新たな力

  • 2011.10.30 Sunday
  • 14:41
当医院は、診療器具の取り揃えではかなりの自信があります。
特に、歯周病に対する手術器具やインプラント関連の器具の取り揃えはかなりのものではないかと思います。
そんなこんなで、それを整理して、またもってこなくてはならないスタッフには、ヒンシュクを買っていると思います。

実際は、使ってみたけどいまいちのもの、使い勝手が悪いもの、全く使えないものも多く、物入れの奥深くに埋もれたものも数多くあります。

今回手に入れた器具。
骨が柔らかい顎にインプラントを埋入するときの器具です。
このての道具は、このほかに3種類ほど所有していますが、今回の器具はかなり使い勝手が良好でした。

T`sボーンスプレッティング

椎貝達夫先生考案の「T`sボーンスプレッティング」です。
以前の器具は、同様の効果を期待するものの、滑ってしまったり、
うまく入っていかなかったりしていました。

この器具は、小型のインプラントのような形状をしており、削った骨の骨だまりもついています。
また、付属の大型ドライバーによって、方向確認をたやすくし、使い勝手は「ノーベルアクティブ」の様です。
骨の密度を上げる効率も良好に感じました。

主に、抜歯をしてすぐにインプラント埋入する症例や骨が柔らかい症例に使用することになります。
また新たな力を手に入れた気分です。 

特殊訓練

  • 2011.09.09 Friday
  • 09:14
私たち歯科医師は、新しい技術を練習するため主に豚の顎や模型、特殊モデルなどを使います。
主に、外科手技を習得するときに行いますが、先日紹介したサイナスリフトには特別なものを使います。
それが本日のお話。

その特別なものとは、生卵です。

卵は、硬い殻とその内側に薄い皮があり、白身と黄身が入っています。
外側の硬い殻を削っていき、薄い皮は破らずに外側と内側を剥離していく練習をしていきます。

これが、サイナスリフトの時の上顎洞の前方の骨を穿孔し、上顎洞粘膜を骨から剥離するのに近い感覚なのです。
ただ、ある意味では、卵のほうがはるかに難しいですけど…

この練習は、廃棄物が出なく手軽で、おまけに練習後は料理に使えるというおいしいものです。
ただうちで買っている、「らでぃっしゅぼーや」の卵は、新鮮すぎて内側の膜が厚く、少し物足りないのが玉にきずです。
 

サイナスリフトというもの

  • 2011.09.07 Wednesday
  • 08:47
上の顎にインプラントする場合、特に臼歯部では厄介な特徴があります。
鼻の横にある空洞「上顎洞」です。
特に我々モンゴロイドは、歯牙を失うと年月とともに肥大化する傾向が強くあります。
この上顎洞というものは、当然のことながら空洞で、骨がありません。
インプラントは骨の中に植えるものなので、これでは困ります。
そこで…。本日は上顎洞拳上手術「サイナスリフト」のお話です。

サイナスリフトとは、簡単に言えば上顎洞に空洞部分の必要なところに骨を作る手術です。
方法は大きく分けると二つあり、一つは、インプラントと同時にその部分から行うソケットリフト。
もう一つは、上顎洞の横から骨を増やすラテラルアプローチです。

使い分けは、ある程度の骨があり、インプラントと同時にできる場合はソケットリフト。
骨がなく、インプラントはそのままでは不可能な場合はラテラルアプローチを行います。

術式は比較的単純ですが、視野は悪く、解剖学的にもいくつか注意する特徴があります。

可能ならば避けたいですが、そうはいかない場合も多比較的試行回数の多い手術オプションなのです。 

実は大切なことです

  • 2011.06.03 Friday
  • 09:02
様々な知識が要求されるインプラント手術。
位置や角度は基本的には修正が出来ないので、手術時の緊張感はすごいものです。
そのためか、手術が終了するとかなり疲れて、詳細な記録を残すことが難しいのが現状です。

インプラントの場合、特にほとんどの手術を2回行う方法をとっている当院の場合、
次の手術まで、行った術式を記録するのは非常に重要です。
そこで当院では、手術時にそのすべてを動画で記録しています。

当初、様々なところに設置したカメラから撮影することを行ってきましたが、
術者の頭が最も邪魔者で、詳細な記録とまでは行きませんでした。

現在は、術者の頭部に設置した小型カメラから撮影する方法をとっています。

撮影システム1撮影システム2

この方法だと、邪魔になるものはまったく無く、記録としては完璧なものになります。

術中少し重いのと、暑いのが問題ですが、これからの自己研鑽にも寄与する重要なデバイスなのです。

 

