ヒューマンブリッジ

  • 2015.02.09 Monday
  • 08:31
昨日8日は「ヒューマンブリッジ」のセミナーに参加してきました。

修了書

このブリッジは、歯を削る量が極端に少ないことが特徴で、さらに外れやすさも改善したものです。
一見、両立の難しいこの二つを兼ね備えるに至った理由は、アンダーカットをそのまま利用し三分割したブリッジを口腔内で組み立てるという発想の転換でした。

HB 前歯
hb 臼歯
hb
それにあたり、キーポイントとなるのは最も力がかかる欠損部を支えるカギ状のの保持部の適合と強度です。
これをクリアできれば、歯をほとんど削らずに可能なブリッジとなります。
模型を確認した限りですが、適合は申し分ありません。
さっそくサンプルモデルを発注、実物でさらに検証を重ねる予定です
近日臨床応用開始予定です。
ご期待願います。
 

皮下気腫

  • 2015.01.26 Monday
  • 08:17
本日のテーマ「皮下気腫」
これには、私自身苦い経験があります。

皮下気腫とは、表皮や歯肉、粘膜の中にある結合組織の隙間から体の中に空気が入り込むことによっておこる膨らみのことです。
歯科で言うと、根の治療や外科処置で歯肉粘膜の中身が出ているときに起きる危険があります。
歯科で使用している回転器具は、診療椅子周りのものほとんどすべてが空気で動いています。
歯医者独特の、あの「キーン」と鳴るエアータービンは空気の力で回る風車の回転力で動いています。
その為、あんな高音の音がするのです。
歯を抜くときや歯肉の手術の時に、削合のためエアータービンを用いるときには発症する危険があります。
また根の治療をしているときは、神経の入った管の先は体の中になります。
ここにエアーが入り込めば発症する可能性があります。
事実私も親知らずを抜くとき、歯を分割するためエアータービンを使用して起こしたことがあります。
それ以来、このようなケースにはエアーが漏れる心配の少ない5倍速コントラエンジンを使用しています。
当時はそのような認識が薄く、患者さんには迷惑をおかけして申し訳なく思っています。

万が一発症しても、1週間程度で空気は体に吸収されて自然治癒します。
ただ、侵襲の問題というよりも信頼関係のため、再発防止を肝に銘じています。

 

皮下出血

  • 2015.01.23 Friday
  • 08:43
当院では、歯肉の手術の機会が他院に比べて多いと思います。
なるべく環境を整えてから、被せるようにしているからです。
そうしないときちんと被せられませんし、何より長持ちしないからです。
手術をした場合、炎症と出血はつきものですが、本日はその中でも出血についてのお話です。
その中でも特に「皮下出血」について取り上げます。

歯肉の手術は、メスを用いて歯肉を剥離して、歯肉の形や骨の削合を行うので、術後はけがをした状態になるわけです。
切ったところを緊密に縫合すれば、表面から出る出血はなくなります。
ただ、歯肉の剥離する範囲が大きければ大きいほど、縫合した歯肉の中の出血は少しの時間持続します。
これが、皮下出血になります。
名称を平たく言えば、いわゆるアザです。
この皮下出血は、口の中に出ることもありますが、しばしば皮膚に出ることがあります。
そうなると、顔に青あざが出ることになり消える2週間弱審美的に障害になります。
また、この皮下出血が皮膚に出た場合、重力や血流の関係で徐々に位置が移動することがあります。
この時、首のほうに移動すると、患者さんが驚いてしまうこともあります。

特に女性に多いこの症状、出てしまう場合は仕方ないのですが、ファンデーションの厚塗りなどで対処していただいています。
可能なら、ならないようにしたいところですが、防ぎようがない合併症の一つなのです。
 

知覚過敏の原因

  • 2015.01.14 Wednesday
  • 08:39
知覚過敏、主な症状は冷たいものがしみたりですが、不快なものです。
虫歯ではないかと不安にもなります。
本日はその原因の話です。

