました。
実際にどのくらいの量なんでしょうか?
本日はそんなお話.

実際の模型で見ていきましょう。

ヒューマンブリッジ前歯部 ヒューマンブリッジ臼歯部

ヒューマンブリッジは、白金加金(金にプラチナの入った金属)で作っていくので、たわみ性があり、アンダーカットがあっても歪んでまたもとの形に戻るようにしてセットできる利点を持っています。
これがこのブリッジの最大の胆であります。
また、非常に薄いため側方方向の力に耐えられなくなる不安が出てきます。
それに対抗するために、エナメル質内に最小限の溝を掘ります。
この溝で、側方からの力に抵抗することになります。

小臼歯拡大 前歯拡大

更には、審美的に許容される大臼歯部には、3/4面を取り囲むようにプレート状のアームが伸びます。
これは、ちょうど入れ歯のばねのような形になりますがそれよりもかなり薄くなります。

大臼歯プレート

このブリッジを実現するには、非常に繊細な技工技術が必要になりますが、適合が確立した場合には最少の削除量で最大の効果が見込めるものになるのです。



 

ヒューマンブリッジ

  • 2015.02.09 Monday
  • 08:31
昨日8日は「ヒューマンブリッジ」のセミナーに参加してきました。

修了書

このブリッジは、歯を削る量が極端に少ないことが特徴で、さらに外れやすさも改善したものです。
一見、両立の難しいこの二つを兼ね備えるに至った理由は、アンダーカットをそのまま利用し三分割したブリッジを口腔内で組み立てるという発想の転換でした。

HB 前歯
hb 臼歯
hb
それにあたり、キーポイントとなるのは最も力がかかる欠損部を支えるカギ状のの保持部の適合と強度です。
これをクリアできれば、歯をほとんど削らずに可能なブリッジとなります。
模型を確認した限りですが、適合は申し分ありません。
さっそくサンプルモデルを発注、実物でさらに検証を重ねる予定です
近日臨床応用開始予定です。
ご期待願います。
 

皮下気腫

  • 2015.01.26 Monday
  • 08:17
本日のテーマ「皮下気腫」
これには、私自身苦い経験があります。

皮下気腫とは、表皮や歯肉、粘膜の中にある結合組織の隙間から体の中に空気が入り込むことによっておこる膨らみのことです。
歯科で言うと、根の治療や外科処置で歯肉粘膜の中身が出ているときに起きる危険があります。
歯科で使用している回転器具は、診療椅子周りのものほとんどすべてが空気で動いています。
歯医者独特の、あの「キーン」と鳴るエアータービンは空気の力で回る風車の回転力で動いています。
その為、あんな高音の音がするのです。
歯を抜くときや歯肉の手術の時に、削合のためエアータービンを用いるときには発症する危険があります。
また根の治療をしているときは、神経の入った管の先は体の中になります。
ここにエアーが入り込めば発症する可能性があります。
事実私も親知らずを抜くとき、歯を分割するためエアータービンを使用して起こしたことがあります。
それ以来、このようなケースにはエアーが漏れる心配の少ない5倍速コントラエンジンを使用しています。
当時はそのような認識が薄く、患者さんには迷惑をおかけして申し訳なく思っています。

万が一発症しても、1週間程度で空気は体に吸収されて自然治癒します。
ただ、侵襲の問題というよりも信頼関係のため、再発防止を肝に銘じています。

 

皮下出血

  • 2015.01.23 Friday
  • 08:43
当院では、歯肉の手術の機会が他院に比べて多いと思います。
なるべく環境を整えてから、被せるようにしているからです。
そうしないときちんと被せられませんし、何より長持ちしないからです。
手術をした場合、炎症と出血はつきものですが、本日はその中でも出血についてのお話です。
その中でも特に「皮下出血」について取り上げます。

歯肉の手術は、メスを用いて歯肉を剥離して、歯肉の形や骨の削合を行うので、術後はけがをした状態になるわけです。
切ったところを緊密に縫合すれば、表面から出る出血はなくなります。
ただ、歯肉の剥離する範囲が大きければ大きいほど、縫合した歯肉の中の出血は少しの時間持続します。
これが、皮下出血になります。
名称を平たく言えば、いわゆるアザです。
この皮下出血は、口の中に出ることもありますが、しばしば皮膚に出ることがあります。
そうなると、顔に青あざが出ることになり消える2週間弱審美的に障害になります。
また、この皮下出血が皮膚に出た場合、重力や血流の関係で徐々に位置が移動することがあります。
この時、首のほうに移動すると、患者さんが驚いてしまうこともあります。

特に女性に多いこの症状、出てしまう場合は仕方ないのですが、ファンデーションの厚塗りなどで対処していただいています。
可能なら、ならないようにしたいところですが、防ぎようがない合併症の一つなのです。
 