考え方の温度差

  • 2011.01.17 Monday
  • 09:24
16日(日)は鶴見大学で、「UCLAインプラントアソシエーションの特別講演」がありました。
テーマは「インプラント治療の問題症例とトラブル回避」でした。

日本に現在使用されている骨とくっつくタイプのインプラント治療が伝えられて、45年になります。
そのインプラント治療を開発したブローネマルク教授が「成功は聞き飽きた」と言われたそうです。

様々な学会で、目を見張るような成功症例の影にある問題症例。
それをそろそろ出して、省みましょうということでしょう。

考えを変えれば、インプラントの有効性はもう世間に認識されているということかもしれません。

講演では、東京医科歯科大学インプラント科に来院された問題症例を春日井教授にご提示いただき、有意義なものでした。

さらにその中で、衝撃的でしたが、納得の一言。

「患者さんは、インプラントを医療ではなく、電化製品や衣服を買うのと同じように、ものとして考えている。これは間違いのないことです。」

われわれしか医院側とは、まったく違う温度差の考え方をどの程度埋め、補填するかがキーワードなのかもしれません。 

それでいいのか

  • 2010.11.05 Friday
  • 08:45
インプラント治療も特別なことではなくなり、主訴がインプラント治療希望という患者さんも増えてきています。

しかし、それに伴って増えてきているのは、他院での失敗症例や不可能症例と診断されたものなどの難症例の増加です。
特に他院でうまくいかなかった症例では、骨を増やしたり、上顎洞と言われる骨の空洞を埋める手術を行っていることが多いです。
この場合、特に大切なのは、骨を増やすとき使った補填材に何を用いていたかです。
補填材の中には吸収して骨に置き換わるものと、置き換わりにくいものがあります。
吸収する場合には感染が起きていなければ摘出手術は必要でない場合もあり、吸収しない場合は摘出しなければならない場合が多いと思われます。

どちらにあたるかは、レントゲンなどの画像診断ではわかりません
そうなれば、以前の医院に問い合わせるしかありません
しかし、その回答が望ましいものでないことも多くあります。

「カルテが廃棄焼却されており、確認できない」や「担当者歯科医師が退職して回答不可能」など…。

ただインプラントは10年以上の長期予後が期待できる治療方法です。
保険治療のカルテ保管期間である5年を、インプラントに当てはめるべきではないと考えます。
少なくとも体にはない異物にもなりかねないものを体に埋め込む治療を行っているわけですから、責任を持って回答するべきではないでしょうか?
 

自然に逆らう術式

  • 2010.09.03 Friday
  • 09:01
抜歯後はあごがやせてしまう。そこで、可能な限り回復した上でインプラントを行う。
これが前回のブログ内容でした。

それではどうするのか?

骨も粘膜(歯肉)も維持するためには血液が欠かせません
また、粘膜より骨のほうが出来るまで時間がかかってしまうのも、本日の話のポイントです。

吸収した部分に骨を作って、ボリュームを増すには、まず、骨を作る部分に移植材や他の部分から採取した自分の骨を砕いたものを入れて、骨が出来る足場を造ります
さらに、そのボリュームが減らないように、チタンで外枠を作ります。
このまま傷を閉じると、粘膜のほうが治るスピードが早く、骨にならずに肉になってしまうので、それを遮断するようにカバーをします。
その上から傷を縫合します。

このように凝ったことをしないといけない理由は、普通どおりに治すと骨が減ってしまうから、言い換えると、「普通ではない治り方をさせないといけない」ためです。
骨を効率よく作るには、肉になる組織と、骨になる組織を別々に治す必要があるのです。

この手技の中で最も重要なのは、縫合です。
元の大きさとは違う状態になった傷をすっかり覆うように縫い合わせなければなりません。
歯肉に穴を開けないように丁寧に扱い、傷に見合う程度に伸ばすよう切開して、なおかつ、血行不良にならないように縫い合わせなければなりません。

慎重に進める手技ですが、自然治癒に逆らう術式でもあります。
術後にも慎重な経過観察が欠かせません。
合併症が起こるリスクも高まりますが、未来につなげるため、患者さんのご理解が得られれば、不可欠な術式でもあるのです。

未来に差が出る術式

  • 2010.09.01 Wednesday
  • 09:12
歯を抜いた後、当然ながら骨まで穴が開いています。
この抜いた後の穴はどうなるのでしょうか?
穴の中に血の塊が出来、約6〜8週で歯肉になり、その下には6〜9ヶ月で骨が出来ると言われています。

しかし、元あったボリュームまでは出来ません。つまり、抜歯した後はあごがやせてしまうのです。
この傾向は、抜歯にいたった状態によって違いがあります。
抜歯時に大きな膿の袋などがある場合には、あごが明らかにその部分だけなくなってしまいます。

骨のボリュームがなくなってしまうと、インプラントにも義歯にも都合が悪くなります。
特にインプラントの場合は、治療の可否にかかわる問題になります。
そこで、術前あるいは術中同時に骨を増やす手術を行う場合があります。
最近では、他院でインプラントはできないと言われてきた方が来院されるため、その頻度は非常に増えています。

インプラントを埋入して上に歯を作ることは、きっちりした術式と術後管理を行えば、そんなに難しくはありません。
ただ、歯を作って咬ませた後、ブラッシング等で管理するのは患者さんです。
周りの歯と近いボリュームまで骨を回復した場合は、特別な配慮をしなくとも清掃は可能ですし、食物の停滞も少なくなります。

その術式は非常に複雑で経費もかかりますが、見えないクオリティーの高さは10年後、20年後にはっきりとした形で差が出る私のこだわりなのです

最重要期間

  • 2010.03.28 Sunday
  • 08:32
  突然なんですが、私は非常に用心深いほうである。しかし、それは歯科治療に対しては、非常にプラスなことだと思っている。どんなに新しく、画期的な方法でも、セミナーで直接習わなければまず治療で応用することはしない。ただ、矛盾しているが新しもの好きでもある。器具や材料はすぐに新しいものを買ってしまう。買ってから使うまで熟考が必要なだけに、治療に応用するまでの時間が長い。それなら買わなければいいではないかと思うが、買ってしまうことが勉強の活力になると考えている。

 全く話は変わるがおとといはかなりシビアなAll on 4症例のOPE日であった。All on 4の症例報告は後日行うが、何よりうまくいくのは前準備の周到さと考えている。

 今回の症例は、インプラント治療が決定し、契約してからOPEまで、実に12カ月の期間を要した。All on 4は、手術当日、今まで総入れ歯だった人に、固定性のインプラントブリッジを入れる方法である。入れ歯と違いインプラントはすごく噛めるので、インプラントの仮歯でも、入れば心配なのは向かい合わせの歯である。ちゃんとした治療をしていなければ、歯や根が破折したり動揺をきたしたりしかねない。その再治療に時間がかかってしまったのだ。巷のインプラントを売りにしている先生からみれば、早くやってあげることが歯医者冥利なのかもしれない。しかし、石橋をたたいてわたる的な慎重さが、当院のインプラント成功率100%の原動力なのだと信じている。確かに、希望通り早々にインプラントをして、問題が出れば取ってやり直せばいいのかもしれない。私の身勝手かもしれないが、私はこのスタンスこそ、患者さんに考える時間を与え、十分な信頼関係を築く最重要期間なのではないかと考えているのです。

インプラントの報道

  • 2010.01.24 Sunday
  • 11:01
  週刊朝日やテレビ朝日で愛知県の歯科医師が、インプラントの使い回しをしていたという報道がなされました。インプラントの使い回しは話の外ですが、その他にもお話にならないポイントがありました。スタッフの証言によると「インプラントは家庭用洗剤(ママレモン)でほかの歯科用器具と同じように洗っていました。」歯科医院で付着くする汚れは、主に体液であり、油汚れではありません。通常私たちは、体液(血液はもとより唾液も含む)が触れた歯科器具は、まずたんぱく除去液の中に入れ超音波洗浄、その後歯科用洗浄液につけて超音波洗浄、さらに滅菌のため高圧蒸気滅菌機(オートクレーブ)を使用します。滅菌効果をしっかり発揮させるためには余分な汚れやタンパクなどを取り除かなければなりません。多くの医院は当然のごとくこのように行っていると思われます。少なくとも自分の子供や肉親の治療をする時、躊躇なくそこにある器具で、診療できなければおかしいと思うからです。

 私はインプラントを、報道でもコメントしておられましたが、日本にインプラントを持ってこられた小宮山彌太郎先生に教わりました。セミナーでは、インプラントの方法や技術指導は当然ですが、患者さんに対する姿勢やインプラント治療に対する心構えなど倫理面が強調されていました。インプラントをただの治療方法というハード面からとらえて、伝える簡単なセミナーは山ほどあります。しかし最も大切なのは患者さんとの良好な関係であり、自分の治療にしっかり責任をもつ姿勢であると思います。このような治療に対するソフト面を、小宮山先生は非常に重視されていました。

 当院で説明を聞かれた患者さんはご存じだと思いますが、インプラントを体が異物と認識しないためには、精密に規格化されたインプラントを、十分診断された治療計画のもと、正確・低侵しゅうに手術することが必要です。これからも慎重すぎるくらいの慎重さを持続したいと考えています。

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