知覚過敏の原因は、象牙質の露出です。
歯肉から出ている、いわゆる歯の部分の多くはエナメル質で覆われています。
このエナメル質の中にあるのが象牙質です。
ただし、歯肉が下がると根の部分が露出してしまい、この部分はエナメル質の覆われてないので象牙質が露出することになります。
象牙質には神経まで細かい穴が開いているのでしみてしまうわけです。
それでは、なぜ歯肉は下がってしまうのでしょうか?
基本的には血行不良だといわれています。
強いブラッシング圧や年齢とともにおこる生理的な血行不良によって、歯肉が維持できなくなり縮んで行くと思われます。
また歯を支える骨の厚みがないか、歯の並びが悪く骨から根が飛び出してしまっている場合も歯肉は下がっていきます。

そのほかには、エナメル質に起こるひび割れも原因の一つに考えられます。
歯を乾燥させてマイクロスコープで観察すると、無数のひびが見られます。
このすべてに起こるわけではなく、むしろ発症は稀ですがこれも原因になります。
ひびの原因は多くは夜間の歯ぎしりです。
食べ物を介さずに強大な(通常の6倍以上と言われています)力が何時間も加わるため起きます。

治療にあたってはなるべく侵襲が少なく生理的な方法が第一選択になります。

治療全般の項目の中の「知覚過敏」「しみている理由」も参照ください。
 

ドライソケット

  • 2014.12.29 Monday
  • 10:03
歯を抜いた後起きる可能性がある痛みの原因になる合併症。
それが本日の話題「ドライソケット」です。

そもそも歯を抜いた後の口では何が起こっているのでしょうか?
抜いた後、歯を抜いた穴は出血しています。
やがてその穴は血液で満たされてきます。
その血液は餅状になって安定し、その中に歯肉を作る細胞が出来、さらに骨を作る細胞になって穴が埋まります。
ドライソケットは、この血液の塊が骨の表面で安定せずに骨がむき出しになっておこります。

この場合、骨がじかにしみるので、再び血液で満たされ安定するまで痛みが続きます。
普通抜歯後の炎症は、だいたい受傷3日くらいでピークになってその後徐々に減少してくるのが普通です。
しかし、ドライソケットになると日が経つごとに炎症が増加し、痛みが増悪します。

治療方法は、再び抜いた穴をきれいに掃除して再出血させ、血の塊が定着しやすいように穴を抗生物質を染み込ませたガーゼで満たします。
ガーゼは治癒とともにだんだん排出され、やがてすべて出てきます。
そうするうちに歯を抜いた穴は歯肉に覆われて外界と遮断され、正常な治癒像になって治っていくのです。

このドライソケットは、骨の硬い下あごの方が起きやすい傾向にあります。
骨が緻密で、定着しにくいのが原因と考えられます。
また、その性質上起きる人は繰り返し起こる可能性が高い合併症なのです。
 

レントゲン撮影について(デンタルとオルソパノラマ)

  • 2014.12.04 Thursday
  • 07:50
本日のお話は、歯科で行われるレントゲン撮影についてです。
最近は、CTスキャンを導入している医院も出てきましてが、手軽さと被ばく量の低さから、従来型のレントゲン撮影もまだまだ現役です。

さて、我々がレントゲンを撮影する場合、大きく分けて二つの方法があります。
デンタル撮影とオルソパノラマ撮影です。(以降便宜上撮影は省きます)
デンタルは、口の中に入れる小さいレントゲン写真で、オルソはでっかい機械で頭の周りをゆっくり回りながら撮影を行うものです。
デンタルは、口の中に入れるわけですから、だいたい歯数歯分の大きさで、オルソは顔全体が入る大きさになります。
レントゲン画像は、影絵と似ていて、映し出す対象物に近いほど画像が鮮明になる特徴があります。
したがって、その画像は、デンタルが鮮明で、オルソはやや不鮮明になります。
一方、オルソは、全体像を把握でき、フイルムの入り込めない部分も観察することができます。

当院では、歯牙や歯の周りの骨の観察のためには、主に画像の鮮明度を重視してデンタルを、それに映らない部位の観察にはオルソを撮影するようにしています。
歯周病のため、口全体の歯の周りの骨の観察が必要な場合は、最大10枚のデンタル撮影を行っています。
オルソと比較して撮影の手間がかなりかかりますが、このデンタル10枚法は、画像の鮮明さから非常に有益です。
患者さんにとっては、何のためにこんなに撮影するのだろうかと疑問に思われる行為かもしれません。
この撮影を行う医院も多くはないと思います。
しかし、この撮影のおかげでより的確な診断が可能になるのです。
幸い、お話するとほぼすべての患者さんで、撮影のお許しが出ますが、それを行う理由はこういうことだったのです。
 

痛みの原因は…?