知覚過敏の原因

  • 2015.01.14 Wednesday
  • 08:39
知覚過敏、主な症状は冷たいものがしみたりですが、不快なものです。
虫歯ではないかと不安にもなります。
本日はその原因の話です。

知覚過敏の原因は、象牙質の露出です。
歯肉から出ている、いわゆる歯の部分の多くはエナメル質で覆われています。
このエナメル質の中にあるのが象牙質です。
ただし、歯肉が下がると根の部分が露出してしまい、この部分はエナメル質の覆われてないので象牙質が露出することになります。
象牙質には神経まで細かい穴が開いているのでしみてしまうわけです。
それでは、なぜ歯肉は下がってしまうのでしょうか?
基本的には血行不良だといわれています。
強いブラッシング圧や年齢とともにおこる生理的な血行不良によって、歯肉が維持できなくなり縮んで行くと思われます。
また歯を支える骨の厚みがないか、歯の並びが悪く骨から根が飛び出してしまっている場合も歯肉は下がっていきます。

そのほかには、エナメル質に起こるひび割れも原因の一つに考えられます。
歯を乾燥させてマイクロスコープで観察すると、無数のひびが見られます。
このすべてに起こるわけではなく、むしろ発症は稀ですがこれも原因になります。
ひびの原因は多くは夜間の歯ぎしりです。
食べ物を介さずに強大な(通常の6倍以上と言われています)力が何時間も加わるため起きます。

治療にあたってはなるべく侵襲が少なく生理的な方法が第一選択になります。

治療全般の項目の中の「知覚過敏」「しみている理由」も参照ください。
 

ドライソケット

  • 2014.12.29 Monday
  • 10:03
歯を抜いた後起きる可能性がある痛みの原因になる合併症。
それが本日の話題「ドライソケット」です。

そもそも歯を抜いた後の口では何が起こっているのでしょうか?
抜いた後、歯を抜いた穴は出血しています。
やがてその穴は血液で満たされてきます。
その血液は餅状になって安定し、その中に歯肉を作る細胞が出来、さらに骨を作る細胞になって穴が埋まります。
ドライソケットは、この血液の塊が骨の表面で安定せずに骨がむき出しになっておこります。

この場合、骨がじかにしみるので、再び血液で満たされ安定するまで痛みが続きます。
普通抜歯後の炎症は、だいたい受傷3日くらいでピークになってその後徐々に減少してくるのが普通です。
しかし、ドライソケットになると日が経つごとに炎症が増加し、痛みが増悪します。

治療方法は、再び抜いた穴をきれいに掃除して再出血させ、血の塊が定着しやすいように穴を抗生物質を染み込ませたガーゼで満たします。
ガーゼは治癒とともにだんだん排出され、やがてすべて出てきます。
そうするうちに歯を抜いた穴は歯肉に覆われて外界と遮断され、正常な治癒像になって治っていくのです。

このドライソケットは、骨の硬い下あごの方が起きやすい傾向にあります。
骨が緻密で、定着しにくいのが原因と考えられます。
また、その性質上起きる人は繰り返し起こる可能性が高い合併症なのです。
 

レントゲン撮影について(デンタルとオルソパノラマ)

  • 2014.12.04 Thursday
  • 07:50
本日のお話は、歯科で行われるレントゲン撮影についてです。
最近は、CTスキャンを導入している医院も出てきましてが、手軽さと被ばく量の低さから、従来型のレントゲン撮影もまだまだ現役です。

さて、我々がレントゲンを撮影する場合、大きく分けて二つの方法があります。
デンタル撮影とオルソパノラマ撮影です。(以降便宜上撮影は省きます)
デンタルは、口の中に入れる小さいレントゲン写真で、オルソはでっかい機械で頭の周りをゆっくり回りながら撮影を行うものです。
デンタルは、口の中に入れるわけですから、だいたい歯数歯分の大きさで、オルソは顔全体が入る大きさになります。
レントゲン画像は、影絵と似ていて、映し出す対象物に近いほど画像が鮮明になる特徴があります。
したがって、その画像は、デンタルが鮮明で、オルソはやや不鮮明になります。
一方、オルソは、全体像を把握でき、フイルムの入り込めない部分も観察することができます。

当院では、歯牙や歯の周りの骨の観察のためには、主に画像の鮮明度を重視してデンタルを、それに映らない部位の観察にはオルソを撮影するようにしています。
歯周病のため、口全体の歯の周りの骨の観察が必要な場合は、最大10枚のデンタル撮影を行っています。
オルソと比較して撮影の手間がかなりかかりますが、このデンタル10枚法は、画像の鮮明さから非常に有益です。
患者さんにとっては、何のためにこんなに撮影するのだろうかと疑問に思われる行為かもしれません。
この撮影を行う医院も多くはないと思います。
しかし、この撮影のおかげでより的確な診断が可能になるのです。
幸い、お話するとほぼすべての患者さんで、撮影のお許しが出ますが、それを行う理由はこういうことだったのです。
 

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
<< February 2020 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM