即時義歯

  • 2013.09.25 Wednesday
  • 08:20
特に重度の歯周炎などで、複数の歯を一度に抜かないといけない時
主に見栄えだけを回復する目的で使うもの。
本日は、その「即時義歯」についてのお話です。

以前も書きましたが、義歯は、装着する口の中の歯の準備が終わってから入れるものです。

ただ、一気に複数本の歯を失う場合、見栄えの回復のために仕方なく、
事前に歯がある状態で型を取り、模型上で歯を削って作るのが「即時義歯」です。

当然、口の状態とぴったり合うわけもなく、適合は低く、
歯の準備も出来ていないので、為害性も高い。
簡単に言うと、患者さんは、痛いし噛めない。
おまけに、保険治療では仮の入れ歯は認められていないので、適合が低くても一定期間は作り直せない。

事前に、お話はしてありますが、患者さんにとってはただでさえ違和感が強い義歯の適合が悪ければホント、「一言言いたくなるでしょう」…。

ただやりようがありません…。
そうならないように、是非とも定期検診に来ていただき、少しでも口の中の変化を少なくするようにお勧めするこの頃なのです。 

リンガライズドオクルージョンとは

  • 2013.09.17 Tuesday
  • 09:07
以前も書きましたが、本日はかみ合わせ様式
「リンガライズドオクルージョン」についてのお話です。

小出先生のセミナーでは、この咬合様式で義歯を作っていきます。
このかみ合わせは、どこが優れているのでしょうか?

まず、特に総義歯などでは問題になってくる食物の裁断能力に優れている。
食べられないと思われる、イカの刺身、たくあん、サラミなども食べられる。

この裁断力こそが、義歯にかかる側方力を予防しているともいえましょう。
義歯にかかる側方力は、バネのかかっている歯にも問題になってくるし、
また、総義歯では脱落力にもかかわってきます。

食品による側方力を押さえる方法が、裁断力を上げることなのでした。
ただ、当院でも言われることがありましが、お米など、すりつぶすことによって、甘く感じるようなものには向いていません。
裁断力の高い、とがった歯ではすりつぶすのが難しいからです。
患者さんからも、お米は丸のみだけどと言われることがあります。

入れ歯ではあきらめていたものを食べるか、すりつぶす食べ方を選ぶか。

そのどちらかを選択しなければならないのです。 

そのままでは不可能

  • 2013.09.03 Tuesday
  • 23:09
入れ歯を入れたことがある方なら当然わかること。
それは、口に中では必ず動くことです。
どんなに、高度な技術を使っても、どんな、高級な金属を使っても、
取り外し式の入れ歯である限り、必ず動いてしまいます。

この動きは、入れ歯のばねがかかる歯と、あごの粘膜と骨で受けとめます。

ただこの動きは、大きければ大きいほど他の組織に迷惑をかけてしまい、
また、その時の力の方向が斜めや横方向になればなるほど問題が大きくなってしまいます。

そこで、この動きやすい弱い道具を、支える側の形やバネの工夫でなるべく動きにくくするのが、義歯の設計には必要です。

ここで、問題が出てきます。
入れ歯を主訴で来院される患者さんは、たいがい、今入れ歯に問題があってこられているので
早く入れ歯を作ってほしい患者さんばかりです。
ところが、不具合のある入れ歯は、その設計や、残った歯に問題があることが多いので、それを治さないと入れられないのです。

当院に来院する義歯の患者さんの多くは、その様は問題を持った患者さんです。
今使っている入れ歯を治したり、仮の入れ歯を作って対応したりしますが、
もともと、きちんと準備できていなければ問題は解決しないですし、バネのかかった歯を治療しなくてはならない時には今以上に使えない時期もあります。

ただ、そのまま入れるのは不可能、いつかはきちんとしなければ今までと同じになってしまうだけなのです。

無くなった人の基準

  • 2011.11.07 Monday
  • 08:45
歯が一本もなくなってしまった人。
仮に、突然無くなってしまって、義歯も初めての人はどのように歯の位置を決めるのでしょうか?
本日はそんなお話。

答えは先人たちの膨大な研究によって出されています。
まず一般的な平均値から、下の歯の位置を決定します。
それを元に、上の歯の唇側の傾斜を決め、上唇の位置から歯の長さを決定します。

さらに上と下の歯が噛みこむ位置を決定します。
かみ合う高さは、顔貌から決定し、水平的位置は装置を使って運動から決めます。

こうしてやっと、歯の並ぶ位置がポイントとして決定することになるのです。

実際は、徐々に総義歯になっていくことがほとんどなので、すべての診査を行うことは少ないのですが、徐々に位置がずれている場合は行うこともあります。

歯科でも、作るのは技工士と分業化が進んでいます。
それは大切なことですが、われわれは技術屋なのですから、ある程度技工も出来、
また、その知識を持つことが大切と考えています。 

どのくらいもつのか?