  • 2014.11.26 Wednesday
  • 09:08
歯医者を訪れる患者さんの多くは、痛みを感じていることが多いです。
多くの患者さんは、「痛みの原因なんて歯科なんて小さい範囲なんだからすぐわかるでしょ」と思っていると思います。
しかし、痛みとはとってもあてにならないものなんです。
本日は、そんな痛みのお話です。

大学医局員時代、私は麻酔科に残り、頭頸部のペインコントロールも行っていました。
ここには、顔面神経麻痺・三叉神経痛をはじめとして、様々な症状の患者さんがやってきます。
しかし、その診断は大変困難です。
多くの神経の知覚異常は、典型的な症状を呈しない場合有効な検査がありません。
レントゲンやCT検査も絶対的な情報をあたえてくれるわけではありません。
その診断法は、原因と考えられる箇所をしらみつぶしに治療し、その結果症状が残った場合は、神経が原因である可能性有とするのです。

神経の知覚異常とは、どのようなプロセスで発症するのでしょうか?
神経にも栄養をもらうための血液の流れが必要です。
多くは、何らかの原因でおこった血行不良で発症すると考えられています。
この感覚は、ちょうど足がしびれた時のことを考えるとわかりやすいです。
足がしびれると、全く感覚が無い時から、ビリビリした感覚異常の時を経て元に戻ります。
三叉神経の知覚異常には、実に当てはまる症状です。
この場合は、感覚を受け取る末端側の問題です。
このほかには、感覚を感じる側、中枢側の問題があります。
これはあまりにも専門的なので、私も知識がありませんが、痛みもないのに痛みの伝達物質が出てしまうものです。

痛みは電気信号で伝達されます。
その異常は、電気信号そのもので起きるものと伝える道で起きるものに分けられるのです。
歯科で原因として診断できるのは、上記のような伝達異常がなく様々な診断ツールに合致する疾患のみなのかもしれません。

親知らずを抜く…その時

  • 2014.11.12 Wednesday
  • 12:15
本日は、親知らず特集第二弾。
それを抜くときのお話です。
先日お話したように、親知らずはななめや横になって生えてしまっていることが多い歯です。
当然、環境は悪いし磨きにくいので問題も起きやすいです。
そう考えると、このようになっている親知らずは、それがあることによって悪いことはあっても、いいことは何もないと断言できます。
ただ一つあるとすれば、この歯残っていれば他の大臼歯がダメになった時に、移植に使えるというメリットはあります。
しかし、その前に炎症が波及して痛んでしまったら、それを解消する完全な方法はやはり抜くことでしょう。

では、その場合どのような問題があるかお話します。
一番の問題は、下歯槽神経に近いことです。
この神経は、下あごに埋まっている非常に敏感な知覚神経で、それに近いことによって抜いた後、麻痺を起こす危険性が他の歯を抜いた場合よりも高まります。
歯を抜く行為は、その時に骨をきしませ微小な骨折を起こすものです。
それによって、局所は炎症を起こします。
炎症を起こすとそこには必ず血行不良が生じます。
その為に、神経に血液を送る血管に血行不良が生じ麻痺がおこるのです。
特殊な場合を除いて、神経を傷つけておこるものではありません。
症状は多様ですが、足がしびれた時の状態に似ています。
つまり、「全く感覚が無い状態から、ビリビリした状態になってだんだん回復してくる。」そのどの症状になってもおかしくありません。
私が大学病院時代在籍していた麻酔科は、その麻痺を治療していましたが、これが非常に回復速度が遅い。
大学病院に紹介を受ける患者さんは重傷な患者さんが多いことを考えても、その治療には1年も2年もかかる人がいます。
また、知覚という何とも評価が難しいものが相手なため、回復状態の確認が難しいのも問題点に挙げられます。
当院でも何百人もいる抜歯患者さんの中で、3人麻痺を起こした患者さんがいますが、いずれも3か月以内に回復しています。
しかし、それがおこるとかなりつらい思いをする合併症です。

そのほか術後に起こる主な症状は、痛み、腫れ、出血、また内出血に伴うアザである出血斑等です。
抜歯に際しては、すんなり抜けない環境の場合、歯を分割したり骨を削ったりしなければならないことも多いため、やむを得ない症状になります。
ただこれらの症状は、いくらひどくても一週間から10日程度で回復しますのであまり心配はいりません。
またこれら炎症に伴う症状は、個人差が大きく、中にはほとんど問題になるような症状が出ない方もいらっしゃいます。

いずれにしても、このような環境不全の親知らずは、決心できれば抜くことをお勧めいたします。
周りの歯の環境を整えるという意味でも、意義があると考えているからです。

親知らずが痛くなったらどうするか?

  • 2014.11.11 Tuesday
  • 08:30
「よく親知らずが生えてきてしまって痛いんですが…」、と急初診のお電話をいただくことがあります。ん
これは、どうなっているのでしょうか?
本日は、そんなお話です。

親知らずは、言わずと知れた8番目の歯です。
近年、あごが小さくなっているせいか、正しい方向に生えてこず、ななめや真横に生えている方が大半です。
その為当然うまく磨けずに、細菌の塊であるプラークの温床になっている場合も多く見受けられます。
これによって、一部分だけ進んだ歯周炎のになり、常に炎症がある状態になります。
これは、慢性炎症の状態で、普通症状はありません。
これが、少し体調が悪かったり、体の抵抗力が落ちる急性炎症になり症状が出ます。
「親知らずが生えてきてしまって痛いんです」というのはこの状態です。
いくら痛いからといって、この時期に歯を抜くことはできません。
急性の炎症があると、その部位の組織は酸性になっており、肝心の麻酔が効きにくいからです。
また、たまたま麻酔が効いても、抜いた後の炎症は今ある炎症の上乗せになり、術後の症状はかなり厳しいものになるでしょう。
また基本的には、感染による化膿性の炎症ですので、まずは抗生剤である程度化膿を抑えなければ、抜歯してあいた穴からさらに感染して重篤な症状になってしまうこともあります。

その為、通常は薬を出して化膿性の急性炎症を慢性の炎症にしてから抜歯を行います。
この間、薬の効果で化膿が進み、膿がたまって腫れがひどくなったりすることもあります。
この場合は、切開して膿を出すと一気に慢性化することができます。

抜歯は、この様に急性炎症が抑えられたときに行う方が効率的です。

ただ親知らず…。抜歯も一筋縄に行かないことも多いです。
これはこの次のお話にします。
 

痛みを感じない麻酔とは?

  • 2014.11.06 Thursday
  • 07:48
無痛治療という宣伝文句をホームページで目にします。
歯科治療は基本的には大部分が外科処置になります。
当然、痛みが伴うはずですが、なぜそんなことができるのでしょうか?
過去にも書きましたが、本日は「無痛治療」に関して再編集してお伝えします。

これができるのは、当然麻酔注射のおかげです。
しかしこの麻酔注射は、除痛を目的にしているにもかかわらず、それ自体が痛みを生じる可能性の高い行為という矛盾をはらんでいます。
無痛治療を実現するには、この麻酔注射を無痛に行うのが必須になってきます。
今回は、それを果たすために、笑気麻酔を併用する方法は書きません。
これも一つの方法ではありますが、治療費もかさんでしまいますし、何より併用しなくとも実現できるからです。

麻酔注射を無痛的に行う方法は、ズバリ、痛みを感じないところに、痛みを感じにくいようにうつことです。
当たり前だと思われると思います。
しかし、驚くことに、多くの歯科医師は詳しく麻酔注射の方法を習っていません。
多くの場合、指導医のまねをしたり、近しい先輩ドクターにきいたりして習得しています。
実際には、出会ったドクターがそれを行っていなければ、無痛にはできないわけです。

…ではどうすれば無痛でできるのでしょうか。

痛みを感じないところとは、圧力を感じにくいところです。
ここでは、よく伸びる頬っぺたの粘膜です。
痛みを感じにくいようにうつとは、その部位にゆっくりと圧力が上がらないようにうつということです。
頬っぺた以外部位には、そこの麻酔が効いてから順次麻酔をしていくわけです。

これは基本中の基本ですが、ほとんど行われていません。
完全に実施するためには非常に時間がかかるからです。
また、初めから麻酔をして行うこともしていないかもしれません。
その理輔は、現在の保険制度では、ほとんどの麻酔注射は点数がなく無料だからかもしれません。
こういうところにも保険制度の問題点を感じてしまいます。

無痛診療は、術者の志が感じられる分野なのです。




 

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