  • 2011.10.18 Tuesday
  • 08:45
入れ歯を作ったら、それが壊れない限りずっともつ
そう考える人はかなり多くいます。
今日はそんな人のためのお話。

基本的に入れ歯は、歯がなくなった歯肉に入れるものです。
当然ながら、柔らかいお肉の上に、硬い入れ歯が乗るわけですから、乗ったところに貧血帯ができます
この状態が長く続けば続くほど、歯肉もその下の骨も吸収してしまいます。
その結果、入れ歯は合わなくなってしまいます…が、原因が入れ歯なわけですから、入れ歯の内側にそってある程度吸収する可能性もあります。
ただ、吸収するわけですから、かみ合わせは変わってしまうはずです。

その上、入れ歯の人工歯は、使えば当然減ってくるわけで、それによってもかみ合わせは変わってしまいます。

こう考えると、入れ歯の寿命はそれほど長くはありません。
どんな入れ歯でも、減ったかみ合わせを修理したり、吸収した歯肉に見合った裏打ちを知る必要があります。

当院では、入れ歯を作った場合少なくとも半年に一回は見せていただくようにしています。
いずれにしても、使えているから大丈夫なわけではないわけです。 

ノンクラスプデンチャーというもの

  • 2011.06.22 Wednesday
  • 09:26
義歯には金属製のバネがつき物です。
しかしこれは、見栄えに影響してしまいます。
そこで、歯肉の色と同じプラスティックでバネを作った義歯が現れました。
これが、いわゆる「ノンクラスプデンチャー」です。

従来のプラスティックよりも弾性を増したものを使用することにより、
歯のアンダーカットに入り込み、維持するというものです。

しかし待ってください!
義歯は入ることによって、必ず残存歯に迷惑がかかるものです。
したがって、義歯は可能な限り残存歯に影響がかからないように作らなければなりません。

すべてプラスティックで出来た、ノンクラスプデンチャーは、出し入れの度に残存歯を揺らし、
側方力をかけるものになってしまいます。
また、持ち味のプラスティックのバネも、力の調節の点で問題があります。

本来の義歯は、バネの素材の弾性率から、アンダーカット量を細かく設定し、
バネによる側方力を、反対側に付けた力を干渉する金属の壁で防御するものです。
このような機構により、特に出し入れのときに有害な横方向の力をブロックするのです。

現状の歯牙の型を取って、ハイ出来上がりの「ノンクラスプデンチャー」では、
この設定は不可能です。

また、義歯に荷重がかかれば、必ず下にある土手も吸収してしまいますが、わざわざ弾性のある素材で作られた「ノンクラスプデンチャー」は、より吸収を早める道具になってしまうでしょう。

入れた当初は、調整もあまり必要なく、軽く、見栄えも優れていますが、今まで培った理論を無視した義歯と言わざるおえません。

力をブロックする壁

  • 2011.04.14 Thursday
  • 09:00
義歯は口の中の道具です。
それには、道具なりの形があります。
このコーナーでも何回も登場したお話ですが、本日はもう少しお付き合いいただきます。
というわけで、本日は義歯のバネについてのお話です。

義歯に求められるバネの形にも原則といえるものがあります。
バネは義歯を動かなくするものなので、動かないように歯にはしがみつく側方力がかかってしまいます。
この力は当然有害で、不自然な力です。
これを無害なものにするのが義歯のバネに対する工夫です。

具体的には、横に力が加わらないように、力の反対側にしっかりした壁をを作ることです。
この壁で、歯が横揺れするのを防ぎ、さらに、出し入れや沈み込みの方向を規制するのです。

当院での義歯の設計にもっとも大事であると考えるのがこの壁(ブレーシング)の設定です。

この壁をしっかり設定するには、残念ながら保険の設計ではできません。
逆に言うと、当院の自費の義歯の意味は、この壁を如何に設定するかであるといっても、過言ではありません。

最近は、技工師でしっかり義歯を作れるところが激減しています。
インプラントの台頭がその一因と思われますが、 我々歯科医師側でもしっかり話ができる人が減っていると感じます。

いなければ育てていかなければないません。
幸い、現在当院で付き合っている厳選した技工師は、少し話せば迅速なレスポンスで技工物に反映してくれます。
当然のことながら、日々の研鑽が重要と考えています。
 

ゆっくりと固まる材料

  • 2011.01.11 Tuesday
  • 08:59
入れ歯をくっつかせるためには、動くけれど動かされないところまで入れ歯の縁を全周延ばすようにすることです。
かなり分かりにくい表現ですが、過去の義歯治療のブログ等を確認していただければ理解してもらえるかもしれません。

本日は、そんな入れ歯の話(型取り編)をお送りします。

動くけれども動かされないところまで型を取るには、ある程度の硬さがあるが、柔らかい材料を使用する必要があります。
ここでは、我々が設定する部分まで型が取れていなければならないので、いきなり固まる材料ではなく、徐々に固まる材料で、術者が望む形を作っていかなければなりません。

しかし、理想なかたちはわかっていても、一回でその形になるとは限りませんから、部分的に何回もやり直せないといけません。

そこで登場するのが伝統的な熱可逆性材料です。
簡単に言うと、熱を加えると柔らかくなり、冷えると固まる材料です。

これを使用すると、足りないところは材料を足して、少し柔らかくして再度型取りすることが可能になります。

最近は、義歯内面にクッション性の長時間かけて固まる材料を使用して、自動的に型を取る方法をとる場合が多いようです。
この方法を用いる場合もありますが、この場合はどうしても70点程度の出来になってしまいます。
それ以上の高得点を狙うには、どうしても意図するところまで伸ばす一手間が、必要になってくるのです。

残念ながら保険治療では用いることが出来ない技術ですが、時間をかけるのは、かけなければ決して出来ない理由があるからなのです。
 

仕方がない話(更新版)

  • 2010.11.10 Wednesday
  • 08:59
総入れ歯。当然ながら、歯は一本もなく、口にくっついていないと落ちてしまうものです。
くっつくということは、中に空気が入らないようにしなければならないということです。
そのため、法則どおりの形が必要になります。
ただ、多くの患者さんはその大きさに不満を感じているようです。
本日は、総入れ歯の大きさの話です。

口の中の粘膜は動くものですが、動きが悪いところもあれば、大きく動くところもあります。
総入れ歯をくっつかせるには、内側は、骨の裏打ちがなく沈み込む粘膜に入れ歯の端を持っていき、外側は、動くところと動かないところの境目付近に持っていって、空気が入らないようにする必要があります。
この大きさは、昔の形とは違うものなのです。
時には、下ベロの脇で下の入れ歯を支えなければならないときもあります。
それは、気になってしまうでしょう。
ただ、それは仕方がない話なのです。

当院にいらっしゃる総義歯の患者さんの多くは、非常に小さな入れ歯で、吸着せずに食べられない状態になっています。
患者さんの意識では、この大きさでくっつくようになると思っているかもしれません。
そうではないのです、くっつく形にしなければ、総入れ歯は絶対にくっつかないものなのです。


pochiさん、ご指摘ありがとうございました。
修正して更新いたしました。 

なかなかの曲者

  • 2010.09.16 Thursday
  • 09:15
義歯を使用している患者さん。
当然のことながら、歯が少なくなっています。
もう失いたくないと思っているはずです。
われわれも、失わないように条件を整えて、義歯を入れようと思っていますが、どうしてもうまくいかない状態があります。
本日はそんなお話です。

その状態とは、歯が一本だけ残った状態です。
入れ歯は、歯が抜けた後の歯肉の上にのるものです。また、残った歯には普通バネをかけて入れ歯の支えにします。
実はこれが問題なのです。
入れ歯ののった歯肉は、バネをかけた歯よりも柔らかいので、入れ歯は歯を中心にして動くことになります。
この場合、バネの力だけでは入れ歯を支えきれないので、動かない入れ歯を作るためには、総義歯のように吸着にたよるところが多くなります
しかし、一本だけ残った歯があると、その歯の周りには歯肉の沈み込みに対して、歯によって動きが制限されて空間が生じ、空気が入って吸着が起きないのです

簡単に言えば、歯にものすごく負担をかける入れ歯になってしまうのです。
また、動きが抑えられないので、残った歯から遠い部分に、あごの骨の極端な吸収を生じてしまいます。

上下の違い、あごの状態、向かい合わせの歯の状態等で一概には言えませんが、一本だけ残った歯は、なかなか曲者なのです。 

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